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市内電車まどをななめに西日さす

ふるさとよわかればかりの夕涼み

いちぞくよかたまって咲く鉄線花

色えんぴつまずは黄を手に大夕焼

かきつばたかげも花咲く水のうえ

踏んで行くじぶんのかげよ登山杖

葉ざくらよかげとひざしの珈琲店

生きなおすことなんどでも夏の星

消灯よ大地とねむるキャンプの夜

一灯として浜あるくキャンプの夜

アイスティー氷の灯りかきまぜて

一つ鳴く山そのもののかっこうが

ろうじんという少年のむぎぶえよ

まっくらなじぶんがひとり大夕焼

かたつむりうずまく殻の孤独さよ

ひこうき雲夏の行方を見るような

いまの世におもいでの世に蛍とぶ

大夕焼せかいのすがたそのものよ

目つむって新茶にこころ静まるか

海はしる船にもつばさみなみかぜ