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【読書感想文】うまくいかない日は、甘いケーキをひとつ(Caho.)

本気で死ぬことを考えた事がある。
何度も。

どのやり方が一番苦しまずに今ある現実から逃げられるだろうって沢山調べて、大切な人達に向けて遺書は書きたいなって手紙を残して。

でも、今、生きている。
何故なのかはよく分からないけれど。
ひとつ言えるのは、ここまで来て見てみると、あの時踏ん張って生き残って良かった気がしている。

今回読んだ『うまくいかない日は、甘いケーキをひとつ』は、ギリギリの人にも伝わるかもしれない、と思う切実さと優しさを秘めた作品だった。

いや、本当にギリギリの人には何を言っても伝わらないのかもしれないけれど、それでも、Caho.さんは手を伸ばしているように感じた。

「どうせ伝わらないから」「自分の言葉で救える人なんて居るか分からないし」と諦めを装った守りに入ることは簡単だけれど、生身の言葉で どうにかして寄り添おうとしてくれているような。


やりたいことのTodoリスト。
Caho.さんなりの夜の越え方。
〝○○な時〟の対処法の数々。

私の好きなことや、ストレス解消法を一緒に考えてくれたり、可愛いだけじゃなくて実用的。

「死にたい」と望む人の心に響くかどうかは分からないし、その状態の人が本を貰ったとしても読めるのかは怪しいけれど、こんなにも色んな方法・手段で寄り添おうとしてくれているCaho.さんの気持ちは伝わってくる。


言葉が響かなくたって、その姿勢が響くんじゃないかな、と希望を感じた。

今、私は幸せなことに「死にたい」とは思っていないけれど、Caho.さんの体当たりで向かってきてくれる心意気に、とても元気づけられた。
ので、「死にたい」と思っていない人にも、もちろんオススメ。

大切な人、もしくは自分へのプレゼントに、是非。

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