見出し画像

長女の「悲しくても大丈夫だよ」の話 byとけいまわり

保育園の帰り道、もうすぐ学年も変わる時期。あちこちでお母さん同士が「やだ、久しぶり〜!」とか、「これ、この前のお土産!」とかワイワイして笑っている。それを、私は「さよなら〜」とか「お疲れ様〜」とか1言声をかけてはくぐり抜ける。

今日は何だかそれがふと寂しくなって、末っ子に「お母さん、とうとうお友達できなかったなあ〜」と笑って言った。

末っ子が「わかるわかる〜!ママ、変わってるもん。周りのお母さんと全然違うもん〜!」と屈託なく返してきたので、「そっか…お母さん、変わってるからね…」の後、言葉が出なくなってしまった。

家に帰り、長女に「とうとうお友達ができなくてね」と話すと、長女は大きくうなずいて「それは辛かったね、わかる」と言った。

「私も、『長女ちゃんってさ…』ってヒソヒソされて、ひとりぼっちだった事あるからわかる。辛いよね。人って、色んな才能があるじゃない?得意なこと、できるとこと、苦手なこと、色々。でも、友達を作るのが苦手って中々しんどいよね。他のが色々できても、ふと、気持ちをカバーしきれない時があるよね。」

「そうだねえ…お母さん、うまくいかないんだよね…いつも浮いてしまって…浮いてるなあ…って自分でもわかってるから、そこから誰かに話しかけるのどうも『相手に悪いな…』って思ってしまってて。今日、思い切って話しかけたんだけど、やっぱりうまくいかなくて。」

「辛いね、それは辛いよ。私がそういうときはね、『何も言葉にして考えない』って方法を取ったよ。胸がうっ…ってなって辛いじゃない。そしたら、『胸がしんどいな…』って胸を黙ってさするの。その時、『どうしてだろう…』とか、『どうしたらいいんだろう…』とか、何も言葉にしないようにして、さするの。この辛いのを何とかしようとか思わないで、ただたださするの。そうすると、後は時間が解決するから。」

「辛い胸をそのままをさすってあげて、自分が何が悪いのかなとか、これからの事とか、昔の事とかを文字にして考えない様にするのね。」

「そうそう、『考えないようにしよう』より、『文字にしないようにしよう』の方がやりやすいよ。」

「なるほどなるほど」

「あとはね、お母さん、趣味とか好きなことが色々あるじゃない。だからその内にまた楽しくなると思うよ。お友達ができないのはとても辛い気持ちになるけど、そこをうまく逃してあげて、自分の楽しい事をしておくの。自分の楽しい事が、いつか誰かとつなげてくれるよ。きっと、お母さんとお友達になりたいな…って思っている人がどこかにいて、その人とつながれるよ。それを楽しみに待ってたらいいと思うよ。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?