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どんなにダメダメな人生でも、1週間あれば人は変われる

前回のnoteは、驚くほどたくさんの反響をいただきました。「ホストクラブ」という特殊な世界のお話なのでみなさんの参考になるか不安でしたが、ポジティブな声を多数いただきました。ありがとうございました!

さて今回は、「人生を変える方法」についてのお話です。

ホストクラブには、いろんな人が入ってきます。元ヤンキーの子、お金がほしくてとにかく目をギラつかせている子、生意気で勘違いしている子、極度の人見知りであいさつすらできない子……。

そんな、社会ではちょっと「問題」とされるような子も入ってくる。

長年ホストクラブの経営をしていて、ひとつ明確に言えることがあります。それは「人は変われる」ということです。適切に教育をすれば、早くて1週間で変わる。1ヶ月も働けば、だいぶ変わります。それはどんな人であっても、です。

生意気だった子も、礼儀正しくなる。人見知りだった子でも、きちんと目を見て「おはようございます」と言えるようになる。

なぜ、ぼくらのホストクラブでは、人が変われるのか?

今回はそこをお話ししてみたいと思います。

どんなにダメダメでも、どんなにどん底にいたとしても、人は変われる。なぜ言い切れるかというと、そういう人をたくさん見てきたからです。これからお話しすることは、ぼくの経験に基づくものですが、「人生を変えたい」と願う多くの人の参考にもなるはずです。

髪色を変え、「変わる」ことを実感させる

「人を変える方法」でいちばんシンプルなのが、実は「髪の色」です。

それが正解か不正解か、似合うか似合わないかはいったん脇においておいて「髪の色をとりあえず一回変えてきたら?」と新人にはアドバイスしています。黒髪の子は金髪に、ずっと金髪の子は逆に黒髪にしてみることを提案するのです。

髪の色を変えると「変わり方」がわかります。その子が今まで「イケてる」と思っていた価値観をいったん崩してあげる。つまり、自分という「殻」を抜け出させるわけです。

今の髪色で実際にモテているのであればいいかもしれません。しかし、もしモテていないのだったら、その価値観は間違っているわけです。そこで第三者の意見、しかも「あなたを売れさせるプロ」であるぼくの意見を一回聞いてみたら? と指摘するのです。

大切なのは、実際に行動させるということです。

思い切って金髪にする。すると、いろんなホストがいるなかで「金髪の子」というポジションができあがります。それだけで、お客さまが自分を見る目が変わる。ほんの少しかもしれないけれど、自分が変わったことに気づく。すると、人は自ら変わりはじめます。

髪色を変えるのにどうしても抵抗がある子は服装を変えるでもいいでしょう。ぼくはまず「スーツを着てこい」と言います。女性はスーツに色気を感じるので、一回スーツにネクタイで来い、と。そこで「変わる」ことを体感させるのです。

髪色や服装を変えること自体に意味があるというよりは「誰でも変わることができる、という経験を実際にやらせる」ことが大切なのです。これがひとつの成功体験になるのです。

変化の「ゼロイチ」が生まれる。「変われるんだ」という実感をさせる。

ホストクラブの門をたたく子は「変われない」と思い込んでいる子も多くいます。だから「変わらせる」のです。行動させることで「変わり方」を学んでいってもらう。すると、自分で試行錯誤を始めるようになります。

「人生の中になかったこと」を強引にやらせてみる

もうひとつシンプルなアドバイスとして「接客のときのリアクションを大きくしてみな」と言っています。

ただ「へえ……」とうなづくのではなく、体をのけぞらせて「えっ!!」とやらせてみる。すると、お客さまの反応が変わります。自分のアクションを変えることで、反応が変わる。それをやらせてみる。

これはひとつの例ですが、このようなことをいろんな場面で見つけさせるのです。「これをやったら、お客さまの反応が変わる」という体験をさせていくと自ら試行錯誤するようになります。

ぼくは「最初の3ヶ月で100万円売れ」というノルマを課します。そして、3ヶ月で100万円に達しなかったら、その子のやり方をすべて否定して、やり方を変えさせます。

入店してきたときに、言うことを聞かない子もいます。そういう子には「受け入れないのなら、まず3ヶ月やってみろ」というわけです。それでダメだったら……すべて変えてもらいます。

髪の色を変える。服装を変える。そして、名前(源氏名)まで変える。

大切なのは「自分の人生の中になかったことを実際にやらせていく」ということです。それを1日にひとつ与えていく。するとイヤでも変わらざるをえない。それは、間違いなく「成果」につながっていきます。そこで「ほんとだ!」と本人が気づくようになれば、成功です。

どんな人でも戦力になりえるのです。

イケメンでなくても「売れっ子」になる術はある

ぼくらのホストクラブでは「どんな人でも100万円売れるやり方」しかやっていません。イケメンでなくても、背が高くなくても、人見知りでも、ホストを知らない子が入ってきても、「これさえやっていれば売れる」という方法をとっています。

売れっ子ホストには、絶対に誰でもなれるのです。

まだぼくが無名だったころ、いい男の子はお店になかなか入ってきませんでした。イケメンも当然来ない。だから「イケメンじゃない人をイケメンにすること」がぼくの仕事だったのです。

昔の話になりますが「2ちゃんねる」ですごく有名になったホストがいました。「イケメンじゃないのに、こんなやつがホストやってんの?」ということで話題になったんです。それはぼくらのグループの子だったのですが、その子に月3ケタ売らせることに成功しました。

どうやったのか?

このときはイケメンでもないのに、たとえばカリスマホストのローランドくんのような「ナルシスト」なことを言わせたのです。すると、ものすごくウケた。それが出川哲朗さんのような「かわいい」という評価につながっていったのです。

もちろん、その彼の努力があってのことですが、そのできごとをきっかけとして「どんな子でも売れさせることができる」という自負が生まれました。そうやって彼を「料理」させてもらったわけです。

その子にとって「売れるポジション」をお店の中で見つけてあげるのがぼくの仕事です。そして、それを強制的にやってもらうことで、その子の「素」を変えていくのです。

これは「キャラを作る」というのとはちょっと違います。キャラを作るとどうしてもウソっぽくなり、それはお客さまにもバレます。そうではなく、その子の素の状態を「売れるポジション」にシフトさせていくイメージです。

もちろん本人としては「本当はこのポジションじゃないのにな……」と思っている人はいっぱいいるでしょう。でも、そう仕立てあげる。「ウソも100回言えば本当になる」という言葉もありますが、言い続け、やらせ続けると人は変わるのです。

どんな人でも成果を出す術は絶対にある――。

それが根幹にあるぼくの理念です。

「変化」できることを実感する。それによって「成果」が出ることを実感する。そして、自分がうまくいく「ポジション」を見つける。少しでも「車輪」が回りだせば、あとは加速度的に変わっていきます。

人は変われる。それを信じることです。そして、実際に行動してみることです。その勇気ある小さな一歩が、いずれ人生を大きく変えるのです。



編集協力 WORDS

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