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青山美智子『リカバリー・カバヒコ』特別企画 Vol.2|カバヒコが新宿に舞い降りた!「小説宝石」編集長が会いに行った!

カバヒコファンのみなさまこんにちは!いカバお過ごしでしょうか…!
青山美智子さん『リカバリー・カバヒコ』特別企画、第2弾!!
カバヒコファンの方々はすでにご存じかもしれませんが、先月カバヒコが新宿にいました。(2/22~2/28・現在は終了しています)
カバヒコが登場したのはなんと、新宿駅の東口を出てすぐの、あの3D猫でおなじみの巨大ビジョン!!
これは会いに行カねバ!と「小説宝石」編集長が会いに行ってきました。見られなかったみなさまにも巨大カバヒコのかわいさを味わっていただきたい…!ということで、「小説宝石」編集長の見物記を公開しちゃいます!!

▶「小説宝石」編集長がリアルカバヒコを探す旅に出た、特別企画Vol.1はこちら!


「小説宝石」編集長、クロス新宿ビジョン『リカバリー・カバヒコ』宣伝動画見物記

 弊社は社内連絡ツールにLINE WORKSというビジネスチャットを導入している。ビジネスチャットとは、平たく言うと、プロジェクトごとにグループ(トークルーム)を作れば、参加者は各々のアイデアや連絡事項などを、いつでもどこからでもスマホやパソコンからポチポチ打ち込むことができ、集まらなくても会議みたいなことができてしまうというシステムだ。『リカバリー・カバヒコ』も販売・宣伝・編集の壁を越えたトークルームを作り、皆でポチポチして連携している。

 『リカバリー・カバヒコ』に登場するアニマルライド「カバヒコ」にはモデルが実在する。そのアニマルライド(以下、リアル・カバヒコ)を実際に見たくなった私が探しに行く話 「カバヒコに会いに行く」を以前、書かせていただいた。

 もともとはそれも「小説宝石」の企画として書いたものだ。しかし「プロモーション用に再利用する!」というSDGsな書き込みがトークルームになされたため、ウェブやメルマガなどの他媒体にもアップされる流れとなった。

 そんなあれこれが社内で行われている中、『リカバリー・カバヒコ』が2024年本屋大賞にノミネート!

 『リカバリー・カバヒコ』のトークルームも盛り上がる。プロモーションのアイデアが次々とアップされる。カバヒコのダジャレLINEスタンプ作成もそのひとつだ。

 「私のダジャレがいちばん!」と、皆が皆「カバ」を無理矢理織り込んだワードをばんばんアップしまくっていた。

 全員、林家ペーさん。

 カバヒコ祭りが続く中、新宿駅東口前にそびえる野外ディスプレイ「クロス新宿ビジョン」に『リカバリー・カバヒコ』宣伝動画を流そう!という企画が決まった。

 前述の「カバヒコに会いに行く」内に詳しく書かせていただいたので詳細は省くが、実は、『リカバリー・カバヒコ』のアイデアの核となった、古びたカバのアニマル・ライド――リアル・カバヒコ――は今、存在しない。残っているのは写真のみ。

 イラストレーターの合田里美さんが表紙で再現してくださった通り、色は剥げ傷だらけのリアル・カバヒコは子供と遊ぶ任を解かれ、公園から撤去されこの世から消えていた。いつのことなのか分からない。

 そのカバヒコが動画となり、新宿のど真ん中に降臨する。
 これは見に行カバねば。

 クロス新宿ビジョンでの『リカバリー・カバヒコ』動画は2024年2月22日から1週間、毎時2分30秒、13分45秒、32分30秒、43分45秒の4回放映されることになった。

 その初日、22日午前11時32分30秒の放映に間に合うよう、底冷えの中、私は新宿へ向かった。朝からの冷たい雨もあり、新宿にはいつもより新宿には人が少ない。

 しかし3Dの巨大猫が映し出されることで世界的にも有名なクロス新宿ビジョンだ。多くの外国人観光客たちがいて、最新技術によって映り出される映像にスマホを向けている。

 寒い中お疲れさまです。

 3Dの巨大猫に感嘆する外国人観光客たち。口の形が「ワオ」
 みなさん、これが「ジャパン・クオリティ」ってやつです! 

 おっ、青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』もアメリカ「TIME」誌「2023年の必読書100冊」に日本から唯一選出されてますよ!そこんとこヨロシク!他社の本だけど。

 しかーし、今日のユーたちがトキオで撮るべきものはキャットじゃなくてキャッバ、ノンノンノンノン!カバですよ!
 
 はっはっは! 我ながらうまいねどうも!
 寒さはテンションで吹き飛ばせ!
 私も傘をさしつつ、空いた手でスマホをクロス新宿ビジョンに向け放映時間を待つ。


 時が来た。
 カバヒコが、優しいBGMにあわせて踊り出した。

新宿の空とカバヒコ
愛おしいフォルムのカバヒコ

 多くの人に見つめられ、約30秒、カバヒコはトコトコと新宿の空を歩いていた。

 時代の流れに呑まれ消えた傷だらけのリアル・カバヒコ。

 しかし、青山さんに発見され物語の中でよみがえったことにより、最新技術を駆使したディスプレイ上に再現され、世界中の観光客に見つめられている。クロス新宿ビジョンのディスプレイはLEDで作られているらしい。しかも画面は湾曲している。リアル・カバヒコが誕生したころには存在しなかった技術だ。

 まわりにはたくさんの外国人観光客がいて、物珍しげに電話で動画を撮りまくっている。これもまた、かつては誰一人想像できなかった日本の風景だ。

 そういえば、53歳の私が社会人になったころ、冒頭に触れたビジネスチャットなんて概念すらなかった。
 
 時代はカバる。いや変わる。
 でも、カバヒコは、残る。


 子供の頃「理科がとくいになりますように」と祈りつつリアル・カバヒコの頭を撫ぜた誰かさんが、リアル・カバヒコを新宿に復活させた技術開発に関わっていたらグッとくるな。

 クソ寒い新宿駅東口で一人、自分の妄想に酔っていた。

ヒーリングカバヒコ

最後まで読んでくださりありがとうございます。
「小説宝石」編集長の見物記、いかがでしたか?

そしてそして!!
カバヒコ、特設サイトもオープンしています!最新情報随時更新中です!

特設サイトでは書店様向けの拡材などもご用意しております!是非覗いてみてください♪


『リカバリー・カバヒコ』あらすじ

キュートなカバーが目印です◎書店で是非見つけてください!

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。
アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」)
誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。


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