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fishbowl クリエイターインタビュー MV監督×ヤマモトショウ(後編)

2024年3月から新体制となったfishbowlの、新体制初楽曲「一雨」のMusic Video(以下MV)が公開されました。
この対談(後編)では、「一雨」MVの監督を務めている いしだももこさん に今回のMV制作の裏側を伺っています。ぜひ、前編/中編と併せてご覧ください。

取材・編集/井上ともみ(エストリンクス/応援企業)

いしだももこ:WACHAJACK所属。広島県出身の映像ディレクター。fishbowlではMV撮影のサポートや、CDジャケット、アーティスト写真のアートディレクションなどを手掛けてきており、「一雨」では監督を務めている。
 
いしいかつあき:WACHAJACK所属。静岡県出身の映像ディレクター。fishbowlでは「深海」から「白線」までのすべてのMVの監督を務めているほか、MV以外にもLive VideoやDance Videoなど様々な映像を担当している。

いしだももこ / いしいかつあき

ヤマモト:いしださんも いしいさんと同じく「深海」からfishbowlに関わってくれていますよね。

いしだ:そうですね。「深海」MVを撮るぐらいの頃に、ちょうど私がWACHAJACKに入っていて。
 
そのときは撮影にはまだ参加していなくて、編集がほぼ終わって、ロゴ作りのタイミングで参加しました。
いしいくんから「新人アイドルのMV作ったんだ」という話をされて、MVを見た瞬間「めっちゃいい…!」と、エンジンが入るような感覚があったのを覚えています。本当に全てのクオリティが高くて、私は元からアイドルがすごく好きで色々追ってるんですけど「なにやらアイドルらしくないアイドルが誕生したぞ」と。見た瞬間から「絶対私も参加していきたい!」と強く思いました。

そこから「深海」の冒頭の、ポコポコポコって消えていくロゴを作らせていただきました。それがfishbowlとの最初の関わりです。

いしだ:「朱夏」以降も、何かしら全部関わらせていただいて、「朱夏」に関しては現場に行って、メイキングを撮ってました。
 
ヤマモト:大変でしたね。あれは全員が大変な撮影だったんで。
 
いしだ:物理的な移動距離も海から山でしたし、Aメロからサビまでをワンカットで撮影をしているんですが、いしいくんがそれをメイキングに残したいと言って。ワンカット撮影の様子を、カメラの背後から何とか映らないようにして撮る、ということをやりました。
 
ヤマモト:カメラマンの動きを完全に覚えないとできない、という。
 
いしだ:謎の技術を発揮させられて(笑)
すごい緊張感とイベント感と言いますか、MV撮影にあるまじきちょっと面白さをあそこで感じていて。思い入れがありますね。
 
ヤマモト:そこでメンバーとも結構コミュニケーションがあったりね。
 
いしだ:「MVに映らない素の本人たちらしさ」みたいなものを撮りたいと思っていたので、なるべくみんなが話してるところに入っていったりとか、隠し撮りっぽいことをしたりとか。
私もアイドルオタクなので、オタクが見たい部分は良くわかるんですよ。そこら辺をくすぐるものが撮れたらいいな、と思いながらそのときは参加してました。
 
ヤマモト:4人体制になったときの最初の撮影もお願いしましたね。

いしだ:4人でジャンプしているアーティスト写真のアートディレクションをさせてもらって、多分それが、自分の名前が前に出る初めての関わりでした。
それまでは裏方っぽい感じでしたね。「雪景」はイルミネーションを作ったりとか。

ヤマモト:やってもらいましたね、寒い中。
 
いしだ:撮影時は気付いてなかったんですけど、ちょうどそのとき妊娠していて。どうにもこうにも腰が痛いなって思いながら、「寒さのせいかな?」と思いながらイルミネーションを設置してました(笑)
アーティスト写真を撮影したときは、お腹パンパンのままやらせてもらって。
 
「白線」だけちょうど生まれたぐらいの夏で、撮影には参加できなくて。でもロゴはやらせてもらいましたね。「熱波」もロゴ、クレジット、CDジャケット、歌詞カードなどを担当しています。

ヤマモト:大体のfishbowlのロゴやジャケットを作ってもらっている感じですね。あとは「王国」も。

いしだ:「王国」はそもそもどんなジャケ写にするのかみたいなことも含めて、結構あのときはみんなで悩みましたね。
私的にはエモーショナルな感じを考えていったんですけど、できたものはファンキーな感じがあって、インパクトがすごかった...!

ヤマモト:宇宙でサッカーボールに乗って、下に富士山みたいな。なんか僕はバカジャケにしたくて。サッカーボールのアー写も同じ日に撮りましたね。
 
いしだ:はるちゃんのインタビューで、「撮ってるときは『なんだこれ』って思ってたけど、後のリフティングの企画に繋がるとかそういう意味があったのか」と書いてあって、ああ、よかったなと(笑)
メンバー全員「なんだこれ」って思いながら撮影してたと思います。
 
――アー写として出した当時は、ファンは結構荒れたんですか…?
 
いしだ:「今後このアー写で行くの…?」みたいな感じではありましたね。
 
ヤマモト:そうですね。静岡の良くないところ、保守的な面が出ていたなと感じましたね。とはいえ、僕としては思った通りの反応という感じでしたけど。「なんだこれ」ってなってほしかったので。  

ヤマモト:いしいさんもそうですけど、僕のざっくりしたオーダーをだいぶ汲み取ってくれていて。このときは「変なのがいい」みたいな感じで。いつもそう。「めっちゃかっこよくしたいんです」とか。
熱波のジャケ写も、確かスピードのファーストアルバムのジャケ写を見せて、「こんな感じで、メンバーは素なんだけど熱量だけはある雰囲気で、後は任せます」くらいのオーダー。MVに関してもそれくらいの温度感で伝えています。全然具体的ではない。

ヤマモト:とはいえ、しばらくは本当に作ってなかったです。MVは いしいさんのこともありつつですが、実はこの1年ぐらい音源も出してなかった。配信は出してましたけど、CD出さないしMVも出さないしで、結構尖った活動をしていて。
 
いしだ:ファンのかたが撮ったライブ映像とかは見ていましたけど、公式が映像を出したと思ったら、真っ暗だったり(笑)

ヤマモト:あれは苦肉の策ですね(笑)
 
いしだ:結構いろんな方向への尖り方をしているなと。
 
ヤマモト:でもそれも、もちろんMVが作れないという事情もあったんですけど、逆に今までいいものを作ってきたからこそ尖れるというのがあって。
サッカーボールのアー写もそうなんですよ。それ以外のいいアー写があるから、サッカーボールになっても「なんかこっちもやってる」みたいになるというか。音楽を作るのも実はそういう作業の繰り返しで、脱構築。一回ずつ崩してやっていくみたいなことも大事だなと。
 
いしだ:そうかも知れない。
 
ヤマモト:とはいえメンバーも増えたし流石に今回はMVを作らねば、ということになり。ちなみに、新メンバーが入るみたいな話はどんな感じで聞いていたんですか?
 
いしだ:「一雨」MVのお話を聞く前から、私から会社に「fishbowl、MV作らないんですかね~?」ってふんわり探りを入れていて。

ヤマモト:最近出してないよなと。

いしだ:あわよくば作りたいなと思っていたところもあり。でも、いしいくんが頑張ってきてたのを知っているから、彼のことも思いつつ。とはいえ、そろそろ何かないかなと思っていたところで「新メンバーを入れるらしいよ」と。

たしかMV制作のお話をいただく2週間前ぐらいに、こころちゃんとザーラちゃんという2人が入るというのを伺いました。私ラストアイドルも見ていたので「これまた変わるだろうな!」と思ったのと、「新生fishbowl始まるな」と。
そんなタイミングでまた参加させてもらえて嬉しかったです。もちろん、頑張らねばというプレッシャーもありました。

ヤマモト:大体2023年の年末ぐらいですね。僕からまず いしいさんの状況がどうなのか、確認の連絡をしていて。その時点では難しいということで「それなら いしださんに頼みたいです」と。そんな感じでお願いさせていただきました。

いしだ:最初に曲を聴かせていただいたのが、諭吉佳作/menさんバージョンのリミックス前のタイミングでした。
会社から「めっちゃいいの来た、今までで一番かもしれない」と連絡が来て。実際に聴いてみて、私「深海」が一番好きなんですけど、「深海」に匹敵するやつ来た!と思って、テンション上がりましたね…!

――MVの制作については、どんな風に進められたんですか?
 
いしだ:最初にショウさんにお話を伺ったなかで「循環」というキーワードがすごく印象的でした。
何か新しくなるというよりは、元々あったものを過去とするんじゃなくて、いくつも繋がって、現在にいい形で戻ってきているみたいなもの。繰り返すことがネガティブではなく、ポジティブなイメージ。

だからfishbowlを辞めていった2人も黒歴史では全くないし、彼女たちがいた上で4人というのが生まれて、そこからまた6人になっていく、そんな循環がfishbowlにもあると。

そのお話をお聞きして、今回のMVは「fishbowlすごい変わったね」というものよりは、元々あったfishbowlの良さを2人が入ることでさらに引き出していけるMVになったらいいな、と最初に思いました。どうしたら自然な魅力を引き出せるんだろう、と考えたときに、「雨降らせたらめっちゃ笑顔になるかな」「いい表情を引き出せるかな」というのがパッと浮かんだ。
そこからビジュアルを作っていったという感じです。なので「循環」ありきの構成ですね。

ヤマモト:最初の泡が出るカットは、一番最初にやってもらった「深海」と繋がっているのでまさに。

いしだ:本当は「深海」のオマージュをもっと入れたかったんですが、ゆいちゃんのお休みのこともあり結局削っていかざるを得なかった。
例えば、「深海」のラストのみんなが輪になって海の底で寝てるようなカットを、新しい6人でのスタートとして「一雨」の最初のカットにしようと思っていたんですが、なくなったり。

いしだ:それでも「深海」のオマージュはさり気なく入れたいなと思って、クラゲの傘を使って海らしさを表現しました。
6人での円のカットは、できなくなった代わりにリボンを用意して。1人1本ずつリボンを持っているんですが、よく見ると全部で6本あって、いずみちゃんだけリボンを2本持ってるんです。

リボンというモチーフについても、繋いだら輪っかになるところや、裏も表もあるところなど、「循環」を私の中ではイメージしていて。ファンや ゆいちゃんに対するメッセージを、私なりにお伝えできたらいいなと思いながら作りました。
 
――リボンを2本持っているのは気づきませんでした…!

ヤマモト:それぐらいが一番いいんじゃないですかね。そもそもこの「一雨」が「深海」と繋がる曲だっていうのも、言われないとわからないぐらいの要素だと思うので。
まったく新しいものとして捉える人がいても全然いいんです。気付く人だけが気付けばそれでいい。
 
いしだ:そうですね。私もそういった要素を前面に出すというよりは、気づいてくれたら嬉しいなっていう気持ちで作ってます。

ヤマモト:「6人で」というメッセージもあまり強く言うと、変な強制力にもなるわけじゃないですか。「早く良くなれよ」みたいな感じに捉えることもできてしまう。あのリボンの温度感はなかなか良かったです。

いしだ:傘を6本置く演出とかも考えたんですけど、やっぱりちょっと説明的すぎるし、リボンぐらいの塩梅が、ファン目線でも嬉しいかなと。

ヤマモト:傘もね、ちゃんと6本目も用意はしてあったんですよね。

――いずみさんが涙をこぼすシーン、あれは元々いずみさんと決めていたんですか?

いしだ:いずみちゃんかザーラちゃんかなと思っていました。結局 いずみちゃんにしたのは、いずみちゃんが泣けるというのもあり。

――本当に泣いてるんですか?
 
ヤマモト:女優なんでね。

いしだ:ちょっとびっくりしました。時間がなくて撮影が押しまくってたんですが、メイクさんが「目薬さしてくるわ」みたいなことを言った瞬間にポロッと。天才かなと思いました…!

「白線」のときにも涙を流してくれていたので、そういう繋がりで「涙担当=いずみ」みたいな意図もあります。そこで いしいくんイズムを引き継いだといいますか、いしいくんが愛してきたfishbowlをちゃんと私なりに愛して引き継いでいきたいという思いも含めて、いずみちゃんに決めました。
でも時間に余裕があればザーラちゃんも撮ってみたかったです。

ヤマモト:次は試してみたいですけどね、ザーラが泣けるのか。
「白線」のときも、いずみはちゃんと泣くっていう演技で実績があったんでね。

いしだ:「白線」のときも 1、2分で涙を出していたと聞いてびっくりしました。

ヤマモト:「朱夏」くらいから、MVを撮ると いずみの女優っぷりが結構出るんですよ。

いしだ:「こういう風にしてね」と逆に言わないほうが、すごくいい表情をしてくれたり。彼女自身にセンスがあるんだなと本当に思いました。

ヤマモト:MVって、みんなで一つのものを撮ってるという感じがありますけど、実は結構メンバーの役割があって。例えば、はるなんかは振り付けを作ったり。傘で踊るシーンは本来曲の振り付けにはないところなので、はるが担当しましたね。

いしだ:本当だったら振付師さんにお願いするようなところを、時間もなかったので依頼できず。それでも傘を使ったダンスをどうしても入れたくて、MV撮影の前々日の23時ぐらいに急遽、はるちゃんにお願いしたんです。
次の日もライブだったのに、「はい!わかりました!」と快諾してくれて。

――あのダンス素敵だなと思っていたんですが、はるねさんが作っていたんですね…!
 
いしだ:そうですね、元々ある振り付けのアレンジももちろんあるとは思うんですけど、途中の開いたり閉じたりする部分とかは完全にオリジナルで作ってくれて。

ヤマモト:撮影前日が東京でライブだったんですけど、ライブリハが終わって本番までの間にメンバーみんなで傘を広げて作りました。
他のグループからはだいぶ変な目で見られてましたよ。これライブでやるの?大丈夫かな?みたいな(笑)
実際、傘を使ったダンスもライブとかで一回やりたいですけどね。まあそんな感じで「はるならいけるでしょ」みたいなことはこの数年のなかで結構生まれていますね。

いしだ:初めてはるちゃんが作った「朱夏」の振り付けのレッスン、私も見学に行っていたんですよ。当時は「全然できない、もうダメだ...」と泣いてたんですが、そのはるちゃんどこ行った!?ってぐらい。「はい、大丈夫です!全然いけると思います!」って引き受けてくれて。

いしだ:MV撮影当日もめっちゃ寒かったんですけど、自分の出番じゃないところもみんながちゃんと踊れているかどうかを見に来てくれたりもしました。「ここはこうしたいです」という意見もたくさん言ってくれて、制作陣からしても心強かったです。
はるちゃんは本当に心もですけど、技術的にもいろんなところがすごく成長していて、努力が形になってるなっていうのを一番感じましたね。

「私MV撮影大好きなんですー!」ってずっと笑っていて。長時間の撮影なので、他の子は自分が写ってないところでは気を抜いちゃうこともあるんですけど、はるちゃんはどこのカットを切り抜いても、表情もダンスも決まっていて、すごくかっこいいなと思いました。

編集をお願いした いしいくんも「はるちゃんといずみちゃんがめちゃくちゃ良い」って言ってましたね。「どこの表情を切り取っても、間違いなくいい」と。

 ヤマモト:ももは通常営業な感じでしたね。どんなときもちゃんと大白桃子って感じで。

いしだ:ふとした表情がばっちりと決まっていて、ももちゃんらしいなと。
あとは、ラストのみんながずぶ濡れになるシーンで、なぜかももちゃんだけずぶ濡れにならなかった。そこですごく、アイドルを感じましたね。「こんな物理的に濡れないことある?」と思って(笑)

ヤマモト:なんならちょっと濡れたふりしてましたもんね。
 
いしだ:髪とかも全然乱れてないし、「どういう技?」と思いました。謎の力が働いてるとしか思えないぐらい、すごくアイドルを感じました。

ヤマモト:新メンバー2人はどうでした?

いしだ:2人とも堂々としていましたね。こころちゃんはMV撮影経験があるのでまだ分かるんですけど、ザーラちゃんも「緊張してます」って言いながらそれを全然感じさせなくて。自然な表情を撮りたかったので、あえて「ここはこういう表情にしてね」とかはあまり伝えなかったんですけど、良い表情が出ていました。

あとはダンスがとにかく上手い。はるちゃんとはまた違うキレとか、正確さがすごくて。直線でダンスしてもらうカットは、ザーラちゃんが唯一、一発OKで、1番も2番も1回ずつしか撮っていない。

ヤマモト:確かにザーラはすぐ終わってた。

いしだ:サクッと終わって、言うことなし!って感じ。しかも1人で踊るシーンなのに、堂々と踊っていた。きっと自分が長年ダンスをやってきたっていう自信もあるんだろうなと、すごくかっこいいなと思いました。

こころちゃんは、さすがだなという感じ。
2サビラストの こころちゃんのパートで、ザ・アイドルだったらここはキメ顔だろうというところを、顔を崩して全力で笑っていたのがすごく印象的でした。いい意味でアイドルらしくないというか、そこも自然な表情が写せてよかったなと思ったところです。

――こころさんの笑顔いいですよね、つられて笑顔になっちゃう。

いしだ:笑顔がすごく印象的です。もうあのまま、突き進んで欲しいなって思います。

ヤマモト:新メンバーの2人って、全然新メンバーっぽい取り組み方じゃないんですよね。普段のライブリハなんかでも、元からいるメンバーにも「こうしたい」「もっとこうしたらいいんじゃない」と意見していて。それって結構すごいなと思いました。

いしだ:5人の雰囲気もすごく良く感じます。

ヤマモト:元のメンバーも普通にそれを受け入れてるし、やりやすいと思いますね。今のfishbowlの良いところは多分全部、そういう細かい擦り合わせの成果が出てるんじゃないかなと。

例えば、こころが全力で笑うのとかも場合によっては、他のメンバーから「ん?」と思われる可能性もあるわけじゃないですか。
でもメンバー間で「この子はこういう感じだから」みたいなことが、理解し合えた上で臨めてるなという感じがMVにせよ、いろんなところで感じる。この段階でそういうところを詰められてるグループは結構すごい。

この間、新体制初ライブで14曲やったんですけど、音響の人にもかなり驚かれました。「新体制初ライブでこんなに曲数やるところ初めて見た」と。でもそれって全部繋がっているなと思っていて、新メンバーもすごいし、そういう雰囲気を作れてる元メンバーもすごいなとは僕も思ってます。

 いしだ:私も撮影当日まで、5人の雰囲気がどうなのかは心配していて。ギスギスしてたらどう盛り上げようかなと思っていたんですが「これ5人で初めてのMV?」と思うぐらい自然だったので。こころちゃんとかラーメン食べてたし、あれびっくりしちゃった(笑)
 
ヤマモト:早朝4時頃から撮っていて、7時頃にそこから次のロケ地へ車で30分ぐらい移動があったんですよ。コンビニに寄って、みんな朝ご飯とかコーヒーを買う感じで。
そしたら こころが、次郎系ラーメンを買っていて、初対面のスタッフの車の中で食べるっていう。僕は違う車だったから良かった。

いしだ:私は一緒でした。ザーラちゃんも同じ車で。

ヤマモト:なかなか肝据わってますよね。

いしだ:面白かったですね、写真撮りましたもん私。なんかそういうとこも面白いなって思いました。
 
ヤマモト:大体撮影の日に食わないっすよ、体型変わっちゃうでしょあの量は。

いしだ:結構大きいサイズでしたね(笑)
普通はむくみとか気にして、しょっぱいものを食べないですよね。ゴリゴリに二郎系ラーメンでした。

ヤマモト:新メンバーも含め、メンバーとも結構今回お話していただきましたね。
 
いしだ:そうですね。コミュニケーションが取れたのも、自然な表情の引き出しに繋がったかなと。あと、やっぱり いしいくんが来ていたのも大きい。

ヤマモト:それってどういう流れで呼んだんですか?

いしだ:1月ぐらいに いしいくんとご飯に行ったときに「fishbowl撮影するんだけど、来る?」と声を掛けました。
 
ヤマモト:多分そのちょっと前ぐらいに僕も いしいさんと飲みに行って、話していますね。

いしだ:そのときは「いやあ、ちょっと考えるわ」みたいな感じで、難しそうだなと思っていたんですけど、撮影3日前ぐらいに改めて連絡したら、「本当に見学だけになっちゃうかもしれないけど、行っていい?」と言ってくれて。
「それは来よう、絶対来て!」と伝えました。元からのメンバーは いしいくんが来てくれて結構嬉しかったんじゃないかな。

ヤマモト:メンバーも、もちろん嬉しいし、安心したと思うんですけど、何より僕が一番驚きました。

いしだ:撮影前からWACHAJACK静岡支社に来ていたんですけど、いしいくんと一緒に一つ屋根の下で連泊していて(笑)
本来1人部屋のはずだったんですけど、会社がブッキングミスしちゃって。でもそこで2人で深い話が色々できました。

その段階まで、いしいくんはVコンや企画も全然知らない状態だったので、初めて見てもらったんですが「このタイミングで ももちゃん(いしださん)に変わったことに意味があったかも」と言ってくれて。
正直「私がやっていいのかな」みたいな気持ちもすごくあったんです。今まで高いクオリティでMVを出してきていて、いしいくんとショウさんの信頼関係もあったから。そこで私が入ることに結構プレッシャーがあったんですが、いしいくんがそう言ってくれてすごく自信が出た。

彼が休んでたので、それまで企画の相談もできない状況だったんですけど、「これってこういう意図なんだけど伝わるかな」と相談したときに、「すごくいいと思う」とか「ここはこういう表現したらもっといいんじゃない」みたいな話をできたことが私の中で大きかった。

その流れもあって、編集もお願いしてみようと。いしいくんが回復してきて1年振りに編集したのが、休む前に撮っていたfishbowlのライブ映像だと言っていて。それを触ったときに、すごく楽しかったと。

ヤマモト:それ、僕のところにも撮影の前日に送られてきました。いしいさんから急にLINEが来て「編集してみました」って。

いしだ:私と一つ屋根の下にいるときに「ちょうど今編集終わったところなんだ、書き出してもいい?」と。
編集がすごく楽しい、編集したことでさらに元気が出たみたいな話をしてたんです。それを聞いて、本来だったら私にとって初めてのfishbowlのMVなので、自分が編集するべきではとも悩みつつ、ここで いしいくんにお願いすることに意味があるんじゃないかなと、思い切って編集をお願いしてみました。

その場では「ちょっと考えさせて」と言われたんですが、後日改めて「やらせてほしい」と連絡が来て、結局お願いする形になったんですけど、なんか彼がすごく、編集しながら元気になってきたんですよ。
今回fishbowlの撮影に関わったことで、どんどん元の いしいくんに戻ってきたというか、さらに元の彼よりパワーアップしたような気がして。

今までは いしいくんがfishbowlを裏で支えてきていたけど、今回はfishbowlに支えられて、いしいくんが循環をしているような。いろんなものを感じています。そういう全てを含めて、今回の現場があってよかった。

ヤマモト:本当に、僕もよかったですよ。やっぱりみんなでやってきたことだなと思ってるし、それは いしいさんはもちろん、WACHAJACKの皆さんと出会ってやってきたことだったり、メンバーがやってきたことだったり。
「一雨」のモチーフの通り、変化していくんだけど、一緒にぐるぐる回っている感じ。

――すごく素敵なチームですよね。いしいさんと いしださんの関係も、fishbowlへの愛も。
 
ヤマモト:みんなもう本当に愛情を持ってやってくれています。そういうのってなかなか簡単なことじゃないと思う。
クオリティは信じているんで、逆に言うと、その先の話をできてるのが嬉しいなと。本当にありがたいですね。
 
いしだ:いしいくんも言ってたんですけど、ショウさんっていい意味で任せきってくれる。自由に作らせてもらえるから、ディレクター自身のアーティスト性も出せて楽しいです。

ヤマモト:僕がそうやっているんで。好きにやるっていうことはイコール責任を持つということでもあるわけだから。それができそうな人と一緒にやっていきたいんですよね。
僕も、どんなものができるのかいつも楽しみにしてるんです。

僕の頭の中にないもの、越えて行くものが出てくるから面白い。今回も楽しみです。近々ぜひライブも観に来てください。

いしだ:早く観たいんですよ! ライブを観た いしいくんが「新体制fishbowlやばい、来るよ」って言ってたので。楽しみです!

『fishbowl ローカル対バン乗り継ぎの旅』
全国を巡る対バンツアーを開催

▶静岡
日時:4/27(土) OPEN 17:00/START 17:30
会場:LIVE ROXY SHIZUOKA
guest:3776 / opening act:さくまる

▶青森
日時:5/5(日) OPEN 16:00/START 16:30
会場:青森Quater
guest:りんご娘

▶岡山
日時:6/1(土) OPEN 17:00/START 17:30
会場:岡山CRAZYMAMA KINGDOM
guest:feelNEO

▶小樽(北海道)
日時:6/8(土) OPEN 18:00/START 18:30
会場:小樽GOLDSTONE
guest:タイトル未定

▶渋谷(東京):SOLD OUT
日時:7/4(木) OPEN 18:15/START 19:00
会場:Veats Shibuya
guest:CANDY TUNE

▽TICKET
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