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【日記】S字曲線よさらば

土曜、朝起床。気合いを入れて副業先へ出向くも、全然予約が鳴らず、座りながらの長時間待機で尻が痛くなる。コーチェラ配信視聴。BC,NRのライブで横一列になって全員リコーダーを吹き始めるのを観てふきだしてしまった。全員が全員マルチプレイヤーすぎる。その前に観たフェイ・ウェブスターも絢爛豪華な装飾で彩られたステージを真っ青なベッドルームに塗り替えていて最高だった。夜、受付時間をすぎて、申し訳なさそうに「ごめんなさい…」とスタッフが訪ねてきたが、いやいや呼べない自分の努力不足ですから…と卑下アンド自己嫌悪に陥って悲しくなる。周りに嬢がいる環境だと、今誰が客呼べて誰が呼べてないみたいなのがすぐ(サイトからでも)わかるから精神的にけっこうきつい。もう片方の店は、その点部屋に自分一人だけだし、同時間帯に出勤している嬢が1〜3人程度なのでそういうストレスを感じなくて済むのだけど。

笹塚のPintlogyへ久々に寄る。近隣のビアバーでうちゅうブルーイングのクォークを取り扱っているのがここしかなかったので。一年ぶりのクォーク、今回はベリー系でまとめられていたが、やはりこの他のスムージーサワーと違う、とろっとした舌触りが優しくて大変おいしい。相席していた常連の方とビールトーク。BMTHのTシャツを召していて、周りはソニマニがいいって言うけど僕はサマソニ行きたくて、と話していた。「来月札幌行くんですよ〜」と言ったら、札幌出身だとおっしゃっていて、おすすめのタップルームなどを教えてもらった。会計して、駅前の紀伊国屋書店で文藝を書う。遠野遥の新作を筆頭にいろいろと楽しみな特集ばかり。一駅分歩いてコーヒー屋。暖かいのに暇だったとイワサキさんがぼやいているのを聞く。本当、店員と客というより近所の兄ちゃんと喋ってる、みたいな感覚。というかほぼそう。退職報告したんです〜と伝えた。常連の方が途中で来て、少し話して、会計し帰宅した。夜、鶏肉が食べたくて、からよしのからあげをテイクアウトして食べた。作る気力がなかった。0時頃に寝た。

日曜、朝コーチェラ。少し遅れてヴァンパイア・ウィークエンド。レジェンドバンドなのにチャカチャカした気軽な演奏で会場を揺らす。渋谷行きのバスに乗りながらバー・イタリア。ダークなポストパンクが癖になるUKの新鋭だが、まじでかっこいい。Vo.ニーナの妖艶な歌声とGt.フェフミのしゃがれ声の掛け合いが絶妙に聴き飽きない。5月末の来日も早くチケットをとらないとソールドになってしまうな…。

渋谷について、シンクロニシティのリストバンド交換場へ。そのまま歩いてすぐのVeatsに向かっていると、出番前のKabanaguに遭遇した。Veatsに着き、開場を待つ。待っている間、ハタショーさんからXのリプライでおすすめを聞かれたので、自分はタイテ被りで観れないけれどdownyやらスペルバやら数個勧めつつ、これからパスタ(PAS TASTA)みますと伝えた。

Veatsの開場時間になり、早くに並んでいたので最前列ゲット。というか、微妙に隙間があいていたので柵に手をかけていたら、右隣にいた女性が場所をあけてくれて優しかった。久々のパスタはやっぱりもう最高に楽しすぎて、カオスで、ユーモアに富んでいて、何がなんだか。snameri smoke冒頭のメトロノームのようなカウントとメンバー順々に響く「スナメリスモーク」の音声で一気にフロアが沸き立つ。自分はとりわけウ山あまねのマイクパフォーマンスが好きでたまらない(歌唱力や楽曲への評価を前提に、容姿もドストライク)のだけど、この日もまた前のめりになって前方の客を煽ったり、文字通り音に身を任せながら手足を動かしていてチャーミングだった。

「peanuts phenomenon」のsix impalaリミックスやアジカンやチーム友達をはじめ、6人それぞれにディスクジョッキーを回す中で自曲をセレクトしているのも個性が出ていて良かった。hirihiriの音割れヒップホップ、phritzの流麗なエレクトロ・ピアノ、yuigotのド直球のギターロック。40分間のステージが体感10分程度で終わってしまった。しばらく撮影した動画を眺めて余韻に浸ることになりそうだ。

Veatsを出てduoへ行く道すがら、仕事でかかわらせてもらっているアイドルビアバーのシブリウムへ。取材させてもらったり、イベントを組ませてもらったり、色々とお世話になっている。クォークがあったのでオーナーの松永さんと歓談しながら飲む。店を出て、duoで浦上想起バンド・ザ・ソサエティを一瞬だけ観て、すぐにまたVeatsへ戻ってパ音待機。開場入ってすぐにimaiさんを見た。背がでかいからすぐわかる。

パ音も3列目あたりで観たのだけど、もう柴田が奇行に次ぐ奇行に走っていて終始笑うしかなかった。モジュールをつなぐケーブルで縄跳びをし始めて、しかもそれが一回二回ではなくプレイ中何度も繰り返し、にしやまさんが見ていない横でジャンプしては歓声を浴びていて、大の大人なのに小学生男児にしか見えなかった。Xの呟きでは「もうおわり」とか「天井眺めてる」とか陰鬱な投稿しかしないのに、パフォーマンス時との乖離が強すぎて人格が一致しない。でもそこが好きだと思う。何より、一昨年のフジロックで観た彼らが最高にかっこよかったので、その光景を重ね合わせて勝手に嬉しくなる。来週のLPリリイベも行く予定。

ゆっくり余韻を感じたままVeatsを出たら、同じく観てたであろうウ山に遭遇した。Xもインスタも相互フォローなので認知はされているのだろうけど、直接話したことがなく、気になりつつもいざ目を合わせても話せないと思って目線をそらした。パ音があまりにも楽しかったのでその勢いで帰ろうか悩んだが、元々目当てだったピープルを観ておかないでいいのか?と思いクアトロへ向かう。スピーカーの前だが最前をゲット。位置的に波多野さんしか見えないけどまあ許容範囲。

ピープルを観ると、その音圧と歌詞にいつも胸が熱くなる。二曲目に演奏していた「螺旋をほどく話」で繰り返される〈S字曲線よ さらば〉というフレーズを聴いて、なんだか今の自分の位置を重ねて涙がぼろぼろ溢れてしまった。「シンクロニシティ楽しんでる?」とフロアを煽る波多野さんの顔は、前日のワンマン奈良公演から飛んできたとは思えないほど疲労を感じさせない、というよりむしろぎらついた目つきで楽曲を披露していて、ああこの人たちはいつどんな場所であったとて全力で届けようとしてくれていて、きっとその熱量に自分は信頼を置いているんだろうなと思った。「アメリカ」の〈強くなることは とても恥ずかしい 本当はね〉というフレーズもいっとう好きだ。前後の文脈が個人ではなく社会に対して投げかけるものであっても、時折そういう風にして個人を救うメッセージも綴られていて、それまで隠していた不安の類を押し出して浄化してくれるような感覚になる。改めて、とても好きだと思って、勢いのまま「ピープルインザボックスがいる国に生まれてよかった泣」とXにポストしたら、すぐに相互フォロワーの人たちからいくつもいいねがついていた。皆共感してくれたのが嬉しかった。

会場を出ようとするとyuigotが感極まってXに何やら投稿しようとしているのを見かけた。彼がピープルやBUMPやガリレオ・ガリレイの古参だというのはよく知り得ているし、彼の楽曲を聴けばすぐに納得できる。なんだか今日は昼からやけにパスタのメンバーに遭遇する日だ。hirihiriは早朝入りで疲れて出演後早々に帰ってしまったらしい。電車で帰宅して22時頃に夕飯。コンビニのブリトーとサラダチキン。久々にライブが観れて、「音楽楽しい」の感覚を取り戻すことができ、充足感で満たされた一日だった。1時頃に寝た。

月曜、出社。お腹痛かったけどなんとか間に合う。セブンのアイスコーヒーLサイズに0kcalシロップを一つと普通のガムシロップを一つずつ混ぜるのが最近のマイブーム。水曜の取材の準備と上がってきた写真の選定。定時退勤して副業先へ。

4月に入ってから全然稼ぎがふるわず(それ以前にプライベートや仕事の都合と重なって出勤日数が激減しているのだけど)、今月も半分をすぎているのにやばいなと結構焦っている節があり、祈るように待機していた。受付終了時間が1hを切ったところで無理かと思ったが、運良く二人組が来店したことを聞いて、そのうち一人に付くことになった。スタッフが「ちょっとお酒飲んでたみたいなんですけど、〇〇さんには優しそうな人の方をお願いできればと思って選びました」と言っていて、どんなおじさん客だろうとホテルの部屋のインターホンを押したら、自分より年下かと見紛うほど童顔の男性が緊張気味に立っていて腰を抜かした。聞けば、28歳でぎりぎり年上、静岡から出張で東京に来ていて、先輩に唆されて初の風俗体験を捧げにきたらしい。どうして自分はこんなに静岡県と縁があるのだろうか。客も客で「未成年?大丈夫?」と半ば本気で心配していたので、互いに互いを「童顔だ…」と感じているところがなんだか少しシュールだった。

正直顔は好みだったけど、LINE交換しようよと言われ客とLINEを交換したところで続かないのを自分は経験上よく知っているので「してもいいけど、『お店来て』しか送らないよ」とあしらったら、じゃあいい…とすねられた。彼女持ちではあるけど別れる瀬戸際にいるらしい。見て見て、と言って見せられた自炊料理の数々がどれもクオリティ高く、おいしそうだねえと感心していたら、「小学生の頃から作ってるんだ、うち母子家庭で」と教えてくれた。家族全員喫煙者だからと終わりがけにタバコを吸い始めていたのもあって、また全然知らない他人の自分にしか知り得ない一面を見ちゃったなと思った。風俗ハマりそう?と冗談めかして聞いたら、君が大当たりだったからもうこれ以上はいいや、と言っていた。自分の清算後に事務所を出たら先輩と事務所の前で待ち合わせしていたらしく、軽く会釈して手を振ってあげた。終電で帰宅して、1時頃にサラダチキンとほたてバーを食べて寝た。

火曜、明け方にガバッと目がさめる。いやな夢を見た。今掛け持ちしている二店舗のシフトをダブルブッキングしてしまい、片方の店に出勤したふりをして連絡を入れながらもう片方の店のシフトに出たら、終わりがけにスタッフから「今から精算で向かうのでお待ちください」と連絡があって、大急ぎでタクシーに乗るも「(一駅分移動するだけなのに)50分はかかりますねえ」と言われ絶望する夢。起きたら寝汗かいていて夢でよかった、と肝が冷えた。

出社して仕事。が、絶望的にやることがなくて午後はほとんど上の空。暇な日と手汗握りながら働く日の高低差が激しいのは職業柄日常茶飯事である。退勤して副業先へ。スタートから新規指名の予約が入っていて、受けたらものすごく良い人で「客の鏡みたいな人だ…」と思った。干渉しすぎず、べたべたと触りすぎず、こちらが投げた話題に対してきちんと会話が続くように返してくれる人だった。来年ワーホリ行くんですと言ったら、出張で色々な国に出向いているらしく(つい先週もサンフランシスコにいたようで)、自分の知らない話もたくさんしてくれた。ぜひまた来てくださいと言ったらもちろんと答えてくれた。0時すぎに帰宅して、サラダチキンとほたてバーとゆで卵。セブンオリジナルのグレフルチューハイが少し蒸し暑い夜に美味しい。2時頃に寝た。

水曜、昼前に取材場所へ行かなければならなかったので、家から現場まで直行。江戸川橋って行けない距離では全然ない、のにまあ行かないよなという位置にある街だと思う。取材は7人グループの大物アイドルで、表紙巻頭として組むので全員参加。皆それぞれに個性が立っていてインタビュー中も撮影中も終始笑いがこぼれていて愉快だったし(一瞬だけ先週同様お涙シーンがあったけれど)、衣装の到着が遅れていて時間枠までに終えられないのでは、とひやひやしたが、結果として十分余裕を残したまま撤収でき事なきを得た。

取材後に会社へ行き、18時からの会議に出席する。前回の定例を病欠していた同僚に、やっと退職の旨を知らせることができた。定時退勤して、会社運営の『ヨムキクノム』に立ち寄り、Yuzu Milkでセルフ取材お疲れ様会をした。番頭である仲川さんが立っている日で、朝少しチャット上で代表ともめていたのをログ追って見ていたので、大丈夫でしたか?と気遣いながら、まあ代表もクセ強いですよねと共感した。正直、仲川さんにXとインスタをブロ解されてから、ちょっとした壁を感じて関わるのを控えていた節があったのだけど(自分よりひとまわり年上の方なので、特に理由なくの行為だと思うけれど)、行くライブが被っていたり、Teenage Brewingの周年イベント一緒に行きましょうと誘ってくださったり、自分のインタビュー記事を褒めてくださったり、なんだかリアル親目線でいてくれていて、そんな靄は確実に払拭されつつある。

500ml缶をちびちびと飲んで、20時頃に店を出て帰路をたどる。新宿駅で乗り換えようとしたら、駅構内に新しくフードの商業施設ができていて、人ごみをかき分けて冷やかしに行くことに。BLOSSOM & BOUQUETの「揚げナスとツナのカスクート」を購入した。低気圧でどろどろに眠たかったが、店員さんがたの初々しい笑顔に癒された。帰宅して、カスクートと、納豆と、コロッケを並べて、週5更新になったオモコロチャンネルのアスカ・茹でガエル回を観た。もうそれにしか見えない。0時すぎに寝た。