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新劇場版エヴァ マイナス宇宙を考察 物理寄り

新劇場版シン・エヴァンゲリオン:||に出てくるマイナス宇宙に関して物理寄りに考察していきたいと思います。

●.はじめに

    少しアカデミックになりますが、皆さんは宇宙にはマルチバース論(多元宇宙論)というのが有るのは知ってますか?私達の住む宇宙とは別の宇宙があるという説というか理論です。これは理論物理学や哲学的なモノまで色々あります。ガチで研究されている事なので興味がある方は調べてみると色々と面白いと思います。

※以下ネタバレを含むので新劇場版シン・エヴァンゲリオンまでを観てない方は注意が必要です。

    私が思うマイナス宇宙は、、、マイナスという言葉に着目するならば、電荷(でんか)の事かなと単純に思いました。電荷にはプラス(+)とマイナス(−)が有ります。中学や高校物理で原子の勉強をしたと思うのですが、原子は原子核と電子で構成されています。

●原子の中身

↳原子核

    ↳陽子(+)(原子核を構成する素粒子)

    ↳中性子(原子核を構成する素粒子)

↳電子(−)(原子核の周りを回っている素粒子)


(+)↢↣(+)反発しあう(積力)※マイナスも同じ

(+)↣↢(−)引き合う(引力)

※中性子は電荷を持っていません。

    厳密には陽子も中性子の中にはクォークという素粒子が存在していますが細かくなりすぎるので省きます。原子はマイナスの電荷を持つ原子核の周りを取り巻く「電子」によって他の原子と交わらないようになっています。マイナス同士は反発し合うので原子がとなりの原子と交わらないようになっています。電磁気力(クーロン力)といわれてます。これって正にATフィールドですよね?この力がないと原子レベルで融合する前に原子は形を保つこともできません。この力が無ければLCLに還元されてしまうかもしれません(笑)これ以外にも質量を作る素粒子や物質を保つ素粒子(ヒッグス粒子やダークマター等)の話は他にもあるのですが、シン・エヴァンゲリオンのマイナス宇宙にフォーカスするとクーロン力が妥当と推察しました。

●.反物質の世界

    マイナス宇宙とは具体的にどんな宇宙?マイナスの反対はプラスですよね?この場合、エヴァの現実の世界はプラス宇宙にあると想定します。この宇宙での原子の構造は電子(−)で陽子(+)で構成されていますが、マイナス宇宙ではこれが反対という事になります。電子(+)陽子(−)の宇宙です。実は現実世界にもこのような原子が存在します。これらを「反物質」といいます。

    反物質での名称

    陽子→反陽子(−)(はんようし)

    電子→陽電子(+)(ようでんし)

    素粒子はこのような名称に変更されます。

    素粒子の場合は「反粒子」が正しい名称です。

●.対消滅

    これら反物質は私達の宇宙では発生したとしても、一瞬で消滅してしまいます。なぜそのようなことが起こるかというと、発生しても電子が(+)の反物質は周りに存在する原子の電子が(−)なため強烈に引合い「対消滅」という物凄いエネルギーを出して消滅してしまうのです。新劇場版エヴァンゲリオンの劇中にも有名な「ヤシマ作戦」で「陽電子砲:ポジトロンライフル」という武器が出てきますが、あれこそ反物質を撃ち込む事で対消滅を起こして破壊する兵器ですが、陽電子を生成して閉じ込めた弾丸のようなモノを撃つという仕組みだと思います。ちなみに「対消滅」が発生する際に生まれるエネルギーがどれくらいなのか?は有名なアインシュタインの式で理解する事ができます。

E=mc²

※漫画「Dr.ストーン」の主人公の服にも書かれてますよね。

E:エネルギーの事で単位は「J」ジュール

m:質量の事で単位は「kg」キログラム

c:光速の事で単位は「m/sec」毎秒メートル

エネルギーは質量に光速を2乗したモノと等価ですという式です。簡単に言うと質量があるモノをこの世から完全に消した時に得られるエネルギーの式です。具体的に計算してみましょう。

例)

1円玉は1g(グラム)なので例えに丁度良いです。私達の世界に存在できる1円玉と、電荷が全て逆の反物質でできた1円玉が出会ったとしましょう。先に説明したように強烈に引合い「対消滅」してしまいます。合計2gの物質がこの世から無くなった時に出るエネルギー量です。


m:質量は2gですが単位はkgなので0.002kg

c:光速の正式な数値は細かいので、30万km/sとします。単位はメートルなので3億m/sになります。

※光速は通過する空間の状況で速度が変化しますがこの場合は真空の状態とします。

まず、3億を2乗すると(笑)

90000000000000000となり9京となります。

この9京に0.002kgを掛けます。

180000000000000となり

計算結果は「180兆」Jとなりました。

デカイ数値ですよね?180兆Jがとれくらいのエネルギーかというと

・広島県に投下された原子爆弾のエネルギー

    63兆J

・長崎県に投下された原子爆弾のエネルギー

    88兆J

これを見ると、広島の原爆の約3倍、長崎の原爆の約2倍のエネルギーを生み出す事が分かります。たった2グラムの「対消滅」が起こすエネルギーがどれだけ危険で、莫大なエネルギーを生み出すのか理解できると思います。

    話は更に脱線しますが、私達のリアル世界でも研究するために反物質を少しでも長い時間、閉じ込めておく技術は研究されています。反物質は発見された頃は1秒の400億分の1秒しかこの世に存在出来ない存在でしたが、発見から25年で「反水素」という反物質を24時間閉じ込めておけるまでに成長しています。

●.まとめ

    話を戻しますが(笑)何が言いたかったかと言えばマイナス宇宙はとても危険で、通常では入る事は出来ない危険な宇宙という事になる。劇中では以下の3体がマイナス宇宙へ入りました。

・エヴァンゲリオン第13号機

・エヴァンゲリオン初号機

・プラス4in1エヴァンゲリオン8号機

    これらが入れた理由を物理的な側面を無視して説明できませんし、エヴァは覚醒していた、神と同等、アダムスの器を4体食べたから等と並べ立てても、腹に落ちないので止めますが、:||の劇中で無理やりマイナス宇宙に入ろうとして爆発したモノがありましたよね?「ヴンダーと共に散った葛城ミサト」です。ヴンダーの脊椎のような所から「ガイウスの槍」を作り、それを碇シンジに届けるために葛城ミサトは単身でヴンダーに乗り、マイナス宇宙に入ろうと巨大な綾波レイの手を貫通しながら進み、マイナス宇宙の入口から「ガイウスの槍」を放出したタイミングでヴンダーは大爆発します。主機を失ったヴンダーの反動推進型エンジンの出力オーバーでの爆発の可能性も有りますが、反物質の宇宙に触れた事による大爆発と解釈する事もできます。ヴンダーが巨大綾波レイの手を貫通する為に推進する際に巨大綾波は困ったような顔をして両手でヴンダーの推進を食い止めようとしていました。手を貫こうとしてるから困った顔をしたんだとも取れますが、これ以上進むとマイナス宇宙に触れて死んでしまうからダメよミサトさん!という顔だったのかもしれません。ちなみに「ガイウスの槍」はなんで大丈夫だったんだと問われると黙りますけどね(笑)※入れた3体や槍は中性子等でコーティングされていた!とかなら可能かもです。

   マイナス宇宙は庵野監督が好きなウルトラマンのオマージュだという話はよく聞くのですが、それだけでは考察出来なくなってしまいます。マイナス宇宙の中で量子テレポーテーションしてる第13号機の話や、ラストへの考察はまた別にやります。長文を読んでいただきありがとうございました。気に入ったら♡マークを押して貰えると嬉しいです。他の記事のリンクもあるので、気になるものがあれば読んでいただけると嬉しいです。







    




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