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社畜新学#8 アンラーニングのススメ 僕らは皆、経験則が通用しない時代を生きている

ここ最近、似たようなことが続いた。
なんか気になったので、書いていこうと思う。

結論から言えば、
「経験則が通用しないからアンラーニングしようぜ」
、がもう身近になっていると実感した話。


60代の友人がこんなことを言っていた。
彼が働く会社で、60代で働く嘱託社員が対象の説明会があった。
その場で、
「嘱託社員はスキルを身につけてさっさと辞めて若者に場所を譲るように」
と言われたらしい。

その少し前、別の50代の友人がこう話をしていた。

「役職定年の前に、外に出るという選択肢もあるから準備するように」
と言われたらしい。

ニュアンスこそ違えど、どちらのケースも、
「うちの会社にいつまでもしがみつくな。会社に依存しない人間になりなさい。」というニュアンスだ。

別々に会ったお二人だが、お二人とも言葉は違えど、「これまで会社に長く貢献し続けてきたのに、ふざけるな」と怒っていた。

きっと20代〜40代にとっては、「まあ、そうだよね」という話だ。
いや、そうでもないのかな、

「自分と自分の会社だけは大丈夫。」

そう思っている人の方が多いかもしれない、、だとしたら危機感なさすぎるとは思うけど。

正直、お二人に所属している会社が言っていることは当たり前の話だと思う。これからの時代では。
日本を代表する大企業トヨタでさえ、「終身雇用は維持できない。」と言っているのだから。それも5年も前に。



話を聞いた時の私の所感は、冷たいかもしれないが、以下の通りだ。我ながらかなり冷たい。

「いやいや、きちんと言葉で伝えてくれるのは、むしろ会社の優しさでしょ」
「トヨタのニュースの時にあれだけ騒ぎになったのに、なんでご自分の会社やご自身だけは大丈夫だと思ったんですか」

でも、この言葉をお二人にぶつける直前に飲み込んだ。
僕の考えが正しくても正しくなくても、ぶつけた所でお互いにいいことはないから。


お二人に共通して言えることは、会社の中の世界だけをトップランナーとして生き続けているということ。
彼らの名誉のために言うが、決して彼らはポンコツサラリーマンなどではない。
むしろ優秀な方達だ。
会社の仕事一筋で生きてきた。割に合わないおかしな仕事であっても「会社が言うのだから」、と腹を括り徹底してきた。
所属している業界・担当分野では一目置かれている存在だった。

10年前・20年前には花形。

社外の年下の私が見ても、若干過去の栄光を引きずっているな、と思うことはあれど、とても優秀なビジネスマンだ。

優秀だからこそ、少し若い人の話も聞こう・社外の話も聞こう、として私のような価値観が異なる異業種の社外の若造ともコミュニケーションをフラットに取ろうとしてくれる。
たくさん学ばせていただいたし、今も学ばせていただいている。

会社にこれから先の未来に一緒にあることを否定されるようなことを言われて、腹落ちしていない気持ちはわかる。

彼らは会社一筋で尽くしてきて、
「会社のいうことを聞いていれば老後も安泰だから安心して駆け抜けなさい」
、と言われてきたのだ。

彼らの価値観では、

・会社を辞めて転職する奴は裏切り者
・うちの会社で通用しない奴がよそいっても通用するわけがない
・副業なんて会社に対する裏切り・持ってのほか

なのだ。
(ちなみに、私が副業していることは自分の会社ではないから「時代だね」、と消化しているらしい。
「自分の会社で若い奴が副業やっていたらどう思いますか」、と聞いたところ、「うちの会社ではそんなんだめだよ。会社が許可しようとおれは認めない。」とのこと、、)


私は歳の離れた友人として、このお二人が好きだ。
だからこそ、何か前向きに行動を変えられるような話を伝えたい。
そう思って考えてみる。

お二人の状況を整理すると、現状以下の3点だ。

①「自分の居場所であり、当然サラリーマン人生を全うするべき」と考えていた所属企業から、「ここでゴールテープを切れると思わないでください」と言われている。
②60代の嘱託社員の方は、年金をもらえる年齢なので、このままリタイヤも選択肢となる。(老後資金が確保できているかどうかは私にはわからない)
③50代の方は役職定年を迎える前に転職・独立・副業など収入を維持する方法を考える必要がある。

お二人について似たようなことがあるな、と思って書き始めたこのnote記事だけど、違いもある。
同じケースだと思って考えると収集つかない。
別々に考えるべきことと共通して言えることを分けて考えないとダメだな。。

まずは共通して言えること。
「会社がそういうアナウンスをすること自体があなたを否定しているわけではない」ということを理解してもらいたい。
むしろ、前もってそうしたアナウンスをすることは、まだ身動きとれるうちに準備してほしい、というようにも思える。

お二人が若い頃に言われた常識・ルールの前提条件は変わったのだ。
まずはそれを自分事として受け止めてもらいたい。

当然ニュースなどでこの手の話は知っているだろう。だけどどこか「対岸の火事」ではなかったのだろうか。
もうこれからは多くの人がそういうことを言われて不思議ではないのだ。
どの会社に所属しているか、年齢、役職問わず、皆が。

平均寿命が伸びた、年金の支給開始年齢が後ろ倒しされた、定年が延長された、人気企業が入れ替わった、終身雇用を維持できなくなってきた。

もし、私の声が彼らに少しでも届くのであれば、どうやってVUCAの時代に対応すべきか、私の知っていることをお話したい。

私が役職が下がって苦悩した時に寄り添って話を聞いてくれて、親身にアドバイスをくれた彼らだからこそ。烏滸がましいかもしれないが、今度は私の方が手を差し伸べる番だと思っている。

通用しなくなった価値観をアンラーニングするお手伝い、させてください。

昔、僕が憧れていたお二人が、違う形でまた自信を取り戻してくれる日を待っています。



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