これから塾講師バイトを始めようと思っている人に向けて

(1)「どこでもいい」はマズイかもしれない
 ぶっちゃけこの業種、かなりブラックなところがある。基本的に給料が出るのは授業を実際にしている間だけで、やってみれば分かるけどある程度慣れてこないと授業の準備にも時間がかかる。内容を覚えればいい、と思っているかもしれないけど授業用プリントの印刷、自分用の縮小印刷、テキストに目を通してどの問題を解くかピックアップ…と、まぁやることって結構ある。
 授業準備に5分とか10分とか分の給料を出してくれるなら、かなり良い方だと思っていい。授業に関係する事務作業に給料が出ないなんてザラである。
 「どこでもいいから塾講師になりたい」なんて思っていくと、そういうところまで気が回らないかもしれない。けど一応、ある程度場所は選んだほうがいい。狙えるなら待遇がいいところを探したほうがいい。それを選ぶ余裕を確保するのを、講師バイト探しの一歩目にしたいところ。

(2)出来ればホームページからも求人を確認した方がいい
 塾講師のバイトを探すにあたって、色々な求人を見ると思うし、もう見てると思う。もちろんバイトの求人サイト(あるいは講師求人をメインで取り扱っているサイト)の情報はかなり役に立つし、応募しようと思ってるなら目を通しておいて損はない。
 もちろん、実際に応募するときもそのサイトを使って構わない。(採用されるとお祝いでいくらかもらえるところもあるし)
 ただ、一応、応募する前にその会社の講師求人情報とか、教室案内とかは見ておいた方がいい。求人サイトで得られる情報と(多少ならまだしも)明らかに齟齬がある場合は、その齟齬が生まれる原因がどこにあるのか、少し立ち止まってみたほうがいい。
 教室案内は講師採用が決まってからでもいいけれど、実際に生徒(というかその保護者)が入塾させる前に見ているページだから、見ておいて損はない。行ったこともない教室の雰囲気を知る方法なんてのは、そう多くはないので。

(3)高校生が一番楽、一番キツいのは小学生
 小学生だから簡単、なんてことはない。一番簡単なのはつい最近まで勉強していた高校の内容である。しかも小学生は大抵、落ち着きがない(仕方ない)。しかし塾で講師をする以上はそんな小学生たちをなんとか嗜めて勉強させるという、ただ「勉強を教える」だけじゃない力量を要求される。
 もちろんどんな学年でも大人しくて黙々と勉強する子もいるし、逆に集中してくれない子もいる。まぁそういうのは人それぞれだけど、高校生にもなると(おおよその最終学歴が決定する大学受験のプレッシャーもあるだろうが)大人しく、授業も真剣に聞いてくれることが多い。
 もし指導経験がないのであれば、一応覚えておいて欲しいのは楽な順に「高校>中学>小学」だということ。高校の勉強に不安があれば中学の方が楽かもしれないけど、中学・小学の勉強内容って4年とか7年とか前の内容で、思い出すために勉強が必要だったりするしね。あと小学生の問題、割と普通に難しい。

(4)シフトの融通はあんまり効かない
 講師のバイトは当然、すごく時間を取られる上にあまり融通が効かない。当然生徒たちにとって「普段教えてくれる先生」が自分しかいない以上、そして向こうがお客様である以上、自分の勝手な都合で休むことは許されない。
 ただ、そこら辺の基準は塾によってまちまちだったりする。例えば冠婚葬祭以外にも、大学の定期テストの日は来なくて大丈夫ですよ、とか。ただこれはHPの求人では確認できないことが多いし、シフトにどれだけ融通が効くのかは手に入りづらい情報なので、出来るならそこに勤めている人から聞いた方がいい。
 採用面接とかで聞いてみてもいいと思う。(相手によるので聞くときは自己責任で)
 とはいえ、そもそも無理なものは無理なのである。人間は分裂できないので大学の授業を受けながら講義はできないし、帰省してるのに出勤することはできない。これも場所によってまちまちだと思うけど「この曜日のこの時間なら基本的に(9割以上)空いてます」みたいなシフト表を提出して授業をすることになると思う。もちろん代講とか頼まれることもあるけど、基本的にそこで無理のない範囲だけ空けて提出すればあまり無茶なことは言われない。
 それでも頼まれた時は、今それだけ塾側に余裕がないということなので、受けるかはその時次第でいいと思う。代講の先生が見つからなくて延々電話かけまくってる社員の人たちが可哀想になったらやればいいし、優先したい自分の予定があるなら優先していい。基本的に急なシフト変更のお願いって断っても責任は発生しないので、それで圧力をかけてくるようなところはマズイから転職を考えた方がいい。
 そういうことがあって待遇のいい会社を探しているんですって話を転職先の面接でしてもいいと思う。講師の待遇をウリにしている会社もあるし。
 そういうところは「講師の待遇がいいからいい講師を集められるんです」って宣伝文句で客に売り出してたりもするので、ある程度ちゃんとやれる(社会人として基本的な礼儀とかマナーとか)ならそういうところにも応募してみるべきかと思う。待遇を強調するだけあって講師を無下には扱わないし、教室も綺麗で働きやすかったり、ウォーターサーバーで水を飲めたりする。ガンガン空調かけて常に同じ温度になってたりもする。

(5)同じような待遇なら「通学経路」「家に近い」優先
 大学生なら通学経路の途中にあるところ(乗り換え駅とか)がおすすめ。あと家からすごく近いところ。
 通勤にかかる交通費は出してくれるところも多いけど、当たり前だが通勤時間に給料は出ない。結局、通勤時間が伸びるということはそれだけ拘束時間が伸びて、コストパフォーマンスが悪くなるということ。大学からの帰りでそのまま行ける場所とか、家から近くてすぐに行けるとか、そういう条件があると同じ時給でもグッとコストパフォーマンスが変わる。
 まぁ上手くやれば電車に乗ってる間にコピーしておいた資料や問題を読み込んだりすることもできるし、本や動画で生徒の教え方を学ぶ、今日の授業を反省する時間にもできるので、全く無駄になるわけではないけど。

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