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まさか、ここにも!北九州市の広告媒体がすごい~銀行の「マーケティング」と「営業企画」の教科書

本日、家に帰ると、自動車税の納税通知書が届いていました。
裏面を見ると、ライバル行の広告が!
「アプリで自動車税が支払いできる!」
これは敵ながらあっぱれ!お客さまの導線をとらえたよい広告ですね。

自動車税種別割納税通知書封筒広告(福岡県)

さて、地方自治体では、少しでも自力で歳入を増やすために、広告事業に注力する事例が増えてきました。市政だよりや市役所内の看板(サイネージ)広告、ホームページのバナー広告などをよく見かけます。

中でも、非常にアグレッシブなのが福岡県の北九州市。
今回は、「まさか!こんなところにも」と驚きを禁じ得ない、北九州市の広告を3つご紹介します。
職員の方の発想力と涙ぐましい努力に敬意を表します(笑)


その1 職員のパソコン画面に広告!

市役所の職員の方がパソコンのログイン・ログオフされるときに、15秒間(または広告終了ボタンを押すまで)画面に広告が表示されるというもの。市の職員6,500名を対象にターゲットを絞った広告ができます。

1回だけでなく、契約期間中は、毎日毎日広告が表示されます。
市役所に勤める公務員の方は、銀行にとっても非常に大切なお客さまですので、効果的な広告ができそうですね。

しかし、職員の方から苦情の声はあがらなかったのでしょうか(笑)

その2 「お悔み手続きガイド」に広告!

今回ご紹介する中で、私が一番驚いたのがこの「お悔み手続きガイド」の広告です。「お悔み手続き」ですから、当然亡くなった方のご遺族に配付されるものです。

北九州市「おくやみ手続きガイド」

果たして、こんなところに広告を掲載して遺族の方に怒られないのか?
また、本当に広告のニーズがあるのか?・・・

実際の広告はこちらです。

北九州市「おくやみ手続きガイド」表3広告

募集要項をよく見てみると、「無償提供事業者の募集」と書いてあります。
なるほど、確かに「広告主が費用を出してくれて冊子を製作した」という建付けにすれば、「不謹慎」という批判は免れるかもしれませんね。

また、事例のように「相続」に関連する情報であれば、遺族の方にも違和感なく受け入れていただけるように思います。

銀行にとっては、信託や遺産整理の業務を案内するのには、効果的な媒体といえるかもしれません。

このガイドブックは、死亡届を提出されたご遺族の方に必ず手渡されるものですし、中身も必ず確認されるでしょうから、理にかなった広告媒体と言えますね。

その3 職員のパソコンの本体にも広告!

その1で、パソコン画面の広告をご紹介しました。実は、ノートパソコン本体にも目立つところに広告があります。
「これ、本当かなぁ」なんてずっと思ってたのですが、先日北九州市役所を訪れて驚きました。本当に職員のみなさんの全パソコンに貼ってあります。
しかも、これ、職員の方が自分自身でシールを張り替えています。
つまり、広告の内容を確実に認知してもらえます。

北九州市「パソコンステッカー広告」

おわりに

いかがでしたか?
いやー、さすが北九州市!市民のためなら何でもやる姿勢がすばらしい。
一般の企業で同じようなことやったら、社員から暴動がおきそうですね(笑)

ギリギリのラインで攻めた企画を行った北九州市の職員の方に、拍手を送りたいと思います!

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