見出し画像

【アメリカJCC(G2)回顧~その先へ】血統篇

【アメリカJCCの結果】
レースは、好位追走からゴール前の接戦を制したチャックネイト(3人気)が、その外のボッケリーニ(2人気)にハナ差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にクロミナンス(5人気舎)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「4歳」が[2-4-3-16]複勝率36%をマーク、次に「前走G1」が6勝(海外成績を含む)。今年該当の前走G1秋華賞から牝4モリアーナ(4着)、前走G1ジャパンCから牡4ショウナンバシット(9着)は共に敗退。古馬で宝塚記念から参戦の牡8カラテ(10着)も敗退。最後に「距離短縮馬」が過去10年で6勝。なかでも3つの好走ポイント全てに該当したのが、4歳馬ショウナンバシットだったが9着敗退。

血統面で、例年になく馬場の影響(不良)を受けやすく欧州血脈の持続力が活きやすくなった。「父欧州型」に注目すると、出走馬12頭中9頭内2頭(2着ボッケリーニ、3着クロミナンス)が馬券に絡んだ。さらに、「母父欧州型」に注目すると、出走馬12頭中3頭内1頭(1着チャックネイト)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、当日の中山芝は不良馬場でスタート。雨は降り続いている。良馬場よりも4~5秒ほど時計がかかる状態で、ここから回復することは考えづらく、AJCCも道悪(不良)での競馬。

【血 統 傾 向】
ロベルト系の血を持つ馬
父、母父欧州型
ステイゴールドの血を引く馬
*第2世代であるドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ゴールドシップ産駒をチェック!!

近5年1着〜3着の父、母父の系統

2024年
1着チャックネイト
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ボッケリーニ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着クロミナンス
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2023年
1着ノースブリッジ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着エヒト
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ユーバーレーベン
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
2022年
1着キングオブコージ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着マイネルファンロン
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着ボッケリーニ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着アリストテレス
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着ヴェルトライゼンデ
父ドリームジャーニー(サンデー系/日)×母父ハンプトン系/欧
3着ラストドラフト
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着ブラストワンピース
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着ステイフーリッシュ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
3着ラストドラフト
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父サンデー系/日

【アメリカJCC 血統背景】

チャックネイト(セ6、美浦・堀宜行)は、父ハーツクライ×母ゴジップガール(母父Dynaformer)。サトノディードやジェネラルゴジップの3/4弟で、母ゴジップガールはアメリカンオークス招待S(米G1・芝10F)勝ち馬。ブロッコやロータスランド(2022年高松宮記念2着)なども同じ一族。母父ダイナフォーマーはブライアンズタイムと7/8同血のロベルト系で種牡馬として成功、アンドラステやグランシルクの母父でもある。戦績をみてもいかにも東京の長いところ向きのハーツクライ産駒だが、母父がロベルト系だし、中山でも2200ならジワジワ差してこれるか。持続戦を希望。

前走G2アルゼンチン共和国杯は、中団から差して3着同着となり、OP初戦で地力強化を示した。休み明け[4-0-2-0]、(芝)2200㍍[2-1-2-0]、(芝)中山[0-1-2-0]と馬券圏外がなく、2ヶ月半ぶりで臨む当レース(中山芝2200㍍)の条件にピッタリだけに、重賞初制覇のチャンス十分!? 本馬は重賞初挑戦だった前走・アルゼンチン共和国杯で勝ち馬から0秒2差の3着(同着)に好走しており、ここも好勝負に期待したい!?

同馬は、3角からの持続力勝負となり、直線において先頭に立ったボッケリーニの内から渋太く伸びハナ差先着、重賞初制覇を飾った。スタミナも相当なものがあり、天皇賞春を目指して次走以降も注目!?

ボッケリーニ(牡8、栗東・池江泰寿)は、父キングカメハメハ×母ポップコーンジャズ(母父ダンスインザダーク)。宝塚記念や天皇賞秋を制したラブリーデイの全弟。中長距離でコースも大きく問わずGII、GIIIクラスなら崩れる走ってくるタイプ。血統的にも母系がトニービンとロベルトを持つので中山の中距離戦も問題ない。弱点が少ない反面、勝ち切れないイメージもありますが、8歳でも十分通用するでしょう。道悪も歓迎。

本馬はGⅠでの連対こそないが、GⅡとGⅢでは〔3-6-1-3〕と高い次元で安定している。前走のチャレンジCも2着。明け8歳でも中心を担う。

同馬は、好位の外からねじ伏せにいき、直線において一時は前に出て抜け出したが差し替えされて2着。6歳以降のG2、G3での成績が[2-6-1-0]と抜群!! 年齢的に上昇は見込めないものの、力が落ちた気配もない以上、今後もGⅡレベルまでなら要注目!?

クロミナンス(牡7、美浦・尾関知人)は、父ロードカナロア×母イリュミナンス(母父マンハッタンカフェ)。ラッジオの半兄で、フラガラッハやエスティタートやフェルメッツァの甥で、母イリュミナンスはクイーンS3着に好走したイリュミナンスという筋の通った母系の出身。。サンダーガルチも同牝系。父ロードカナロアは世界の短距離王でアーモンドアイ、パンサラッサ、サートゥルナーリアなどを輩出。母母スキッフルはトニービン産駒でハイペリオン4・6・6×5・6・6。産駒がみんな晩成なのもうなずける。本馬は休養期間が長くまだ通算10戦で、7歳を迎えてもフレッシュ。ヌレイエフ5×4が強いストライドは東京向きか。

条件戦で繰り出してきた本馬の瞬発力はここでも十分に通用するだろうし、初エントリーの重賞でも存在感を見せたい!?

同馬は、インを立ち回り、最後の直線もインから抜けて3着まで。本来は良馬場によるスローからの瞬発力勝負に強い馬だけに、ルメール騎手の好騎乗?? ただ、重賞レベル級だけに、2000㍍までなら注目!?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?