見出し画像

「ボードゲーム×ローグライク」の新たな可能性。1v1の緊張感と繊細な駆け引きがプレイヤーを虜にする"闇のゲーム"特集

ここ数ヶ月、海外インディー開発でカード(ボード)ゲーム × ローグライクをテーマにした作品が頭角を表している。

その中でも一際目立っているのが、"ギャンブル"×"ホラー(精神的恐怖)"を一体化させた"Inscryption"や"バイオハザード7"のDLCとして登場した「21」のような、おどろおどろしくもその緊張感とゲーム性で数々のプレイヤーたちを虜にしてきた謂わば"闇のゲーム"である。

今回は、ギャンブルジャンキーたちがさらなるスリルと快楽のために大金や血液、果てには自分の命さえも賭けの対象にしてしまうような、高い戦略性(ゲームの理解)と1v1の駆け引きが存分に楽しめる作品を何点か紹介しようと思う。

それぞれの作品が持つ独特な世界観とルールを理解した時、あなたはギャンブル沼にどっぷり浸かることでしょう……(何事もほどほどに……)




Inscryption


画像はSteam作品ページから

2021年10月20日 - 発売中

 作品販売ページに記載されている以上のことを語れません、無念。Nindendo Switch や Xbox, PlayStation でも遊べるよ。


Buckshot Roulette


画像はSteam作品ページから

2024年4月5日 - Steam / itch.ioにて発売中

「免責同意書にサインしな。」

——折角ならショットガンでロシアンルーレットをしよう。命の駆け引きをするんだ、そっちの方が気持ちが良いだろ?

テーブル上には毎ラウンドランダムな数だけ実砲と空砲が込められたショットガンが。実砲なら相手を、空砲だと思うなら自分を撃ち抜き先に相手のライフを削り切った方が勝ちとなる。

時にはダメージを2倍にしたり相手の行動を制限するアイテムを駆使し試合を有利に運ぼう。それでも足りない時は運と勇気を振り絞るしかない、かもな。ディーラーとの1v1の勝負を勝ち抜き、賞金を手にして脱出しよう……ただし、負けた場合は——。

2024年4月5日にSteamで発売された本作は僅か2週間で売り上げ100万本を記録した怪作である。時には自分を撃たないといけない判断、相手を撃ち殺す覚悟、そして生き抜いた時の爽快感は唯一無二。

また、舞台となるナイトクラブで流れるドラムマシンが、より違法で異常な世界観と臨場感を演出してくれている。

2023年12月にitch.ioで公開されてから勢いが止まることを知らない本作は、現在コンソール向けにもリリースを予定している。また、今後はマルチプレイモードにも対応予定とのこと。


Balatro


画像はSteam作品ページから

2024年2月20日 - 発売中

本作はポーカーローグライクが融合したデッキ構築型カードゲーム。ジョーカーと呼ばれるパッシブ型のカードと、タロットと呼ばれる消耗型のカードを組み合わせ最大効率で高得点を目指す。

ファイブカードやロイヤルストレートフラッシュなどを真っ向から目指すのではなく、如何にジョーカーやタロットなどの効果を活かすのがカギになるため生粋のポーカープレイヤーは注意されたし。

都度設定される目標を達成した後、手にした賞金を手にショップを訪れジョーカー/タロットのパックを剥き、よりコンボに使えそうなカードを集め、デッキに追加していこう。

無限に繋がるコンボと膨れ上がっていく得点がアドレナリンをドパドパ出しまくってくれること間違いなし。


Blood Poker


画像はSteam作品ページから

2024年5月2日 - 発売予定(DEMO版配信中)
※一部暴力・ゴア表現あり

ルールは簡単、ここで賭けるのは自分の血だ。

チェーンソーの音が鳴り響く暗闇の中で互いの血を賭けてポーカーをプレイするホラー×カードゲーム。独自のプレイスタイルを持つ 10 人の異なるクライアントと対戦し生き残れ。

プレイ中は制限時間もあり迅速な判断が求められるが、操作は全てマウスのみで完結する。

また、ポーカーに詳しくないプレイヤーでも不自由なく進行できるようにリファレンスも用意されているため安心して血を賭け合ってほしい。


King of the Bridge


画像はSteam作品ページから

2024年3月8日 - 発売中

橋の前に立ち塞がる迷惑なトロールが作った「Advanced Troll Chess」を攻略し、橋を渡れるようにしよう。しかし、一般的なチェスのルールに対し複数もの"特別な変更"が加えられているため、一筋縄では勝ち切れなさそうだ。

知恵は力だ。ボードゲームのマナーもルールも無視した"俺が考えた最強の〇〇"を打破すべく、相手の動きを観察しながらルールブックを解読し、試合を有利に、時には相手の"不正"も告発してクリアを目指そう。

大切なのはチェスへの理解度ではなく、最強ルールへの理解度なため元々チェスをプレイしたことがない方にも安心の設計になっている。日本語は残念ながら対応していないが、シンプルな英語のため、頑張れないこともない。

他の作品と比べ"命の駆け引き〜"というテーマではないが、紹介しておきたかったのでノリで書いちゃった🌝


OUT OF HANDS(萬手一体)


発売日未定
※集合体恐怖症を招く表現があるため、スクリーンショットの掲載は控える

本作は「手」と「悪夢」がテーマとなる、ホラー×デッキ構築型カードゲームだ。プレイヤーは悪夢から逃れるために、自分の意識のなかに存在する多くの記憶と戦うこととなる。

空想と現実の境界線が曖昧になり、実写風コラージュスタイル + 独特な世界観(質感)で描かれる悪夢を旅し、さまざまな「臓器」を組みあわせて戦術を充実させていこう。

自分の内面と対話し悪夢の連鎖から解き放たれた時、壊れそうになる本当の自分に気づくのか、それとも長く続く苦しみの試練の末に狂気に陥るのか——。

2022年に発表され、同年に開催されたSteam NextでもDEMO版が予定されていた本作が満を辞して登場。Steam Storeページには公式のDiscordコミュニティへのリンクもあるので興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。


番外編:DEAD MAN'S HAND


画像はSteam作品ページから

2024年4月9日 - 発売中

本作はロシアンルーレットをベースにした戦略的なパーティー×カードゲーム。各ラウンドの開始時に、各プレイヤーはカードを1枚引くところからゲームがスタートし、プレイヤーは自分のターンになるたび、自分自身を撃つか、他のプレイヤーに銃を向けるかを選択していく。

勿論ただ撃ち合うだけではなく、プレイヤーはそれぞれターンカード(手動で発動)トリガーカード(パッシブ)という2種類のカードを使い分け、試合を有利に運ぶ必要がある。

ターンカードは全てのプレイヤーの手札を交換したり、ターンの順番を変更したりする効果を持ち、トリガーカードは自分自身を撃つまたは撃たれた際に初めて効果を発揮する。

さらに発砲のターゲットになりながらも生き残ったプレイヤーは追加でカードを引くことができ、次のターンに行う行動の幅を広げることができる。

自分を撃ってより有利な環境を作るも良し、他のプレイヤーを撃ってライバルを減らすも良しだがそれだけのリスクとリターンがあることを忘れてはいけない。


・・・

ここまで読んでくださりありがとうございます、この記事からお気に入りの作品に1本でも出会えれば幸いです。

直近だと2024年の流行予測と作品紹介を兼ねたnoteも公開しているので、お暇ある方はぜひこちらもチェックしてみてください。

Xもよろしくどうぞ


いただいたサポートはすべてインディー作品の支援に投資します