本を読んで改めて磐田の試合を観て思う”プレス”

Jリーグが中止になり、週末の予定がフリーになったであろう人は多いのではないか。

私もその1人なんですけどね。

ダラダラするのもいいけど、せっかくなので過去に読んだ本を読んだりしていました。

何度か紹介しているので知っている人も多いかと思います。

で、この本読んでて最初の方から「連動してないのはプレスと呼ばないんじゃ!」とイタリアの有識者に言われちゃっています。ちなみにこの本は2010年に出版された本ですが、今の日本サッカーに十分当てはまる(いや当てはまらない未来であれ)ので安心?して読んでほしい。

読んでいて、山形戦の磐田は連動していたのか?プレスの精度はどうだったんだ?と疑問に思い始めてきました。

じゃ、もう1度観るかとなり3回目の観戦となったわけなんです。


精度が高いとは言えなかった磐田のプレス

まず精度が高いプレスとはなんじゃろう?なのですが、選手の複数が連動して動き、相手に効果的なプレーをさせる選択肢を奪い、ボールをマイボールにすることかなと思います。

ペップ時代のバルサとか、クロップ時代のドルトムントなんかが日本だとわかりやすいかな。

最近だとシティ戦のレアルもすごかった。レアルの選手だからこそできるマンツーマン気味の戦術。シティはすごい嫌がってた。

この3チームに共通するのはできるだけ高い位置であったり、即時奪回したいということ。で、磐田もそういう傾向にあります。

「磐田も欧州のビッグクラブみたいなことチャレンジしてんのか!すごい!」というほどのことではないのですが、改めて試合を見直すと結構チャレンジングなことしているなと思いました。

なんでそう思ったかというと、まず日本は守備の原則が普及していません。

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例えばこういう配置で、青のRCBがボールを持っていたいとします。そこで、LCFが1人で猛然とアタックしたとします。これって意味があると思いますか?うん、全くないです。普通にRSBやLCBにパスされて終わり。

これはわかりやすくするために極端な例で書きましたが、相手ボールホルダーが前を向いていて(視野の確保ができている)、数的優位な状況で無闇に突っ込んではいけないという原則があります(ちなみに本に書いてあった)。まぁ、別にこの本を読んでなくても知っている人は当たり前のことだと思っていると思うのですが、それが多くの人に伝わっているとは思っていないはずです。だって、状況を考えずに突っ込むチームを私、長いこと観てましたから!!(血涙)

これは基礎の基礎みたいなもんです。で、最初に書きましたがプレスとは連動してこそプレスと呼べるもので、今回の例のように単独で突っ込んで仮に奪えたとしてもそれはプレスでもなんでもないわけです。

なので、磐田が先に上げた海外のチームのように戦うためには守備の原則なりをきっちりと頭にぶち込まないと、プレスができないのです。

「前体制で突っ込んでいたのに、いきなりできちゃうの?フベロそんなにすごいの?」と思いの他サポの方!!そんな甘くはありません!!

もちろん明らかに改善されていますよ。それは明らかです。でも、山形戦で、セオリーを無視した守備をしているシーンは少なくなかったように思いました。

丁寧にシーンを取り上げると時間が掛かるので、めちゃくちゃザックリと上げると、相手が正対しているのに突っ込んでかわされたり、いなければいないところから動いていなくなったりとか、スペースを埋めるためにカバーに入らないといけないのに埋めにいかなかったりとかね。

能動的にプレスをかけてボールを奪おうというのは、攻撃的で観ていてスリリングなのですが、誰かがサボったりとか、ポジショニングをミスったりとか、プレスのスピードについてこれないとかが起きると、ただ体力を消耗するだけという危険性もあります。

体力が有限である事実は変えられない。なので、精度を高めないといけない。数うちゃ当たるでは選手は疲弊してしまう。

山形戦でも、数少ないピンチがありました。観返すと山形が磐田の守備組織を上回ったというよりも磐田の守備におけるミスによるものが多かったなと。

堅い守備といえば今だとセレッソ。442でしっかりとブロックを形成し、陣形を崩さず隙を見せない。大分戦を観ましたが、個人的な疲れもあり途中から眠くなってきました(褒めています)。セレッソは前から積極的にプレスを掛けるというよりも、ブロックを形成し待ち受け、誘い込んで相手のミスを誘発しているような印象があります。

セレッソは堅い守備によって失点が超少ないわけですが、ゴールが少ないという問題もあります。それはボールを保持しても無理して攻めない(リサイクル)ことであったり、高い位置でボールを奪えない(奪おうとしていない)というのがあるかと思います。たぶん、磐田も失点を減らしたいならセレッソのようなやり方をした方がいいとは思います。しかし、それをやろうとはしていない。それがフベロの哲学なのか何なのかはわからないのですが、とにかくやろうとはしてない。

「プレスの精度が高くなって、能動的にボールを奪えるようになったらJ1でも十分戦えるチームになるぞ!」と思うと同時に「果たして精度が上がるのか?しかも、勝ち点を積み上げながらは可能なのか?」という不安もあります(磐田の目標はあくまで昇格)。

結構難しいことやってんなと思うのでした。


終わりに

何か勢いで書いてみた。守備のセオリーに反すると本当にピンチになるんですよ。セオリーってすごいね。でも、そのセオリーが広がらないのが日本サッカーでもある。それはなぜなのか?という話になるとキリがなくなるので、今回はこの辺で。

おわり。

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