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#ほろ酔い文学

お酒をテーマにした小説やマンガなどの、創作作品を投稿してください!

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♡今日のひと言♡ルイ・パストゥール

ルイ・パストゥール(1822-1895 フランス・生化学者)。 牛乳、ワイン、ビール等の腐敗を防ぐ低温での低温殺菌法(パスチャレイゼーション)を開発。またワクチンの予防接種という方法を開発し、狂犬病ワクチン、ニワトリコレラワクチンを発明した。

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俳家の酒 其の七「三文字」

 ところで、かつて日本一の酒どころであった伊丹の地は、伊丹風俳諧が起こったことでも知られている。池田宗旦が開いた也雲軒が核となり、裕福な酒造家を中心に文芸が盛んになった。  そのような中から、「東の芭蕉、西の鬼貫」とも讃えられた上島鬼貫が生まれている。鬼貫の生家は油谷の屋号で知られ、今はなき「三文字」を醸す大きな酒造だったという。  夏の日のうかんで水の底にさへ  これは鬼貫の句。それをなぞれば、連綿と現代に繋がる精神に触れられよう。心の内が鮮やかに浮きあがってくる。 「

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あちらのお客さまからです

バーで飲んでいると、 注文していないカクテルを バーテンダーが差し出す。 「え、私、注文していな…」 顔を上げて言おうとすると 「あちらのお客さまからです」 とバーテンダーが訳知り顔で微笑む。 あちら、と言われた方向を見ると、 いかにもモテそうな若い男性が片手を挙げて、 人当りのよさそうな笑顔で合図をしている。 私もカクテルグラスを持ち上げ、 お礼を込めた乾杯を気取る。 …なんてドラマみたいなこと、 実際の生活で起こるのかね? と思っていた20代前半。 でも起こったんだよね

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俳家の酒 其の六「白雪」

 鰯雲ひとに告ぐべきことならず 楸邨  俳句の歴史は、試行錯誤の連続だ。子規の唱えた写生がむしろ足枷となり、哲学が欠落した言葉の羅列が横行。文学者・桑原武夫氏に第二芸術と揶揄されて、反論に窮した終戦直後の記憶もある。  そんな中でも生きながらえたのは、句会を中心とする座の文芸としての性格を有しているからだろう。言わば、文学というよりもゲームのような面白みが、多くの人を引き付ける。だが、それもまた芸術から乖離する要因だ。  川柳は、既に芸術性を捨て去っている。それ故に自由だ。

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俳家の酒 其の五「男山」

「大将、よく知っているね。」 「なに、うけうりだよ。」  あいつの言っていることだから信憑性は保証しないと前置きし、「俳句」の名称自体は既に松尾芭蕉の時代に存在していたことを教えてくれた。それは、川柳につながる前句附にも適用。滑稽を表す「俳」の意味を考えた場合、 「川柳こそが正当俳句と呼ぶにふさわしいのかもしれない」 と笑いつつ・・・。  川柳は、江戸時代中期に活躍した柄井川柳の個人名を冠するジャンルだ。俳句と同じく俳諧の流れを汲むが、俳句が発句から進化したのに対し、川柳は

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俳家の酒 其の四「獺祭」

 帰宅後、酔いの醒めぬままパソコンを開いた。俳句と俳諧の違いを知りたかったが、酔いもあってかよく分からない。  そもそも明治になるまでは「俳諧」が幅を利かせていた。俳諧というものは、その名の通りおもしろみを追求するもので、十世紀ころに名を得た誹諧歌に語源がある。本来は、「俳諧の連歌」の中で発展してきたもので、句を幾つも詠み連ねたものを指すものであった。最初の句である「発句」は俳諧の要であり、俳人たちはそこに力を注ぎ、多くの名句を生み出している。  しかし、異なる文化の流入が、

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至高の酒【ショートショート】

 若い男が、グラスに注がれた眩いばかりに輝く琥珀色のウィスキーを口に含むと、満足げに唸った。 「素晴らしい! 実に深みのある味わいですよ。爽やかでありながら、なめらかさもあって、品のある香りが華やかさを醸しだしている」  ひと口ずつ含ませて味わいを確認しながら言葉にしている。やや腰のまがった熟練の主は「そうですか」と、控えめに応えた。  テーブルには蒸留所で造られたいくつものウィスキーと、飲み干されたグラスが並んでいる。そこに新たな飲み終わりのグラスが加わり、男は別の銘

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俳家の酒 其の一「龍」

 店の隅っこに腰を下ろした客が、「龍」を注文した。この酒は、九頭竜川の伏流水を使用し、透明な味わいの良酒となる。醸造元である黒龍酒造は、昭和50年、大吟醸を流通させる初めての酒蔵となったものの、国民は、その味わいよりも当時の常識では考えられないべらぼうな価格設定に驚嘆。  しかしその酒、「龍」は生き残った。追従するものとともに日本酒の魅力を刷新し、高値の花と揶揄された時代を乗り越えたのだ。  「龍」は、永平寺も汲む水が昇華したもの。不酤酒戒で知られる名刹が飲酒を勧めるはずもな

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俳家の酒 其の三「餘波」

 この穢土に生きるということは、苦しみを味わうこと。苦しみは天罰などではなく、喜怒哀楽の種である。同じ景色を見てさえも、感情一つでその色は万化する。出来得るものなら、常に喜びの花を咲かせたいものだが。  芭蕉は苦行者である。社会の底辺に身を委ね、宇宙を言葉に置き換えてきた。それは、苦しみを「句」にすることで、神の姿なる「美」を、人のものなる「喜怒哀楽」で照らし出す試み。つまり、世の不明を言葉で補い、神を見つめようとすることなのだ。  もっとも、それでさえも宇宙は測れぬ。個人の

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俳家の酒 其の八「白鷹」

 だが待てよ。これでは答えになってはいない。神々の歌には言霊に寄せるものがあるが、果たして現代俳句において、それを意識することがあるのだろうか?  考えるほどに、あの人の残していった課題には「No」と答えざるを得ない。太古の歌を祈りとするなら、現代俳句はこころの叫び、あるいは呟きとでもいうようなもの。心を突き詰めることなど、神には必要とするはずもなかろう。だから、 「己を見つめる精神は、神代から受け継がれてきたものなのか?」 という問いに「Yes」とは言えない。  ところで

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1人飲みでの出会いの場

こんにちは、Tomoです😊 今回は、私の生活を豊かにしてくれた出会いの場についてnoteにしました🌷 読んで頂けたら幸いです♪ 近所にできた新しいお店私が上京して数ヶ月が経った頃、歩いて数分の場所に飲食店ができた。 帰り際、どんなお店なんだろうと気になりインスタで調べてみると定食屋さんのような美味しそうなメニューがずらり! 絶対今度行くと決めた。 しかし、その頃の私は自炊をするのが楽しくてそれから数ヶ月は行かなかった。 1人でお店に行った日ある日、仕事で疲れ果て

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俳家の酒 其の二「世捨酒」

 酒造の神とされるオオヤマツミの娘に、絶世の美女コノハナサクヤビメと、醜女イワナガヒメがいる。コノハナサクヤビメが皇孫ニニギから求婚された時、オオヤマツミは、コノハナサクヤビメとともにイワナガヒメをも差し出した。  しかし、ニニギはイワナガヒメを父神のもとへと送り返す。このことに立腹したオオヤマツミが、 「皇孫の命は、木の花のようなものとなるだろう」 と呪いをかけた。この件は、皇孫に不死が与えられなかった理由を説く。  イワナガヒメには、「石のように堅く動かぬ命」が約束され

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薫風で 袖口ひんやり ほろ酔い帰り

昨日、天気予報は最高気温が25度越えの真夏日だったので、半袖Tシャツで過ごしました。 午前10時に出かけましたが、予報通り暑く、 半袖から出た腕は日が当たりヒリヒリ… 午後に帰宅した時も部屋は暑く、とうとう今年初、エアコンの冷房ボタンを押下。 しっかり部屋で涼みました。 そして夕暮れどき。 馴染みの居酒屋に行きました。 今日はもう断然生ビール! と意気込んで店の暖簾をくぐりました。 が…黒板に書いてある今日の日本酒のメニューにある「澤乃井」をみた瞬間。 ビール決意をあっ

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エッセイ「かく語りき、一片のパン〜 MIHO MESEUMを訪ねて」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 先日、GW休みと言うこともあり、旧来の仕事仲間と久しぶりに飲みに行きました。 そんな折、お互いに齢50歳を越えると健康についての話題も少なくはないです。 今回のエッセイは、食べ物について語ります。 ・ ・ ・ ・ 「ソフトオリーブパン」 滋賀県の信楽は山奥に佇む美術館 "MIHO MESEUM" ここのレセプション棟でこのパンとの出会いがありました。 その白いパンはふうわりと柔らかくて 千切ったパンをそっと口に運ん

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短編小説「真贋」④

第四章 埼玉県警の海野は、過日の記者会見を無事くぐり抜けたこともあり、また犯人検挙率の高さから、縁遠かった本部に異動になり、階級も警視になっていた。 昇任試験を受けた契機になったのは、あの記者会見だった。事件の当事者でもない記者達からの質問に返答しているうちに、現場の捜査に集中するには階級を上げるしかないと考えた。 警察組織は縦社会であり、自分のやりたいことをやるには偉くなるしかない。 あの記者会見から十数年経過しているが、海野の眼光の鋭さと鍛え抜かれた肉体は健在であ

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散りゆく桜とお月さま

散りゆくを そっと 眺むる お月さま この世の あわれに ゆるしを たまふ photo & words by なおみ *朗読バージョンはこちらです🌸

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たまらなく不安なんだ。

「頑張れよ」って意味の大好きな作品の名言が怠惰な僕を突き上げる。 ”痛いよ。” ”その名言。” ”なんだよ。好きなのに僕を不安にさせるのか。” ”まあいいよ。” ”逃げた先で刺されるとは思わなかったけど、” ”まあいいよ。” どうでもよくなって 横になった。 時計の針とともに 心に空気が入った。 膨れ上がって出来た空白を埋めるように 甘いものを頬張った。 ”痛いなあ” ”こんなことしてる場合じゃないのに” 心に空気を吹き込む力が 頬張る手を加速させているのを感じ

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YouTubeはじめました😊

おくればせながらYouTubeの配信(1分間のショート動画)をゆる~くはじめました😊 『ゆるふわ短歌朗読ちゃんねる』というチャンネルです。 記念すべき第一回目の配信は『夏のはじめ』という短歌を朗読しました🌳 とはいっても顔出ししているわけではなく、今のところ詩歌を主体とした画像と朗読音声のみの構成です。 これまでstand.fmで配信していたゆるふわ1分間朗読をYouTube上で行ってみようという試みです✨ まさに試行錯誤しながらの配信となりますが日々少しずつより良

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夕暮れに咲く

薫風に 金色ひかる 夕暮れの かたわらに 咲く 一輪の花 photo & words by なおみ *朗読バージョンはこちらです✨

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楽しいって最強

楽しいって最強だよねって彼に話したら『私たちは最強です』って言ってくれて。だよね、楽しい時間を過ごせる私たちは最強だよねって。 いつも彼が野球のチケットを取ってくれるんですね。 チケット代を渡す時はポチ袋にいれて渡すんです。その時にポチ袋の封を開けたところにメッセージを書いているんですけど、それに気がついているのか分からなくて そのことについて聞いてみたら『気がついてますよ!なんならそれを楽しみにしてます』と言ってくれて。 今までお付き合いしていた人からお手紙とかメッセ

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