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呪術廻戦考察 | 0巻と1巻以降は別のパラレルワールドの物語である

このnoteは呪術廻戦コミック版のネタバレを含みます。アニメ派の方はご注意ください。

さて、いきなり本題です。0巻と1巻以降の本編では夏油傑の死に様が違うことにお気づきでしょうか?該当箇所を参照しながら説明します。

1.前日譚と本編で異なる夏油傑の死に様

0巻にて乙骨憂太から致命傷を負わされた夏油傑。この直後、五条悟によって処刑されました。

そして、呪術廻戦本編、11巻で五条悟が回想した夏油傑の処刑シーン。

0巻で乙骨憂太に奪われたはずの右腕が、本編では残っているのです。

このシーンでは他にも気になる点があります。

夏油が寄りかかる壁に注目すると、0巻に存在していない血痕が、11巻ではベットリと付着しています。

そもそも0巻では無傷の右肩でもたれながら歩いているため、血痕が残る余地はありません。

さらに夏油が死んだ地点に注目すると、背景の建物も変わっていることが分かります。

0巻と本編における夏油の死に様の違いまとめ

1.右腕を欠損している・欠損していない

2.壁に血痕がある・血痕がない

3.背景の建物の違い

少なくとも3箇所も描写の違いがあることから、単なる描き間違いではないでしょう。つまり、呪術廻戦には2パターンの「過去」が存在する可能性があります。

ここからある仮説を導いてみました。

2.仮説 : 0巻と1巻以降は別のパラレルワールドの物語である

0巻と1巻は時間を移動できる能力者によって改変された、違う世界線の物語だと考えました。

呪術廻戦は多くの王道作品に影響を受けながら制作していることが公言されています。

数多くの名作に見られる「パラレルワールド展開」「タイムリープして過去をやり直す」という要素を呪術廻戦も取り込んでいるのではないでしょうか。

ここからはこの仮説を後押しする要素を紹介していきます。

A.アニメオープニングのループ構造

呪術廻戦アニメのオープニングは第1クール、第2クール共に最後のカットが最初のカットにつながるように構成されてます。「時間を何度もやり直す」物語全体の構造を示唆しているのかもしれません。

B.『呪術廻戦』というタイトル

タイトルに使われている「廻戦」という単語は造語です。「廻」の訓読みは「めぐ・る」。Weblioを参照すると「まわって再びもとに返る」という意味があります。

C.0巻と1巻以降のループ構造

主人公の秘匿死刑からスタートする物語。

呪いの女王・王を肉体に宿す主人公。

義務感ではなく、純粋な殺意をモチベーションにして敵と戦う主人公。

現時点での代表的な共通点を並べてみました。0巻の主人公・乙骨と本編の主人公・虎杖は明らかな対比表現があり、0巻全体の物語を本編全体でトレースしながら進行している印象があります。これも「時間をやり直す」全体構造を表しているのかもしれません。

D.「過去形」の語りで進行する物語

呪術廻戦のモノローグは何故か「まだ起きていない出来事」が「過去形」で語られ、その後ストーリーがモノローグを追いかけます。

これは一度その世界線を体験した何者かが、未来から物語を解説している印象を受けます。

E.垣間見えるさらに別のパラレルワールドの存在

真人に順平が殺されず、呪術高専に入学していた世界線。

さきほども取り上げた第1クールのオープニングでも順平が高専メンバーとの花見に参加していて、この世界線の存在が示唆されています。

物語で度々登場している「存在しない記憶」は、もしかしたら別の世界線の記憶を虎杖が見せているのかもしれません。

3.まとめ

この記事では

①0巻と11巻では明らかに夏油傑の死に様が違う

②「0巻と本編は別のパラレルワールドの物語」という仮説が成り立つ

③その仮説を後押しする要素がたくさんある

ということをまとめました。

この仮説について、「あながち

とは言えないかも…」と思ってもらえたら満足です。

今回は割愛した要素もあるので、改めて解説することがあるかもしれません。いつか書いてみたいなーと思っていたマンガの考察記事が書けて楽しかったです。呪術廻戦には他にも沢山の仮説を持っているので気が向いたら書きます。

おわり。

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