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ウェブ上の電子契約と紙の契約、効力に違いはある?【弁護士 解説】

皆さま、こんにちは。弁護士をしております、中野秀俊と申します。今日のテーマですけれども、ウェブ上の契約と紙の契約に違いはあるの?というお話をしたいと思います。

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利用規約などの「ウェブ上の契約」とクラウドサインやGMOサインなどの電子上のサービスを利用して契約書を締結する「電子契約」、署名・押印をする従来の「紙の契約」の3種に効力の違いはあるのかというご質問をいただいたのでご説明したいと思います。

「ウェブ上の契約」

まずはウェブ上の契約についてです。「利用規約などのウェブ上の契約には紙の契約と同じ効力があるの?」というご質問は非常に多くいただきますが、結論としては同じ効力があります。
2020年に改正された民法では定型約款に関する規定が設けられました。利用規約が契約として認められ、さらに利用規約が契約として認められるためにしなければいけないことも明確にされました。ですので、ウェブ上の契約と紙の契約には同じ効力があります。
この時に注意しなければいけない点としては、きちんと同意をさせることです。利用規約を見せるだけでなく、規約を読み同意したかどうかをチェックボックスなどでチェックさせなければいけません。このような相手方の何らかのアクションが重要になるので、実装されているかの確認は十分に行ってください。

電子契約

次にクラウドサインやGMOサインなどの電子契約ツールを用いた電子契約についてです。この電子契約も紙の契約と効力は同じになります。
電子契約のメリットとしては印紙の必要がありません。紙の契約書には印紙を貼ることが義務づけられているものがあるため、印紙代がかかってしまいます。どのような場合に印紙が必要なのかは決められており、公表もされているので印紙税についてはきちんと把握する必要があります。
しかし電子契約の場合であれば印紙は不要であり、効力も紙の契約と同じなので電子契約の活用もひとつの方法かと思います。

紙の契約

では紙の契約の必要性はどこにあるのかというと、実印を押させるという意味はあるかと思います。
実印とは印鑑登録された印鑑をさしますが、法律では実印が押されている場合はその会社や個人が押したものとみなすという規定があります。ですので、不動産などの高額な取引のため電子契約では不安な場合は実印を押させ、印鑑登録書を添付させることで間違いのない契約とする意味はあるかと思います。この点がほかにはない紙の契約のメリットとなります。

ウェブ上の契約、電子契約、紙の契約のどれがよいのかという正解はありません。どの契約を使うのかについては自社でどのような運用をするのかを考える形になるかと思います。

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