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2ndセメスターを終えた留学の振り返り

こんにちは。

ようやく先日課題も提出し、なんだかんだでエジンバラの留学生活も最終ですね。あとは論文だけです。

5月以降は、インターンシップと就活と論文と旅行にいそしみたいと思います。

結構忙しい。

なお、冒頭の写真は結局一番通った図書館の前に広がるMedowという広場の写真です。今の時期は写真のような花が咲き乱れて本当に綺麗だなあと思います。

そういえば、4月末でロックダウンも部分的に解除されてきたので先週はさっそくグラスゴーに足をのばしてきました。

セルティックショップにも!


小学校からの友達の旦那さんがスコットランド人で、彼の実家に遊びに行かせてもらいました。これで、スコットランドの田舎にも遊びに行くという念願も叶いました。

お母さんの料理がおしゃれで美味しすぎたのと、家がおしゃれすぎました。グラスゴーの旅のこともぼちぼち記事にしたいと思います。

ちなみに、その(女性の)友達は、小中高の途中まで同じで今までもロンドンか東京で割とよく会う仲です。

彼女は、高校からドイツで、大学からそのままイギリスにずっと住んでいるので(ちなみに彼女はUKでドクターまで取った凄い人です)、なんだか住む世界が違うという感じですが、彼女が常に世界の扉を身近にしてくれたと勝手に感謝しています。

まあ、東京の片田舎で出会った二人がグラスゴーの郊外のUddingstonで集うとはなんという奇跡なんだろうかと思う次第です。


2ndセメスターまでで感じたこと

さて、表題に戻りますが、2ndセメスターまでで感じたことを簡単にまとめていこうと思います。

①社会学をアカデミックな視点から学ぶことで、より視野が広がった(気がする)。

今まではビジネスサイドにいたので、無意識的に資本主義の世界から物事を見ていましたが、イギリスで社会学をアカデミック的な視点からみることで、ジェンダー問題、格差問題、貧困問題、環境問題など様々なことに目を向けられたと思います。そうした社会課題を解決する仕事に就きたいと改めて思いました。

また、認識論、存在論に関するパラダイム、や大陸論、経験論(特にエジンバラは哲学がさかん)などとった知とは何ですかという哲学や、正義とは何かという政治哲学も少し学べたことはよかったです。

②イギリスの教育文化に触れられたこと(ただし、社会科学の教育に限る)。

他の分野はわかりませんが、少なくとも僕がいる社会学系イギリスの教育はとにかく”批判的なディスカッション”を重視します。

これは、一つの答えを正しいとするのではなく、自分の主張に対して、違う意見もあるよねと認めたうえで、どうやって自分の意見を正当化させていくかと理解しています。

うまく伝わらないかもしれないのですが、日本の場合は、すでに一つの答えがありきで、”一応”反対意見と比較して、自分の意見を正当化するような感じがします。つまり最初から、一つの意見に社会的な合意があって、意見A>Bがすでに前提としてあるようなイメージです。

一方で、イギリスでは、自分の意見は決して社会の答えではないので、意見、A,B,C,D...みたいな感じで、そこから自分の意見はAです。ただ、意見B,Cもあります。だけど、比較してみるとやはりAですみたいな感じで話を進めていく気がします。

つまり、最初からAが正しいみたいな前提がないのですね。B,Cといった意見も、その人のコンテキストによっては正しいよねという立場です。だからこそ、少数派の意見もきちんと聞いて、なるほどそっちのほうが正しそうとなれば、そちらが優先されるのですね。だからLGBT、ジェンダーの問題などに関して取り組みが速いのかもと思った次第です。

もちろんこうした考えの背景にはイギリスの多様な人種や文化という歴史があるのでしょう。

日本社会やビジネスサイド、会計業界にいるとどうしても、Should beの考えかたにとらわれがちなので、こうした考えも重要ということは新しい発見でした。

とはいえ、日本が遅れていて、イギリス式の方がいいというつもりはないです。こういう文化なんですよという理解ができたことがよかったです。

ただ、個人的には少数意見を重視することは、見習うべきだと思いました。なぜなら、多数派の意見は時代の流れで形成されているのであって、それが正しいとは限らないからです。こうした考えたを学べたこと意味があると思いました。

③イギリス式のCriticalシンキングとLogicalシンキングの違いが自分なりによく理解できた。

先に述べた通り、イギリスでのCriticalシンキングとは
①自分の意見を持つ
②それを批判(違った見方もできるよね)する意見を受け入れる(受け入れることが重要)
③②を踏まえつつ、自分の意見を正当化することですよね。
※なお、この正当化(Justify)をいかに英語の文章で表現するかは、なかなか難しいです。これはまだ勉強中です。笑

一方で、Logicalシンキングとは、物事を構造化して整理することだと思いました。データ、ファクト、ロジックで考えて、構造化してきちんと説明するイメージです。ビジネスサイドでは、こちらの考え方を鍛えられました。特に会計士は、よく「整理するとこうですよね」みたいなことを言いがちです。笑

つまるところ両方大事なのですが、Logicalシンキングは、イギリスのアカデミックではあまり評価されない印象です。

いかにいいイシューを見つけて、きれいに説明するかよりも、普通の問題を、バランスが悪くても批判的な議論を展開して、深い考察をするほうが好まれる傾向にあるのかなと思いました。

これに気付いたのは1か月くらい前でしたが。

ただ、正直にいうと、エッセイのフィードバックを見ても、批判的について、何が評価されて何が評価されないのかいまいちわからないんですよね、実は。論文を見ても、どこが深い考察なのかわからないという。

この点は、イギリスなのか、アカデミックだからなのか謎なところです。上述した友達に相談しようと思います笑。

さて、周りのみんながこうした考えをできているかというと、みんな若い学生なので、素直にクリティカルシンキングは身についている感じでしたが、ロジカルシンキングはあまりできていない印象でした。

特に議論の時に、話のレベル感がかみ合っていないなあと思うこともしばしばありました。(例えば、ある人は肉と果物の話をしているけど、他の人はりんごとなしの話をしているなど)

それでも先生は特に修正せず、議論をしていくので、これがイギリス式なのかと思いました。

まあ、僕も学生の時はこんなこと考えていなかったので、当たり前といえば当たり前ですが。

個人的には、よく日本人の社会人留学生が、MBAで班の意見をまとめるのとか得意というのは、社会人としてクリティカルシンキングができていて、整理をするのが普通だからだと思いました。

④どこから、何が違うのかを大切にする。

今まで書いたことと少し関連しますが、お互いの意見がかみ合わないときに、どのポイントでかみ合っていないかをきちんと整理することが大事だと思いました。

一番最初のスタート地点の、認識論(そもそも世界は一つなのか、それとも個人個人でそれぞれなのか)でずれていたら、それは議論はかみ合わないですよね。そのずれを見つけるのも結構面白かったです。

中国人(彼はメインランダー)の友達とウイグルや香港の話をしていたときには、そもそも彼らの若い世代は、中国政府が正しいと思っていて、理由を尋ねたら、全体的な利益のためには、多少の人権は犠牲になるという旨の回答でした。

つまり、ここでは国家の維持>人権なんですね。

一方でヨーロッパは、近代の民主主義を支える土台として、人権が何よりも重要という合意が無意識にありますよね。

究極的には、個人の自由とコミュニティのいずれが優先されるのかという話かもしれません。

この辺りは、正義論の話で出てくると思います。

なので、欧米と中国の議論は、かみ合わないのは当然ですよね。

僕は、中国側の視点でも物事を考えるということも大切だと思いました。

彼らの視点では、自分たちの行為は正当化されているので、欧米の弾圧が不当に見えることも理解できます。

個人的には、報道の自由を認めている欧米の方が、情報ソースに信頼が置けるという意味で、ウイグルに関しては中国側の姿勢に疑問を持ちます。(問題ないのであれば、自由に報道させればいいのではないでしょうか)。

それでも欧米の報道機関にもかなりバイアスはかかっていると思いますが。(イラク戦争の時しかり)

表現の自由報道の自由の観点から僕はこの問題の是非を考えるのが、公平なのではないかと思う次第です。

⑤正当化のクライテリア(基準)を何か確認する

これは、すでに述べたことと少し重複するのですが、議論をするときは、その人が、どうやって正当化しているかの基準を確認することが重要だと思いました。

それぞれのクライテリアから、きちんと正当化しているのであればその意見は認める必要があります。

しかし、その正当化の基準が、自分にとって合意できるのものなのか否かということをきちんと考えながら議論をしていくことが重要だと思います。

先の例で言うのであれば、人権なのか、国家のなのかという基準ですね。

どの視点やコンテキストから正当化しているのかを注意深く見るということは本当に大切なことだと思います。

⑥感情は置いて議論しよう

これは当たり前なんですが、とても大事なので書いておきます。感情はださないことがUK流ですね。


あまりまとまってませんが、とりあえず今思ってることをまとめました。

また!




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