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BEAST IN BLACKというメタルバンドがマジで昔のアニソンっぽくて癖になる話

Spotifyで音楽漁りをしていたらとんでもなくダサい現代音楽が飛び込んできて延髄斬りを喰らったような気分になりました。

BEAST IN BLACKというフィンランドのメタルバンドです。2015年に結成して現役活動中とのこと。確かにサウンドプロダクションは現代のそれだけどトラック自体はえらく懐古的というか、一言で言うとめちゃくちゃ昔のアニソンっぽい。てかアニソンじゃねえかこれ。このメロディ絶対聴いたことあるぞ昔ブラウン管テレビで。

俺は38歳のおじさんなので、80年代のアニソンは音の原風景といったところがあります。同年代の男子たちの間では北斗の拳やドラゴンボール、聖闘士星矢が流行っていたし「愛をとりもどせ!」や「ペガサス幻想」が否が応でも耳に入ってきました。それと同じ匂いがするんですよBEAST IN BLACK。

メンバーの過去のキャリアとかはまあ多少あるらしい。メインコンポーザーの人はベルセルクの信者らしくて、冒頭で貼ったCry Out For A Heroは北斗の拳をモチーフにしてるらしい。まあそういう蘊蓄はほかで調べれば出てくると思うんでほかで調べて下さい。俺はそういうことが言いたいんじゃない。そもそもメタルコミュニティと日本のアニメ漫画カルチャーはもはや世界規模で切っても切れない関係にあるわけで、今さらあの外タレは日本の何が好きとかそういう話はクソどうでもいいんですよ。

あれはガキの頃、従兄弟の家に遊びに行った時のこと。当時はファミコンブームで、小さい子供のいる家には大体ファミコンがあったんですけど、うちの実家には教育の方針上ファミコンがなかったんです。だから従兄弟の家で俺は狂ったようにマリオをやっていました。そしたら途中で止められた。「今から聖闘士星矢始まるからファミコンやめて!」とのこと。うちはアニメはドラえもんしか見させてもらえなかったから聖闘士星矢はよくわからなかったけどエンディングの「永遠ブルー」がめちゃくちゃ耳に残った。

BEAST IN BLACKの曲はこういう匂いがするんですよ。YouTubeで他の曲も聴いてみればわかると思うけど、大体80年代のアニソンっぽい。てかさ、よくこんな醤油臭いメロディー作れたもんだよね。いくら日本の漫画やアニメが好きといってもこんな醤油臭いメロディーラインはなかなか作れるもんじゃないでしょ。日本人でも難しいんじゃないかな。

というのも、おじさんは最近のJ-POPの“平成産メロディー”にあんまり馴染めなくて困っています。なんかこう、そこそこ若いコンポーザーがあえて昭和的で懐古的なものを狙って作ったんだろうなあという感じの音ときどきあるじゃないですか。そういうのを聴くと、まあ寄せてるのはわかるんだけど、なんか味が違うというか、カビ臭さが足りないというか、微妙な気分になるんですよね。まあ、いい年した中年が最近の若者のやることに「な~んか違うんだよねえ」とかふんわりと否定のポーズ出してたらすげえ感じ悪いじゃないですか。だから大体黙ってるんですけど、このBEAST IN BLACKのメロディーラインはそんな気難しい古臭いおじさんの耳に恐ろしいほどしっくり来る。外人の家に招待されて夕飯を御馳走になったら母さんの味噌汁とまったく同じ味のスープが出てきた気分です。

ミドルテンポの曲もヤバいです。ものすごい25年~30年前くらいにどっかで聴いた感じがする。よくメタラーの人が大げさなストリングスの入ったピロピロしたギターの曲を聴いて脊髄反射でクサいとかダサいとか言ってますけど、BEAST IN BLACKはメタルの領域を越えて一般層にまで突き刺さるヤバさがありますね。ここまでダサくて脳に来る音楽を久しぶりに聴いた。感動したよ俺は。1曲再生するごとに偏差値が1ずつ下がる。俺は偏差値47の私大文系卒なのでもうとっくにマイナス域ですね。BEAST IN BLACKお勧めです。

Twitter:https://twitter.com/haru_yuki_i