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【セントウルS(G2)回顧~その先へ】血統篇

【セントウルSの結果】
レースは、逃げたテイエムスパーダ(14人気)が、後方から追い込んだアグリ(2人気)に1馬身差をつけ優勝。さらに3/4馬身差の3着にスマートクラージュ(5人気)が入り、大波乱決着??

傾向面からみると、まずは「1番人気馬が7連勝中&連対率100%」も、今年は押し出された1人気ビッグシーザー(3歳)が10着惨敗。次に「逃げ・先行」が合計7勝をマークなか、今年は逃げたテイエムスパーダが優勝。最後に「3歳馬」が合計15頭出走して[1-3-1- 10]複勝率33.3%の好成績も、今年2頭(10着ビッグシーザー、13着ドルチェモア)共に惨敗でした。

血統面で、開幕週ということもありストームキャット、プリンスリーギフトに注目すると、「父母父StormCat」が出走馬15頭中4頭内1頭(1着テイエムスパーダ)が該当。単純に「母父欧州型」を検証すると、出走馬15頭中6頭内2頭(1着テイエムスパーダ、3着スマートクラージュ)が該当。

トラックバイアスからみると、土曜阪神(芝)Aコース初日。終日良馬場で行われ、走破時計は水準からマイナス0.5秒程度。逃げ馬はやや苦戦傾向ではあったが、全体的には3番手以内で競馬をしていた馬の好走が目立っていることから、基本的には先行馬有利であった。

【血 統 傾 向】
開幕週ということもありストームキャット、プリンスリーギフトのスピードが活きる舞台。

2023年
1着テイエムスパーダ
父レッドスパーダ(ヘイロー系/米)×母父ナスルーラ系/欧
2着アグリ
父Caravaggio(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着スマートクラージュ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年(中京開催)
1着メイケイエール
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ファストフォース
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
3着サンライズオネスト
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2021年(中京開催)
1着レシステンシア
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ピクシーナイト
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着クリノガウディー
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ヘイロー系/米
2020年(中京開催)
1着ダノンスマッシュ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着メイショウグロッケ
父メイショウサムソン(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着ミスターメロディ
父ScattDaddy(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2019年
1着タワーオブロンドン
父レイヴンズパス(ミスプロ系/米)×母父ナスルーラ系/欧
2着ファンタジスト
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着イベリス
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/米

【セントウルS 血統背景】

テイエムスパーダ(牝4、栗東・木原一良)は、父レッドスパーダ×母トシザコジーン(母父アドマイヤコジーン)。ナーゲルリングの全妹で、トシザグレイトの姪で、母トシザコジーンはJRA3勝。母母トシメロディーはJRA3勝。テイエムアンコールなども近親。母父アドマイヤコジーンだからテンから流れる競馬が合う血統。父レッドスパーダ(タイキシャトルの系譜で、ストームキャット内包)は京王杯SCの勝ち馬でクラヴィスオレアやソウルトレインなどの父。1400でスピードを誇った父にコジーンやハビタットなど平坦向きの軽いスピードが加わり、昨年のCBC賞は軽量もあったが圧巻の日本レコード逃げ切りだった。昨年は格上挑戦ながらCBC賞を勝利、重賞初制覇を飾った。その後は白星から遠ざかっているが、スプリンターズS(15着)など経験を積んだ。前傾ラップに強いので開幕週自体はプラス、阪神自体も悪くは無い。同型次第で道中楽に行ければ粘れる??

同馬は、久々に逃げの手に出て快勝した。勝つためには先手が絶対条件になるが、血統的に息長く活躍する馬が多いだけに要注意の1頭??

アグリ(牡4、栗東・安田隆行)は、父カラヴァッシオ×母オールドタイムワルツ(母父War Front)。母母トゥゲザーはQエリザベス二世チャレンジCS(米G1・芝9F)勝ち。近親にガリニュールS(愛G3・芝10F)のジャンフェルメールなど。父カラヴァッジオは欧短距離G1を2勝したスキャットダディ産駒で、本年から日本で供用中。母父ウォーフロントはデクラレーションオブウォーやアメリカンペイトリオットの父でもあるダンジグの後継で、様々な分野で活躍馬を出すオールマイティな種牡馬。スピードとパワーを兼ね備えた血統構成で、急坂は問題ない。緩さが解消し4連勝で阪急杯を制したが、今でもピュアスプリンターというには加速やフォームがしなやかで、1200㍍(高松宮記念は直線入り口先頭も早めに捕まり7着)は少し忙しいのかも。
春は阪急杯で4連勝を決め、重賞初制覇を果たした。秋初戦であらためて能力の高さを示し、さらなる大舞台を目指したいだけに期待したい!

同馬は、出脚鈍く後方追走のまま、4角から減速せず大外へ出すと鬼脚で2着。休み明けで本番を睨み、リズムを乱さないことを第一に考え、順調のままなら次走スプリンターズSで狙いたい1頭!!

スマートクラージュ(牡6、栗東・池江泰寿)は、父ディープインパクト×母レジェトウショウ(母父キングヘイロー)。母のレジェトウショウはJRA3勝で、スマートルシーダの全兄。ファルコンSを勝ったトウショウドラフタの甥にあたり、近親にスイープトウショウのいる血統。ディープ×キングヘイローでヘイローの3×4、リファールの4×4と高速決着向きのように感じる構成も、走りそのものはタフな競馬も十分こなす。母レジェトウショウは、芝1200㍍と1400㍍で3勝を挙げたオープン馬。近親にはGⅠ3勝のスイープトウショウがいるように、母系が伝える能力の高さを本馬もしっかりと受け継いでいる。前走は直線で何度か切り返すも、渋とく伸びて3着。阪神開幕週も悪くなく、6歳を迎えても年齢的な衰えは感じさせないだけに期待したい!?

同馬は、スタート良く中団8、9番手辺りから4角大外を回って猛追も、ゴール手前で後方から差されて3着死守! サマーシリーズ出走はCBC賞1走のみで、消耗がなかったのも好走につながった。今秋、条件(多頭数の内枠)付きなら十分チャンスのある1頭!?


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