見出し画像

#26 不妊治療に思うこと。保険適用最後、6回目の移植

不妊治療も2年以上経ち、2024年の初めの冬。
体外受精6回目の移植周期が始まった。保険適用も最後となった。私たちは今までの結果(妊娠→出産)に至らなかった事実と、先生からのアドバイスをもとに、多少のリスクをとっても2個移植をしようと決めた。自分の中でも体外受精を始めた時に決めていた。夫にも前から相談していた。先生も勧めてくれた。全員一致。私の場合、先生から見ても、二つの胚とも育つか一つだけになるか、どちらも育たないか、それはやってみないとわからないようだった。


初めて2個移植することになった。

今までの体外受精は
1回目 陰性
2回目 陰性
3回目 陽性、hcgが低く着床したが化学流産
4回目 陽性 、心拍確認後6w稽留流産
5回目 陰性

妊娠確率の高いだろう胚盤胞から移植しているとはいえ、結果がバラバラ過ぎて、うちの子は気まぐれなのかなーと思い始めていた。

受精卵は夫婦から作られるものだけれど、私たちでは操作しようがないもの。生まれてきてくれるか、そうでないかは決められない。別の人間なんだと思い始めた。
ゆっくりでも健康に成長してくれたらそれでいいよと。

・・・

よく、不妊治療すると本当は生まれてこない子も生まれてくると言う人がいるけれど。不妊治療したら絶対に妊娠、出産できると思っているのかな。絶対はない。私も昔は治療して医療の力を借りて受精できたら妊娠できるものだと思っていたけど、全然違った。無知だった。

これは私個人の考えなのだが、
医療は受精や胚盤胞までの成長のサポートはしてくれる。だけど、そもそも受精できない卵子と精子は受精しない。受精卵になっても遺伝子の異常があれば、移植できる胚になる前に成長を止めてしまう。もし胚盤胞になれたとしても移植後のどこかで成長が止まり、着床さえしなかったり、途中で流産してしまう。とても悲しいことだ。でも仕方のないこと。

胚盤胞の見た目では遺伝子の異常はわからない。遺伝子の操作は不妊治療ではできない。だから不妊治療をしていたって自然淘汰されている。
体外受精の図を見ると、卵子と精子を受精させて、子宮に戻して妊娠。みたいに書かれているけど、実際はそのすべての過程で脱落が起きている。
治療をやったことがない人があれこれ言っていると、うーん…といつも思う。

・・・

移植までの期間に夫婦で今後の話をした。勇気を出して気持ちを話した。
2人のことなのに、私しか治療している気がしない。
薬のこともスケジュールもわかってない。私任せだ。子どもは2人のこと。自分も治療していると思って薬のスケジュールを把握してほしい。
あなたは諦めたくないんだよね?(私はもういつでも治療をやめていいと思ってる。言わないけど)自分が望んでいることを相手に任せて治療するなんてずるいと思う。私の身体と心の犠牲はどこへいった?私は心の中で思っていた。

話し合いをして、夫にも毎日薬のスケジュールを確認して声掛けをしてもらうようになった。6回目の移植、治療して2年もたっていた。私は夫に何を恐れていたのだろうか。私はいつでもやめていいと思っていたのに。もっと早く言うべきだった。もっと前から2人で治療していたかったな。

・・・

夫と子授け神社へいった。
受精卵の時点で生まれてくるかどうかは決まっている。
だから凍結されている時点ですでに運命は決まっているけど、もう神頼みくらいしかない。
願い事や石を触ったりして祈った。

・・・


移植日当日。
今回も胚盤胞にアシストハッチングをしたけれど、2つの胚ともグレードは3のままだった。1回目と2回目の時と同じグレード。

成長がゆっくりみたいだ。
でも、問題ない。
気まぐれな子たちだから。
きっとここから成長してくれることだろう。

私は、人生でいろいろな経験を積みたいと思っている。
でも、もう不妊治療の経験は十分です。健康に妊娠~出産する経験を積みたいですと祈った。

移植後、夫婦でマックを食べた。
初めてジンクスとやらをやってみることにした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?