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2024年、インディーゲームの流行を制するのは”都市伝説”? 信じるか信じないかはあなた次第

ゲームには流行があると思う。

メジャーどころでは2021年GOTYを受賞した『Hades』や『Vampire Survivors』などのローグライク、2022年は『エルデンリング』や『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』『星のカービィ ディスカバリー』などのオープンワールド型が記憶に新しい。

2023年には発売時期がズレるが実況配信の波が重なり『Escape the Backrooms』や『8番出口』、『チラズアート作品』などのホラーをテーマにした作品を見かけることが多かったのではなかろうか。

上記それぞれのゲームに個性があり、思わず熱中してしまう魅力があったのはもちろんだが、流行に至るまでにそれらを後押しする社会情勢や需要が影響している場合がある。

例として2020年〜22年のコロナ渦で巣ごもり需要と共にコミュニティが大きくなったTRPGやボードゲームの勢いは、止まらず今もなお進化し続けている。さらに諸々の規制が緩んだタイミングでそれまでのストレスを晴らすがごとく、人々は謎解きやリアル脱出ゲームのような"オフラインで楽しめるアクティビティ"を求めるようになった。

配信などオンラインで誰かから分けてもらう"ワクワク"ではなく、自らが直接行動し、体験することでしか得られない興奮に対して需要が高まったのである。


前置きが長くなったが、TRPG勢の勃興と2023年に流行ったスリル&ホラー(幽霊や心霊を超えた"得体の知れない物/精神的恐怖"に触れる)要素が合流した2024年。令和になって間もないが、昭和/平成レトロが懐古され、20~30年前の流行が一回りした今こそ「都市伝説(怪異やクトゥルフ)」をテーマにした作品が注目を浴びるのではないかと予想している。

ということで今回は上記で取り上げた"都市伝説"をテーマに扱っており、2024年〜に発売予定(発売中)の作品を紹介していこうと思う。

なお、自身がPCゲーマーなため、Steamでも取り扱われる作品が多くなるが、出来る限り満遍なく紹介していこうと思う(推したい作品に関しては随時更新していく)


都市伝説解体センター


画像はSteam作品ページから

発売予定日:未定

インターネット上で無数に飛び交う"都市伝説"をテーマに、連続ドラマ形式でストーリーが進んでいく推理アドベンチャーゲーム。

舞台は怪異、呪物、異界などの調査・解体を専門に行う、都市伝説解体センター。新人バイトとしてセンターで働くこととなった主人公の福来あざみは、都市伝説に関する聞き込みや現場で発見した状況証拠、SNSの書き込み、センター長である廻屋渉の霊視を元に"都市伝説"の真相を追い求める。

集英社ゲームスが贈る本作では、さながら『魔人探偵脳噛ネウロ』のような一般人×異能力者といった凸凹コンビがどのような展開を描いていくのか非常に楽しみなところ。

これは余談だが、現在(2024年4月1日)Steamのスレッドにて新たな"都市伝説"を募集中だ。もしかすると今後あなたの地元や地域に伝わる"噂"も都市伝説解体センターが調査してくれるかもしれない。


青十字病院 東京都支部 怪異解剖部署


画像はSteam作品ページから

発売予定日:2024年 予定

日本が舞台のホラーノベルアドベンチャー。

1999年、日本では都市伝説が具現化した「怪異」が起こす凄惨な事件が多発していた。物語の題材となるのは「口裂け女」「てけてけ」など、誰もが一度は耳にしたことがある都市伝説。主人公は民俗学の観点と現場に残された怪異を「解剖」した結果から、事件の謎を紐解いていく——。

インディーゲームならではの独特なタッチで描かれる個性豊かなキャラクターと、病院や怪異の不気味さを彷彿とさせるような緊張感溢れるBGMが特徴的な本作は、全6話+αのボリュームを想定して制作を進めているとのこと。続報を待たれよ。


奇天烈相談ダイヤル


画像はSteam作品ページから

好評配信中:ブラウザ、Booth、Steamなどからプレイ可能

本作は、怪異判定アドベンチャーゲーム。

1994年、畏怖の対象であった怪異がイタズラや犯罪に利用されるようになってしまい何が本当か判断出来なくなってしまっていた。そんな混乱を解消すべく登場したのが「奇天烈お悩み相談室」だった。

同相談室では突如起こった超常現象や怪現象に対し、それらが実際に怪異の仕業だったかどうかを電話相談にて判定する。新人相談員である主人公は、用意されたマニュアルや資料を元に、寄せられた相談内容と照らし合わせながら怪異の真贋を見極めていく。

異色の入国審査ゲーム『Papers, Please』から着想を得た本作は2時間から12時間程度でサクッと遊べるのも魅力。難易度変更機能や周回プレイをより楽しめるモードも実装されているため、ちょっとだけ触ってみたい人や、しっかりやり込みたい人にもおすすめだ。

また、4月以降になると予想されているが大型アップデートも控えているそうなので今からプレイしておいて損はないだろう。


LUCK SEVEN


画像はBooth作品ページから

好評販売中:Boothにて販売中
※一部に流血表現、残酷描写等、ショッキングなシーンがあります。(12歳以上推奨)

本作は、探索型のノベルアドベンチャーゲーム。

昔、人々は天に願った。勝利を、平穏を、娯楽を、繁栄を、延命を、長寿を。信仰の力を糧に、神々はそれらの願いを叶え続けたが、やがて人々は信仰を忘れてしまい「神」は「神」でなくなった。

月日は流れ、神の居ない世界で人々は再び天に願う。「この世界はつらい。」「この世界は苦しい。」もはや現実逃避とも思えるその願いは——。

見覚えのない部屋で記憶喪失の状態で目覚めた主人公は一通の封筒を目にする。それは「神定大戦かみさだめのおおいくさ」への強制的な参加状だった。何度も「回帰(ループ)」を繰り返し、自分の命を狙う様々な「人外/人間」達から生き残る方法を探し出せ。


Cthulhu Mythos ADV 呪禍に沈む島


画像はSteam作品ページから

発売予定日:2024年 予定
※一部ゴア表現ありとのこと、注意されたし

ジャンルはクトゥルフ神話TRPG & 2Dアドベンチャーゲーム。

舞台は瀬戸内海にあるとある島。そこでは「八十八ヶ所巡礼」を行うと、空海が現れ願いを叶えてくれるという都市伝説があった。ある日、島を訪れた主人公は、突如何者かにより呪いをかけられ命の危険に晒されてしまう。島に封じられた"邪神"の復活を阻止し、呪いを解くべく奔走する主人公を待ち受ける運命とは——。

本作はTRPGのシステムを採用しており「能力値」×「ダイスロール」「自身の選択」によって進行していく。また、主人公の行動や登場人物との絆によってストーリーが大きく分岐していくそう。

Steam上で公開されているスクリーンショットを見るに、2022年に発売された『Cthulhu Mythos ADV 闇に囁く狂気』との関連性もどうやらあるらしい。興味のある方は是非そちらもチェックしてみてほしい。


音信


画像はSteam作品ページから

好評発売中:Steamにて販売中

ジャンルはホラー×ウォーキングシミュレーター。

ある日ネットサーフィンをしていた主人公は、掲示板に怪しげなスレッドが立っているのを発見した。書き込みは全て同じフォーマットで、電話番号と謎のURL、そしてただ一言「みつけて」とだけ記されていた。直近の書き込みは数秒前、URLを開くと近所にある学校の位置情報が。

「誰がどんな目的で投稿しているのか?」「そして一体"何"をみつけてほしいのか」主人公は興味と好奇心からその場所を目指してみることにした——。

本作はプレイ時間30分を想定とした短編ホラーゲーム。値段も315円とお手頃かつ実況プレイも収益問わず可能とのことなので、サクッとプレイするも良し、この夏に向けて積んでおくのも良し。


It was a human.


画像はSteam作品ページから

発売予定日:未定

ジャンルは、SFサイケデリック尋問アドベンチャーゲーム。

舞台は、佐賀県嘉瀬市。とあるホテルで殺人があったとの通報を受け、警官が現場に駆けつけたところ、見るも無惨な姿へと変わり果てた男性2名の遺体と、糸ノコギリを手に立ち尽くしていた女性・勇魚虎魚が発見された。

捜査本部は容疑者と思われる勇魚虎魚の身柄を拘束。軍人である主人公は彼女を取り調べることになり、殺害の動機と犯行方法を聞き出すことになった。彼女は、取り調べ中、主人公に対して甘い言葉や媚びた態度を取るかもしれませんが——

——勇魚虎魚は悪人であり、犯罪者であり、敵です。
勇魚虎魚を尋問し、理解し、断罪し、■■してください。決して惑わされることなく、軍人としての任務を全うすることを目指しましょう。

※一部記述をLOSER/S様の投稿記事からお借りしました


天使機構執行部魂救済課


画像は鴨肉ドブ氏の公式Xから

発売予定日:未定

ジャンルは、伝奇ミステリーアドベンチャーゲーム。

「霊害事件」それは人智を超えた、まるで「霊」の仕業としか言いようがない怪奇事件。そんな「霊害事件」を専門に調査・研究を行う天使機構に所属する正義感の強い上司"ツジツマ"と、飄々としており、お気楽者に見える"ダミアン"の凸凹公安バディが事件を解決すべく、奔走する。

鴨肉ドブ 氏と、よく効く 氏による共作となる本作は、現在絶賛製作中となっており、進捗に関してはお二人の公式Xから確認することが可能だ。

ここでは紹介しきれていないが、システム面(UI)だけでなく、スタート画面からのイントロや、他にも魅力的な登場人物についてなどの情報も公開されており、ますます期待が高まってしまうこと間違いないため、過剰摂取は注意されたし。


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ここまで読んでくださりありがとうございます、この記事からお気に入りの作品に1本でも出会えれば幸いです。

今回紹介した作品の中には、開発中のものも多々あるため、リリース時には紹介した内容とズレが起きることも予想されます。可能な限り公開されている最新かつ公式の情報から読み解き、書き起こしているつもりですが、誤った解釈であったり作者様の意図しない表現になってしまっている箇所がありましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。

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