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【UFC】FOX最終大会でイアキンタがケビン・リーとの接戦制す。バルボーサは4連勝中フッカーをレバー打ちKO=12.15 UFCファイトナイト・ミルウォーキー

UFC(Ultimate Fighting Championship)は2018年12月16日(日)に米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのファイサーブ・フォーラムにて"UFCファイトナイト・ミルウォーキー"を開催した。(photos by Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC)

メインイベントではライト級ランキング4位のケビン・リー(米国 16勝4敗)と、同8位のアル・イアキンタ(米国 13勝4敗1分)が対戦し、フルラウンドの末にイアキンタが判定勝ちを収めた。

序盤はリーがプレッシャーをかけて試合をコントロールしたものの、第3ラウンド中盤からイアキンタが主導権を握り始め、最終ラウンド終盤には残るパワーを振り絞った連打でリーを追い詰めるなどフィニッシュ目前のパフォーマンスを発揮したイアキンタがユナニマス判定での白星を手に入れた。

試合後、判定結果に納得がいかない様子だったリーは「言葉にならない。序盤3つのラウンドは取ったと思ったし……。こんなにも言葉が出てこないのは初めてだ」と語りながらも、最終的には「いい試合だったと思う。感謝している」とコメントした。

次回、UFCは本拠地のある米国ネバダ州ラスベガスに戻り、2018年最後のイベントとなる「UFC 232」を開催する。日本時間12月30日(日)、舞台となるT-Mobileアリーナではメインイベントでライトヘビー級ランキング3位につけるジョン・ジョーンズと同2位のアレクサンダー・グスタフソンがチャンピオンベルトをかけて対戦する。また、セミメインイベントにもタイトルマッチが組まれ、女子フェザー級王者クリスチャン・サイボーグに、女子バンタム級王者アマンダ・ヌネスが挑む女子最強決定戦が行われる予定。

◆UFCファイトナイト・ミルウォーキー
試合結果&勝者コメント

現地時間2018年12月15日(土)、日本時間16日(日)
ファイサーブ・フォーラム(ウィスコンシン州ミルウォーキー)

【メインイベント】

▼ライト級 5分5ラウンド
×ケビン・リー
○アル・イアキンタ
判定0-3(47-48、47-48、46-49)

【試合展開】

2014年2月「UFC 169」以来の再戦。前戦はイアキンタがリーを判定で降している。

1R、ともにオーソから。最初のリーの左ミドルを掴むイアキンタだが、リーは足を抜く。さらにシングルレッグも見せるイアキンタ。右足前にしたリーにシングルレッグ、放し際に左ヒジはイアキンタ! 左前で触るイアキンタにリーは左構えで左ミドル! イアキンタのワンツーはバックステップでかわす。左ロー当てるリー。さらに左ハイはブロックするイアキンタは右ハイを返す。リーは左ミドル。つかむイアキンタはパンチを狙う。シングルレッグも深追いせず。右ストレートを首筋に当てる。イアキンタは左ジャブ! 追うイアキンタは右アッパーも。リーが押し返してホーン。

2R、右構えから入るリーは前蹴り。リーのジャブにイアキンタもジャブを返す。左構えになるリー。ボディロックからサバ折り気味にテイクダウン奪うと、素早く足を越えバックマウント、ボディトライアングルに。右でネルソンから首狙うリーだが、足が緩んだ際でイアキンタが正対! 立ち上がるとすぐに圧力をかけていく。右を振り左アッパーはイアキンタ。出所が分かりにくい左ジャブから右、さらに右インローを当てる。右構えに戻すリー。ワンツーの右を当ててホーン。

3R、ワンツーで前に出るイアキンタ。下がるリーの左右をしっかりかわすとジャブをかわし右を入れる。右で飛び込み、頭を前にうかがうイアキンタ。入りに右ヒザはリー。しかしイアキンタの右が当たる。左ジャブ。そこに左ハイを狙うリー。ブロックするイアキンタはシングルレッグも放す。逆にリーがダブルレッグからスイッチ狙うイアキンタを押し込み立ち際にバックに。リフトしてテイクダウン、その際でできた空間で両足を巻いてバックマウントからボディトライアングルに。亀からヒザ立ちになるイアキンタ。バックのままRNCを狙うリーだがイアキンタは首を防ぐ。

4R、ともにオーソ。ジャブダブルから前進はイアキンタ。さらに右を胸元に。下がるリー。右フックはイアキンタ。圧力をかけ左アッパー、右フックにさらに右ハイも! 顔面を赤くするリーは左構えに。右インローはイアキンタ。右ジャブに右ストレートを合わせるイアキンタはさらに右ストレート! 金網に下がるリーはサークリング。左ミドルで反撃はリー。イアキンタはワンツーから左フックをガード上から当てる。さらに右! スタンドのみの展開をイアキンタが取る。

5R、最終R。オーソから右ローはリー。左ジャブを当てるイアキンタ。リーはシングルレッグもスイッチバックはイアキンタ。さらに足狙いに立つイアキンタは、シングルを続けるリーに金網背にボデイを抱える。シングルレッグから脇潜りバックに回ろうとするリーだが、片足かけようと試みたところにイアキンタが正対、左ジャブ、右ミドルハイ! 下がるリー。右から左アッパーはイアキンタ! 徐々に圧力をかけ右クロスを当てる。さらに右ロングフック! 下がるリーはサークリング。イアキンタは右のダブルで追いかけ、最後はノーガードで咆哮。

判定は3-0でイアキンタが勝利。再戦でリーを返り討ちにしたイアキンタは4月のヌルマゴメドフ戦の敗戦を払拭する勝利。リーは4月にエジソン・バルボーサに勝利も、再び黒星に。

◆勝者アル・イアキンタのコメント

「なんて試合だ! 今日の試合に挑むにあたって、あいつがタフなのは分かっていた。今回の試合に向けてたくさんの準備をしてきたし、それができた時はUFCの誰をも倒せると思っている。もしコナー(マクレガー)がチャンピオンとの再戦を望むのなら、その時は俺を倒してからじゃないと。この階級で俺はタフなファイターだ。自分のカーディオを疑ったことはない。それが俺にとって1番の武器だから、4ラウンドか5ラウンドまで行くなら俺があいつを倒せると思っていた。2019年末には俺がUFCライト級チャンピオンになっているはずだ」

【セミメインイベント】

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
○エドソン・バルボーザ
×ダニエル・フッカー
3ラウンド(2分19秒)KO ※左ボディ

【試合展開】

1R、ともに打撃巧者。左構えのフッカーにオーソのバルボーサは右インロー。フッカーも左ミドルを当てる。フッカーの入りに左右を細かくまとめるバルボーサ。さらに右ロー! 続く右ミドルはフッカーが距離を外す。ワンツーで圧力かけるフッカー。さらに左ハイ。ブロックするバルボーサはワンツーローで打ち返し。バルボーサのワンツーをスウェイでかわすフッカーだが、バルボーサの右ローがヒット! 詰めるフッカーにバルボーサは首相撲からヒザもヒット。下がりながらも打撃は脅威。フッカーは左ボディストレートを狙うが、そこにバルボーサは右ミドル! さらに終了間際に右インローを2発。フッカーの足が流れる。

2R、右ロー! さらに詰めてきたフッカーに首相撲ヒザを突くバルボーサ。ローを嫌うバルボーサは詰めて左右振るがそこに首相撲ヒザはバルボーサ。しかしフッカーが組み付きテイクダウン。バルボーサのオモプラッタを抜き、ハーフから細かいパンチもバルボーサは蹴り上げから立つ。スタンド。左ボディから左フックはバルボーサ! さらに右も当てるが下がらないフッカー。バルボーサの左の足払いに尻餅をつくが疲労したバルボーサも深追いはしない。左ミドルを連続で食らうフッカー。さらに右フックダブルに頭が下がるがフッカーは倒れず。ホーン。

3R、ダメージの色濃いフッカー。バルボーサの左ローを受けながら前に出るフッカー。シングルレッグから押し込み左で差すが、突き放したバルボーサは右後ろ廻し蹴り! 下がるフッカーにさらに左ミドル連打! 首相撲ヒザ、右ヒジの猛攻にも倒れないフッカー。しかし、バルボーサの右フック、さらに左ボディについにフッカーが崩れ落ちた。

4連勝中だったフッカーをレバー打ちでKOに降したバルボーサはヌルマゴメドフ、ケビン・リー戦の2連敗から脱出。

◆勝者エドソン・バルボーザのコメント

「この瞬間は俺が世界一の幸せ者だな。毎日、必死にトレーニングしているけれど、勝てることもあれば負けることもある。今回は勝てたから神に感謝だ。ジムに戻って次の相手に備えるよ。ダン(フッカー)は本当にタフなヤツで、世界トップ15に入るのもうなずける。彼は若いし、素晴らしい未来が待っている。自分はクリーンな打撃を当てられたけど、世界最高の奴らと戦っているんだから、そのまま行くしかない。いい試合だったと思う。みんなが楽しんでくれているといいんだけど。2019年もいくよ。生活のすべてが変わったし、最高はこの先に来ると信じられるようになった。新たなエドソン・バルボーザに乞うご期待だ」

【メインカード】

▼バンタム級マッチ 5分3ラウンド
○ロブ・フォント
×セルジオ・ペティス
判定3-0(30-27、30-27、30-27)

【試合展開】

1R、ともにオーソから。身体の厚みはフォント。階級を上げてきたセルジオ・ペティスに左のリードジャブはフォント。さらに右ボディストレートと打ち分ける。下がるペティスを詰めるフォント。ワンツーも。さらに金網詰めてボディロックテイクダウン。ガードのペティスに体を放し、中腰から拳を振り下ろす。ペティスの蹴り上げをつかむフォントにペティスは片足立ちで後ろ廻し蹴り! そこにフォントも左の蹴りを頭に狙う。

2R、ワンツー連打からダブルレッグに入るフォント。差し上げるペティスに離れるフォントは右アッパー、左ジャブも。ペティスは右ハイを狙う。右ロー、左ジャブ、右ボディストレートと上下に散らすフォント。ペティスは右ロー、右ストレートをヒット。しかしフォントは左ジャブを当て続ける。ペティスはノーモーションで右前蹴り、さらに組んで小外のテイクダウン。しかしフォントは下からキムラでスイープし、ストレートアームバー狙い、ヒザを当てホーン。

3R、サウスポーから左ミドルを当てるペティス。オーソに戻すがフォントは手数止めず。互いにジャブの刺し合いから右の後ろ廻し蹴りはペティスも力に欠ける。ペティスは再びボディロックからテイクダウン! パウンドからペティスの三角絞め狙いをすぐにかつぎバックへ。4点ポジションで立とうとするペティスを後方に引き込み、後方からコントロール。

判定は3-0(30-27×3)でフォントが勝利。来場した母親の誕生日を祝福した。

◆勝者ロブ・フォントのコメント

「ものすごくうれしいよ。最後のFOX放送に出られたし、相手の地元だし、俺にとっては本当に大きな1勝だ。最初、判定になった時は緊張したけど、やるべきことはやったから、この結果。たぶん、観客の10人くらいは俺を応援してくれていたと思う。向こうはチームの全員がそろっているしね。でも、敵地で勝利を手に入れた。ジャブのパンチで相手を打ち負かしたし、試合をコントロールできたと思う。向こうのフットワークはすごかったし、かなりスリックだったけど、少し相手の目を痛めさせてしまったから、とにかく打ち続けて攻撃していかないといけなかった。2019年はもっと試合がしたいし、もっとフィニッシュしたい。タイトル挑戦に向けて取り組んでいきたい」

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
×ジム・ミラー
○チャールズ・オリベイラ
1ラウンド(1分15秒)リアネイキドチョーク

左構えのジム・ミラーの左ローの打ち終わりにシャーウス・オリヴェイラがボディロック。足を払いながらTDし、ミラーのバックに。ボディトライアングルから1分15秒リアネイキドチョークを極めた。2010年には一本負けしたミラーとハグしたオリヴェイラのUFC「12」の一本勝ちは最多記録。

◆勝者チャールズ・オリベイラのコメント

「本当にうれしい。セコンドの言うことをとにかく聞いて、仕事を果たしてやり遂げた。MMAのあらゆる部分をトレーニングしているから、この試合で何が来ても大丈夫だったけど、サブミッションは大のお気に入りだからね。打撃もどんどん良くなっているけれど、コーチはいつもチャンスがあれば必ず行け、と言う。相手の背中にまわったら、とにかく攻撃し続けるだけなのは分かっていたし、チョークはいずれ決まると思っていた。マックス・ホロウェイがこの階級に来たがっていると聞いたから彼を指名したんだ。だから歓迎の意味も込めて、俺の勝利をもらいたい」

【プレリム】

▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
○ザック・オットー
×ドワイト・グラント
判定2-1(29-28、29-28、28-29)

◆勝者ザック・オットーのコメント

「2週間前のオファーで試合に臨んだから、カーディオについては心配する必要がなかったし、とにかく彼とボリュームのある戦いはできないというのだけは分かっていた。向こうが右のカウンターを好むのは知っていたから、とりあえずそれを食らわないように気をつけてフィニッシュを狙ったんだけど、カウンター狙いの相手にカウンターの打撃を当てないといけなかった。アンデウソン・シウバでさえ、カウンタータイプのストライカーと戦えば退屈な試合になるんだから、それに関しては心配していなかった。チェスゲームみたいな試合だったし、ファンのみんながアクションを望んでいることは分かっているけど、最後は声援をもらえたから、俺にとってはウインウインだ。負ければ仕事が危うくなる気がしていたから、スマートに忍耐強くいかないといけなかった。特にグラントのようなファイターを相手にするんだからね」

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
×ボビー・グリーン
○ドラッカー・クロース
判定3-0(28-29、28-29、28-29)

◆勝者ドラッカー・クロースのコメント

「勝利はうれしいけど、ボビーと俺はいい友人なだけに最悪だ。ずっと同じマネジャーだったんだけど、たぶんきっと勘違いがあって、最終的に戦うことになっちまった。もちろん、これまで戦ってきた相手の中で一番タフだった。2人ともラウンドを1つずつ取った状態で第3ラウンドに入ったから、勝つために必死にならないといけなかった」

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
×ジャレッド・ゴードン
○ジョアキム・シウバ
3ラウンド(2分39秒)KO

◆勝者ジョアキム・シウバのコメント

「久々の試合だったから最初は少しぎこちなかったけど、最初のパンチで目が覚めた。相手がグラインダーなのは分かっていたけど、正直、あれが俺の戦略だった。2ラウンド目が終わる頃には相手を疲れさせておきたかったし、倒したかったから、その通りにやった」

▼ミドル級マッチ 5分3ラウンド
×ジェラルド・マーシャート
○ジャック・ハーマンソン
1ラウンド(4分25秒)ギロチンチョーク

◆勝者ジャック・ハーマンソンのコメント

「俺にとって一番のゴールは今回の試合をフィニッシュすることだったから、1ラウンドフィニッシュを決められて本当にうれしい。アメリカのファンの前で自分の実力やスキルを示したかったし、いい形でそれを果たせたと思う。アメリカの観客が楽しんでくれて、ここから俺が突き進んでいくんだと分かってくれたらいいな」

▼ミドル級マッチ 5分3ラウンド
×トレバー・スミス
○ザック・カミングス
判定3-0(28-29、28-29、28-29)

(予防的検査で病院に搬送されたため、コメントなし)

▼フェザー級マッチ 5分3ラウンド
○ダン・イゲ
×ジョーダン・グリフィン
判定3-0(29-28-、29-28、29-28)

◆勝者ダン・イゲのコメント

「ゲームプランは第1ラウンドでどうなろうとしっかり対応できるようにすることだった。相手は地元でのデビュー戦だから厳しく来るだろうと思っていたしね。彼はすべてにおいてタフだったけど、グラウンドは自分にアドバンテージがあると思っていたし、関節技ではポジションをコントロールしたり、できるところでダメージを与えられたりもした。次に戦いたい相手がいるわけじゃない。誰でもいい。しかるべきレーダーに捕らえられるように、自分のやるべきことをやり、1人ずつ打ち負かしていくだけだ」

【アーリープレリム】

▼ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド
×アダム・ミルステッド
○マイク・ロドリゲス
1ラウンド(2分59秒)KO

◆勝者マイク・ロドリゲスのコメント

「勝利街道に戻れて最高だ。今回の試合に向けて必死にトレーニングしてきた。いつもハードにトレーニングしているけど、前回の試合では苦汁をなめたし、そこから抜け出す必要があった。また試合に臨んで自分の勢いを取り戻し、みんなに俺の存在、俺の実力を思い出させたかったんだ。相手がヘビー級だったことは気にしていない。結局は目の前に現れた新たな敵なだけだからね」

▼ヘビー級マッチ 5分3ラウンド
×クリス・デ・ラ・ロッチャ
○フアン・アダムス
3ラウンド(0分58秒)TKO

◆勝者フアン・アダムスのコメント

「試合では最高の気分だった。第1ラウンドでフィニッシュすべきだったけどね。いたるところに血が飛び散っていて少し怖かったんだけど、たぶん、自分の血じゃないと思う。第1ラウンドで終わっていても良かったし、第2ラウンドでも相手を止められそうだったけど、俺はただ自分のやるべきことをやって、仕事を果たしただけだ」

【中止】
女子フライ級マッチ 5分3ラウンド
ジェシカ・ローズ・クラーク vs. アンドレア・リー

※次回12月20日(木)配信予定の『UFCってなんだ?』は、12月13日配信最新エピソード『UFCが大好きすぎる鬼越トマホークの坂井良多が福田充徳&西山茉希とUFC談義!』


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