見出し画像

新事業のための免許取得を見据えて入居したG。ここは「何でもできる」と思わせてくれる場所

アジアを中心に食品や化粧品を輸出するほか、現地でスーパーマーケットの出店や自動車整備工場の立ち上げなど幅広くビジネスを展開している目加田誠之さん。酒類を輸出する際に必要な免許取得のために入居したG Innovation Hub YOKOHAMAは、今や「ここにいたら何でもできる」と思わせてくれる居心地の良い仕事場なのだとか。どんな仕事でも断らずに全力をつくすのが創業時からのスタイル。その姿勢がどんどんビジネスの幅を広げています。目加田さんに仕事への向き合い方について聞きました。

Gは自分が求める細かな要件をクリアした数少ないシェアオフィス

他の入居者と話すきっかけになるランチ交流会は毎月開催されている

2016年に独立して、今は海外に関わる事業を展開する4つの会社を持っています。六本木や丸の内、仙台と、それぞれの会社でシェアオフィスを使っていて、Gもそのうちの一つです。入居したのは22年の5月で、それまでは横浜駅界隈のシェアオフィスを利用していました。僕は主に日本の食品を輸出する仕事をしていますが、そのなかで、日本国内の大手スーパーのマレーシア初出店をお手伝いする事になったんです。お酒やみりん、料理酒などを扱うため酒類販売の免許取得が必要でしたが、登録拠点についての要件が厳しくて。シェアオフィスの場合、鍵付きの個室を利用することや賃貸借契約書を発行してもらえることなどが必須でした。さらにシェアオフィスが入る建物の所有者からも承諾を得る必要があったんです。いろいろ探しましたが、Gの運営は建物を所有する不動産会社がやっていることもあって一番条件に合ったので入居を決めました。
初めは参加するつもりがなかった交流会にも、今では出席するようになりました。入居している人たちを知ることで居心地が良くなってGにいる割合が増えましたね。「ここにいたら何でもできる」と思うようになったし、Gの中で僕も何か貢献できることがあればいいなと思っています。

苦しい状況の中で偶然話しかけた料理人の一言が運命を変えた

大学で建築を学んでいましたが、才能がないと感じていました。卒業後も就職したくなくて、でも「このままじゃいけない」という思いはあって、語学留学をすることにしたんです。そうしたら海外にはまってしまって(笑)。帰国後、日本で就職しようとしたんですが、頭の中は「海外に行ってビジネスをしたい」という状態だから面接に通るわけもなく…。派遣社員として拾ってもらいましたが、やっぱり海外に行きたくて27歳の時に7カ月間、バックパッカーで世界一周の旅に出ました。そういうことやっていると働けないんですよね(笑)。結局30歳まで派遣社員をして、就職した先の商社も部署閉鎖、経営統合となり、独立して今に至ります。
 化粧品なども扱っていますが、日本の食品は東南アジアの人に受け入れてもらいやすいし、距離が近いこともあって今の輸出先はアジア中心です。スーパー等に並べる食品を扱っていたら、レストランなどから「業務用の調味料はないか」という声が増えてきて、それに応えていたら次第に「食材は扱わないの?」という話になったんです。僕は会社を立ち上げた時から「来た仕事は断らない」というスタンスでやっていたので、食材も扱うことにしたんですが、肉や魚を仕入れる伝手は何もなかったんですよ。一方で、パートナーはマレーシアに新しくオープンする店に食材を提供することを決めていて。困りながらもその店のメニュー開発現場に立ち会う機会がありました。監修する料理人が作った料理に対してみんなが意見を言い合うんですが、僕は何も言えずにただ食べているだけ(笑)。終了後にその料理人が外でたばこを吸っていたので話しかけたら、「これからどんな仕事をしていくの?」と聞かれたんです。これまでの仕事や困っている現状を話したら「俺が口きいてやるよ」と言ってくれて。当時築地にあった普通では門前払いされるような老舗の大きな仕入先とつないでくれて、良いスタートが切れました。会社を立ち上げて4年目くらいの時ですね。後で知ったんですが、その人は料理の鉄人としてメディアにも出るような有名な料理人で。よく考えたら付き人もいたし、すごい人だったんだなって(笑)。この出会いがなければ食材の仕入れは苦戦していたかもしれませんね。何も知らなかったからこそ、気軽に話しかけられて良かったと思います。

「役に立つのならとりあえずやってみる」。その姿勢が新たなビジネスを呼ぶ

コワーキングスペースで仕事をする目加田さん(写真奥)

現在は、バングラデシュに製紙工場を作る話や車の整備工場を立ち上げる話、バングラデシュの鉄をまた別の国へ売る話なども進行しています。これまで扱ってきた食品や化粧品などとはかけ離れていますが、「NOとは言わず、とりあえずやってみよう」という姿勢でいると、話は自然に湧いてきてビジネスが広がるんです。意識しているのは、「せっかくつながるのだからお役に立ちたい」という気持ちですね。関われたら嬉しいですし。自分が一生懸命やることで何かの役に立つのならそこで利益が生まれなくても構わないとさえ思っています。今後はやりたいのは、カンボジアやバングラデシュといった“これからの国”での仕事。すでにみんなやっている場所に行ってもなかなか難しいので、一番手で行ってマーケットを取りたいです。
 あと、最近は漢方の会社もやっています。こちらは担い手がいない日本国内の耕作放棄地で漢方生薬の元となる木や草を育ててもらい、それを買い取って商品化などを目指しています。人のつながりの中で、「放棄地を活用したり、そこで働く人を生んだりすることで地域貢献ができたら面白いね」という話になって、漢方専門の先生を中心に異なる業種の5人が集まって始めたんです。今は青森のリンゴ農家にナツメの木を育ててもらっています。ナツメの木はリンゴの木の高さと同じくらいなので、「慣れているかな」と思ってお願いしました。これまでの仕事では全然やらないことばかりですし、地方へ行くチャンスでもあるので楽しいですね。

因果応報は必ずある。だからどんなことでも楽しく、懸命に

僕、「因果応報」という言葉が好きなんです。大学時代、寿司屋でアルバイトをしていましたが、楽しくて一生懸命やっていました。大将に気に入られて「将来はお前が継げ」と言われたこともあったけど、それは気持ちだけで、絶対に寿司屋にはなれないと分かっていて。それでも仕事は頑張っていたんです。そうしたら今は魚の輸出に関わっているし、マレーシアではパートナーと共同で回転寿司も営んでいるでしょ。大学で専攻しておきながらこれまで何も関わっていない「建築」もそのうち回ると思っていて。それが今扱おうとしている鉄なんじゃないかと思うんです。その鉄で発展途上の国に橋が架かるとかね。いつか回って自分に帰ってくるかもしれないから、頂いたお仕事はどんなものでも一生懸命にやりたいですね。仕事と休みの境もなくずっと仕事をしていて、どうやったら辛くないかと考えたら、楽しむしかないんですよ。一人だからこそ、何でも楽しんでやっています。

おすすめの関内のお店…Gが入っているビルの地下にある「すし処かぐら」
時間無制限で全国各地の日本酒100種類が飲み放題!23年春から毎月通って北海道から順に日本一周、都道府県全制覇に挑戦しています。新潟が多くて大変だったけど、現在は関東まできました。1回にお猪口20杯くらい飲んでいますね。強くはないけど、日本酒は好きなので楽しいです。おすすめ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?