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「何が『ぐらい』で何が『ぐらいでない』なんて、誰にも決められない」という話 byとけいまわり

信じられないかもしれませんが、世の中には月末の親子綱引き大会があるな・・・と考えるだけで開催日の一ヶ月前から胃がシクシク痛くなる人もいるのです。痛い痛い・・・

私は、大勢の人が集まっていて、その中にそこそこ顔見知りの人が何人かいるという状況がとてもしんどくて、学校のイベントとかまさにそれなんですよね。駅でばったり会うとか、知らない人だらけの会場とかなら大丈夫なんですが・・・

そして、とうとう次女に「実はお母さん親子綱引き大会がちょっとプレッシャーで・・・」と打ち明けたんです。

次女「え?じゃあ休めば?お母さんいてもいなくてもどっちでも大丈夫だし、親なんて半分もこないよ。」

私「うん・・・でも、今まで行事にあんまり参加できていないなあ・・・って・・・前に参加したとき、『あれ?参加されてるのすごい珍しいですね』って言われたのが凄い心にひっかかってて」

次女「え?それ『すごい珍しいですね、会えてうれしいです』って意味じゃ無いの?」

私「え?そうじゃないと思うなあ・・・『いつも参加してないのに今回はどうしたの』って意味じゃ無いかなあ・・・」

次女「ええー?むしろ、いつも参加できないぐらい忙しいんですね、すごいですね、普段色々頑張ってるんですねって意味じゃないの?」

次女「というか、今日は寒いですねえとか、昨日のモニタリング見ました?ぐらいの意味だと思うよ」

私「うんうん、それはそうかも」

長女「いやー、私はわかるなあー。私も、自分で『これはちゃんとできていないといけない・・・!』ってジャンルがあって、それが百人一首の暗唱なのね。毎日テストがあって、『絶対に間違えられない・・・』って思っちゃって、それを思い出すと心がザワザワってしてお腹がシクシクする。一度『これができていないのは駄目なんだ』って思い込んじゃったら、ふとしたときに思い出して辛くなるよね」

私「わかる・・・ふと『あ・・・綱引き・・・』って思い出すと、ザワってなるね・・・『それぐらいのこと我慢しないとね、子どものためですから』って誰かのお母さんが言ってて、それが凄い心に刺さってる」

次女「いや・・・我慢いらない・・・正直、何かを我慢しているお母さんより、リラックスして笑ってるお母さんの方が100倍嬉しい」

長女「うんうん、『それぐらいのこと』って人によって違うしね。その人にとっては、綱引きはそれぐらいのことなんだけど、お母さんにとってはお腹がキリキリしちゃうぐらいのことだから。これは私のお腹がキリキリするぐらいのことだから、まあ休んじゃおうかって自分で決めていいと思う」

私「確かに確かに・・・人によって大変と感じる度合いが違うもんね・・・『綱引きぐらいでお腹が痛くなるですか?大人ですよね?たかが数分の事を我慢できないんですか?』って頭の中で誰かが言ってくるんだよね」

次女「うん、たぶん、本当は誰も言ってないと思うよ。」

長女「うんうん、『綱引きぐらいで・・・』って自分で思うことが、お腹を痛くしてるんだと思うよ。」

私「『ぐらいで』よくないね」

長女「そうそう、『ぐらいで』よくない。何が『ぐらいで』なのかなんて、誰にも決められないと思う。自分で思い込む以外は」



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