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戦争トラウマと虐待

今「戦争トラウマと虐待」について少し文献などを調べています。1作目の拙著「わたし、虐待サバイバー(ブックマン社 2019)」では書けなかったのですが、2作目を出す時には、この内容を少しでも盛り込みたいのです。
その中でNHKが「隠された日本兵のトラウマ」という番組を過去に放送していて以下のオンデマンドでも観れます。

虐待が起きる原因は複合要因なので、戦争との相関関係を出すのは難しいのですが、僅か76年前にあった戦争の影響は現代の虐待、いじめ、DV、犯罪などの対人暴力にも色濃く影響が残っていると思います。世代間で暴力の連鎖が起きていると考えています。また、虐待に限らず、職場のパワハラや過労自殺など、「我慢が美徳」とされる日本人の価値観もおそらく、戦時中の軍国主義の影響が現代まで色濃く残ってしまっていると感じています。

世間に是非とも知ってもらいたい内容のです。

昭和前期の日本の精神病院やそれ以前は精神病院すらなく、精神障害者は自宅で座敷牢のようなところで、一生、幽閉されていました。それほど、精神障害者への偏見が非常に強かったわけです。その偏見は今なお残っています。第一次世界大戦の前後では、精神障害者の自宅での座敷牢のような場所への幽閉した人数が、2倍に増えているというデータも最近、入手しました。

おそらく、当時は、今のような精神障害に対する世界的な診断基準(ICDやDSMなど)がありませんから、周囲から精神的に異常とされた人は、みんな一生、幽閉されていた。第一次世界大戦の前後でその数が2倍に増えたのは、おそらく「戦争トラウマ」による帰還兵がPTSDを発症したためだと私は推測しています。

なぜ戦争と現代の虐待の相関を調べるのか?

虐待問題は、さまざまなファクターが絡み合っていますが、虐待をする親が異常なサイコパスなのだという個人因子という今でも根強い世間の認識を、戦争などの日本の歴史的なものとの関連性を示すことで、個人因子ばかりではないということを啓発していきたいんです。そうすることで、虐待問題は、特別な家庭だけに生じる問題ではなく、「社会全体のみんなの問題」として捉えてもらうことで、親も子も救われる未来に近づけると思い、そうした啓発をこれからもしていきたいと考えています。
続きはまた。

虐待の後遺症の典型的な症例については、以下の書籍にまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生の監修・対談付き。


虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!