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【詩】安堵

指先に触れたら消えゆく感情
思った瞬間に弾けて


数えきれない思い出が
夢の中で再演される


終わりを知り呆然とする
スマホを握る右手


半透明の体が静かに去る姿


数えきれない日々の中で
思い出されるものは
僅かなもの


思い出さない様に
箱に閉じ込められたもの
いつでも思い出されるよう
絵本のページみたいに
開かれたもの


雨の時は無いことまで心配して
何もないと手をぎゅっとして
自分に言い聞かせる

それはわたしもあるよと
帰り道の友達が微笑む


そんなものだ


今日のことは今日
明日のことは明日考えればいい


買い物帰り
袋に入れた野菜が朽ちていくのを
考えるより
美味しく調理され箸をとり
口に入れる様


想像するのは
美味しい方がいい


手が離れる心配より
握られる安心を


争いより
平和を


悲しい夢より
優しい夢を






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