「RIZIN.14」（12月31日、埼玉・スーパーアリーナ）に出場する矢地祐介が12月14日、東京馬込のKRAZY BEEにて公開練習を行った。

2016年のクレベル・コイケ戦の敗戦後、6連勝していた矢地は8月の名古屋大会でルイス・グスタボにKO負け。17年12月の五味隆典戦、18年5月のディエゴ・ヌネス戦も勝利はしているものの、矢地自身は「いつか、このままじゃ負けると思っていた」という。

野球少年からキックジムの幽霊会員、そしてKILLERBEEからKRAZY BEEでプロ練習に参加するようになり、強いフィジカルと当て勘、独自の間合いを武器に、頭角を現した。

修斗、PXC、PANCRASEを経てRIZINへ。かつてUFCを目指していた矢地は、ヌネス戦に続き、今回の大晦日は2017年までUFCで4勝2敗と大きく勝ち越していたジョニー・ケースと対戦する。

2019年に予定されている『RIZINライト級GP』に向け、同年代の実力者ケースとの対戦は、矢地にとっても生き残り戦だ。そんなケースを矢地は「飛び切りに強いわけじゃない」と評した。

──試合まで2週間ほどになりました。現在のコンディションはいかがでしょうか。

「絶好調です」

──前回の試合（8月名古屋大会でルイス・グスタボにKO負け）のダメージはどのくらいあったのでしょうか。

「前回の試合が終わってから、6週間くらい全く身体を動かさず休んだのでダメージの方は全然、抜けていると思います」

──どのように気持ちを切り替えてきましたか。

「切り替えるも何も、自分は前に進むしかないし、上を目指してどんどんいくしかない。負けは良くも悪くもそこまで深く考えてなくて、弱かったから負けた。まだ完成形じゃないし。いつか、このままじゃ負けると思っていたし、いい気づきになったというか、やっぱりそう（負ける）だよね、という──やらないといけないことが分かっていたけれど、なあなあになっていた部分がどうしてもあったので、本腰を入れてもう一度取り組もうというきっかけになりました」

──「このままじゃ負けると思っていた」というのは、どんな部分ですか。

「全体的にポテンシャルやフィジカルだけで雑に戦っちゃっていた部分があったので、そこを見つめ直してもっと丁寧に、もっと総合格闘家として完成度を高くしていかなくちゃって、ほんとう細かい初歩的なところから、ジャブの打ち方じゃないですけど、そういうところからやり直しました」

──対戦相手のジョニー・ケースは日本でも戦った（徳留一樹に2Rギロチンチョークで一本勝ち）UFC4勝2敗の強豪です。待望の世界で実績のある選手といえます。名前を聞いたときは？

「いやー、嬉しかったです。久しぶりにちゃんとした……言い方悪いですけど（笑）、ちゃんとした相手だったので、自分より格上で実績もあって、なおかつ映像もたくさんあるから研究できるし作戦も立てられるし、すごくワクワクしていますね。強いヤツとやるのが好きなので、自分のこの強さを知らしめたいですね」

──その映像を見た感じではジョニー・ケースをどのようにとらえていますか。

「最初、実績を見た時にUFCで勝ち越しているし、23勝のうち15勝が打撃・一本で試合を決めていて、どんなヤツだ？ ヤバいなって思ったけれど、映像を見たらそこまで飛び切りに強いわけじゃなくて。でも勝っているから彼の試合での強みが何かあると思うんですけど、まあ全然やれるな、むしろいい勝ち方ができるなという印象を、俺を含めてチームのみんなで思いましたね」

──手足が長く、懐が深いケースとの試合のイメージもできていますか？

「そうですね。やっぱり打撃の勝負になると思うけれど、前回負けているから勝ちが欲しいし、もちろんお祭り男として盛り上げる試合もしますけど、しっかり総合格闘家らしいところを見せたい。寝技でも盛り上げられる攻防や技術を8月からの期間でいろいろ試したり習得しました。寝ても立っても盛り上げられる『総合格闘技』をやりたいと思います」

──9月の後、11月の山本“KID”徳郁選手のお別れの会では選手代表として弔辞を述べました。あらためて、試合に臨む心構えに期するものがありますか。

「俺が引っ張っていかないといけないし、日本の格闘技界もどんどん盛り上がっているのをさらに燃え上がらせないといけない。俺一人で引っ張る気はないけれど、ブームをもう一度作れるように、俺が出来ることを精一杯やりたいなって。しっかり勝って天国のKIDさんに“矢地がいるな、KRAZY BEEはもう大丈夫だな”と思ってもらえる試合をしたいですね」

──2019年には『RIZINライト級グランプリ』の開催も発表されてますが、自分がエースという気持ちも？

「もちろん優勝したい気持ちが強いです。だけど、ここ最近RIZINに参戦している選手だったりBellatorとも密接に、ということを考えたら、ほんとうに強い選手が集まるGPになると思うので、甘いもんじゃないし、でもそのために、強くなる時間がまだまだあるから、まだまだ自分は未完成なので、それをひとつずつ足りないところを埋めていけば、全然、世界に通用するポテンシャルを持っていると思っています。焦らず試合をしながら1個ずつ強くなっていきたいですね。そして、しっかり優勝して俺のための大会だったと言いたいですね」

──ライト級で気になる選手は？

「初参戦の外国人勢は結構気になりますね。みんなそれなりの実績を積んできている選手なので、そいつらがRIZINの選手ととどう戦っていくのか、誰が生き残るかに純粋に興味があります」

──今日はいつになく真面目モード？

「ヘラヘラばかりしていられないなって（苦笑）。今回は勝負どころ。正直、崖っぷちなので連敗は許されない。そういう姿勢を見せたい。矢地祐介、実はちゃんとしているんだよって（笑）ところをたまには見て欲しいかなと」

──大晦日をどんな大会にしたいですか。

「今回は並んでいるカードもガチものが多いし、対世界で日本人のお祭りになればいいですね。日本人が活躍して、俺もそうだし、ほかの選手も日本人がみんな勝って『日本人強えな』っていう印象を残す、平成最後の祭りにしたい」

──ちなみに美容院の予約は……。

「切るか切らないか、どうするのかも含め当日のリングインまで楽しみにしてほしいですね」

大晦日の午前「RIZIN 平成最後のやれんのか！」に出場するあいと。格闘代理戦争では矢地がセコンドを務めた。

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◆「Cygames presents RIZIN.14」
12月31日さいたまスーパーアリーナ
午後3時開始予定

▼スペシャルチャレンジバウト（※エキシビション／ルール未定）3分3R
フロイド・メイウェザー・Jr（米国／プロボクシング元WBC世界スーパーウェルター・ウェルター・スーパーライト・ライト・スーパーフェザー級王者、元IBF世界ウェルター級王者、元WBA世界スーパーウェルター・ウェルター級王者）
那須川天心（TARGET／Cygames／RISE世界フェザー級王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者、RIZIN KICKトーナメント2017優勝）

▼RIZINバンタム級タイトルマッチ 61kg RIZIN MMAルール 5分3R
堀口恭司（ATT）
ダリオン・コールドウェル（アライアンスMMA／現Bellator世界バンタム級王者）

▼59kg 5分3R RIZIN MMAルール（ヒジあり）
佐々木憂流迦（フリー）
マネル・ケイプ（アンゴラ）

▼60kg 5分3R RIZIN MMAルール（ヒジあり）
元谷友貴（フリー）
ジャスティン・スコッギンス（米国）

▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール
矢地祐介（KRAZY BEE）
ジョニー・ケース（米国）

▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール（ヒジあり）
ダロン・クルックシャンク（米国）
ダミアン・ブラウン（豪州）

▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール
大尊伸光（総合格闘技津田沼道場）
トムフィック・ムサエフ（アゼルバイジャン）

▼49kg 5分3R RIZIN女子MMAルール
RENA（SHOOTBOXING／シーザージム）
サマンサ・ジャン＝フランソワ（フランス）

▼93kg 1R10分・2R5分 RIZIN MMAルール（ヒジあり）
イリー・プロハーフカ（チェコ）
エマニュエル・ニュートン（米国）

▼57kg 5分3R RIZIN女子MMAルール（ヒジあり）
真珠・野沢オークレア（米国）
ヤスティナ・ハバ（ポーランド）

▼「宮田和幸引退試合＆山本“KID”徳郁メモリアルマッチ」65kg 5分3R ※ヒジあり
宮田和幸（BRAVE）
山本アーセン（KRAZY BEE/SPIKE22）

▼スーパーアトム級（49kg）初代女王決定戦 RIZIN女子MMAルール 5分3R ※ヒジあり
浅倉カンナ（パラエストラ松戸）
浜崎朱加（AACC）

▼女子51kg 5分3R
長野美香（CORE王子豊島）
山本美憂（KRAZY BEE/SPIKE 22）

▼女子102.5kg 5分3R（ヒジあり）
ギャビ・ガルシア（ブラジル）
バーバラ・ネポムセーノ（ブラジル）

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◆『Cygames presents RIZIN 平成最後のやれんのか！』
12月31日・さいたまスーパーアリーナ

▼メインイベント 70kg 5分3R RIZIN MMAルール（ヒジあり）
川尻達也（T-BLOOD）
北岡 悟（ロータス世田谷／パンクラスイズム横浜）

▼57.5kg 5分3R RIZIN女子MMAルール（ヒジあり）
渡辺華奈（FIGHTER'S FLOW）
杉山しずか（リバーサルジム新宿Me,We）

▼61.0kg 5分3R RIZIN MMAルール（ヒジあり）
ムン・ジェフン（韓国）
朝倉 海（トライフォース赤坂）

▼92kg 3分3R RIZINキックボクシングルール（ヒジあり）
内田雄大（Team Aerts）
小西拓慎（クロスポイント吉祥寺）

▼49.25kg 女子RIZINチャレンジルール（グラウンドでの頭部への蹴り禁止）5分2R
川村虹花（仮面女子）
あい（KRAZY BEE）

問い合わせ　RIZIN FF事務局　03-5772-3223