ピッチ上だけでは測れない能力

ちまちまながらも更新をしようと思っています(いつまで続くかわからんが)。

ここ最近の磐田は俊輔、大久保といった選手を獲得してきました。偉大な選手であることの説明はいらないと思いますが、前チームからの移籍の経緯は「引き抜いた」というよりも「前チームでのポジションが不安定」ということもあり、前チームも絶対的主軸と考えていたとは言い難い中での移籍だったと思います。

そんな俊輔や大久保のパフォーマンスが悪いと「もう終わった選手」「怪我ばかりで何もできていない(これは俊輔について)」といった声も個人的に聞きました。「選手の寿命は選手が決める」と思っているので前者については否定的ですが、後者に関しては言いたくなる気持ちもわからなくありません。

ただ、こういった偉大な選手はピッチ上だけでは測れない能力があります。例えば、トレーニングから必死に取り組んでいるだけで、自然とトレーニングの強度が上がります。CLで結果を残したり、W杯を経験している選手が必死にやっているのに他の選手が手を抜くというのは考えにくいです。本人たちにとっては当たり前にやっていることが、他の選手にとっては120%と感じるかもしれません。しかし、それが当たり前になれば120%と思っていたものが100%、もしかしたら80%くらいに思えてくるかもしれません。

「出席しているだけで、会議の雰囲気が良くなる人っているじゃないですか。彼らをどう評価してあげるか、は結構重要なんですよね。」
「ほー。」
「あるいは、「馬鹿な質問を平然とできる年配者」。こういう人がいると、若手が発言しやすくなるんですよね。」
「ほうほう」
「それから、リーダーではなく、補佐役として黙々とルールの策定を進める人。」
「なるほど。」

俊輔や大久保はいるだけでチームに影響をもたらす選手です。俊輔は移籍してしまいました。テレビゲームのように選手が数値で評価され、いなくなったらその数値分がマイナスになるだけなら、俊輔の移籍は磐田にとってはそこまで痛いものでは正直ありません。

しかし、俊輔がいなくなったことでトレーニングの強度が下がったらどうでしょう?それで他の選手の成長が止まったり、チームとしての成長が止まったとしたら…テレビゲームでないリアルではそういうことが十分にありえます。「サッカー選手はピッチ上で結果を残すのが仕事」と考える人もいるとは思います。もちろん一番はそこですが、外からだと評価のしにくい能力が存在しているのも事実です。

もし、評価する側が「サッカー選手はピッチ上で結果を残すのが仕事」という考えだけだと、とんでもない才能を見逃す可能性があります。ブレない評価軸があるのは大事だと思いますが、多様な評価軸をもっておくのは大事かなと思うのでした。

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