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平林映画

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平林勇の映画つくり日記
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#日記

映画祭日記(2008年ロカルノ国際映画祭)

映画祭日記(2008年ロカルノ国際映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

1日目成田からの飛行機のチケットが取れなかったため、関空からの出発。いや、成田からのチケットはあったのだが、30万円ぐらいしたのだ。関空からシンガポール経由でチューリッヒに入った方が10万円近く安い。なのだが、シンガポールってのはヨーロッパに対して、日本から横に移動しただけなので、シンガポールに7時間かけて行っても、ヨーロッパには近づいておらず、さらに

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大人になってから二回目の未完成

大人になってから二回目の未完成

最近ふと思ったことがあるんです。いま私は、大人になってから二回目の未完成の時期にいるなと。

一回目は、大学を卒業して就職してからの20代の頃でしょうね。社会人になってすぐはもちろん未完成という自覚もありますし、周りからも未完成の社会人として扱われていたと思います。

そこから20代後半でCMディレクターとして独り立ちしたので、明らかな未完成を感じる期間は短かったとも言えます。

いま私がなぜ二回

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特に変わったことも無い日々

特に変わったことも無い日々

ここのところ、ビックリするぐらい、特に変わったことも無い日々です。

ToDoリストが、増えたり減ったり増えたり減ったりしているうちに、一ヶ月ぐらいはあっと言う間に過ぎていきます。地味に忙しいとも言えます。何か大きな仕事に取り組んでいる訳でもなく、川で砂金を採っているような感じですかね。案外この砂金採りが忙しいんですよ。

ここのところ、また新型コロナウイルスの感染者が増えて来たというニュースを見

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作りたいように作ればいいのに

作りたいように作ればいいのに

映画でも何でも作りたいように作ればいいと思いますが、それをやるのがなかなか難しいんですよね。それはお金とか時間とか、そういう要素もあるんですが、一番大きいのは自分自身なんだと思います。

私はいつも同じ様な感覚になってつまずくんです。今回のnoteは感覚の話なので、ちょっと伝わりづらいかも知れませんが、構わず書いていきます。

私が一番つまずくのは、脚本を書く時です。構成がなかなか上手く行かないと

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人の意見は聞きたくない

人の意見は聞きたくない

ちょっと不穏なタイトルになっていますが、人の意見を聞くか聞かないかについて書いてみたいと思います。人の意見を聞くか聞かないかは、仕事をしていても、作品を作っていても、常に付きまとう問題で、いまだにどうするべきか迷っている問題でもあるんです。

まずは仕事の場合。私はクライアントがいる仕事をずっとしてきたので、人の意見を聞かざるを得ない状況にいます。と言いますか、「人の意見を聞いて映像を作る」という

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「雑」を使って作品を作る

「雑」を使って作品を作る

雑という言葉は、割とネガティブに使われますけど、雑が大事な事はよくあります。雑な性格な方が生きるのが楽、とかそういう話もありますけど、作品なんかを作っている時に特に思うんです。

私は自分が雑か雑じゃないかと言われたら、雑じゃない方だと思ってますが、相対的に誰かから見たら、ものすごく雑に見えているかも知れません。

私が雑かどうかはいいとして、私は作品を作る時に丁寧に考えすぎて、思考が止まることが

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世の中と握手するって難しい

世の中と握手するって難しい

作曲家の渡邊崇さんが、私と一緒に作った映画のサントラだけを集めた「A collection of film music for Isamu Hirabayashi」というアルバムをリリースしました。かなり、グググッと来る音楽ばかりなので聞いてみて下さい。BGM的に聞くと、作業に集中出来ないかも知れませんので、映画の企画を立てたり、世界観がコンセプトを考えたりする時に聞くといいと思います。Apple

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20歳から見たら40歳は完成して見える

20歳から見たら40歳は完成して見える

私は今年47歳になります。40歳を超えてから、自分の年齢が分からなくなるぐらい、自分の年齢に興味が無くなりました。

来年48歳で、歳男などと言われてますが、私が20歳の時に見た40歳を超えた大人は、完璧に完成された大人で、確固とした地位を気づき、人生哲学を持ち、若者たちを導いていける威厳すら感じていました。

ちょっと悪く言うと、「完成しきったオジサン」「これ以上伸びないオジサン」というイメージ

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映画祭日記(2010年ベルリン国際映画祭)

映画祭日記(2010年ベルリン国際映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

0日目14時40分発のKLMに乗った。案の定、座席のモニターはなかった。機内食は何気に美味しかった。途中、カップヌードルまで出てくる始末。始末って。乗り継いで、アムスからベルリンに行く飛行機では、離陸前に寝てしまい、起きたら着陸していた。

ベルリンの空港では日本語を話せる映画祭の方がお迎えに来てくれた。30分ほどタクシーに乗ってホテル到着。シングルで

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映画祭日記(2019年モスクワ国際映画祭)

映画祭日記(2019年モスクワ国際映画祭)

映画『Shell and Joint』が上映されるということで、モスクワ国際映画祭に行ってきました。今までいろんな映画祭に参加してきましたが、ロシアは初めてです。

まず、ロシアに入国するにはビザがいるとのことで、ビザを取らなければなりません。私は一週間前までスペインに行っていたので、ビザの申請から取得まで4日しかありませんでした。ビザの申請にはパスポートの原本が必要なので、スペインから帰ってきて

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人生をほどほどに諦める

人生をほどほどに諦める

20年ぐらい、仕事とは別に「作品」というものを作ってきましたが、作品のために仕事を断ったり、大幅にスケジュールを調整したことはありません。

いま私には家庭があり、子どもが2人いて、子どもを成人になるまで育てる義務があります。子どもがいるけれど、自分のやりたい事を優先したいからと言って、子育てを放棄することは出来ません。これはもう絶対的です。

一方、私に任されたレギュラーの仕事があります。誰でも

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新日本プロレス歴2年

新日本プロレス歴2年

2年ぐらい前から新日本プロレスを見ています。

それまでプロレスとは全く縁の無い人生でした。小学生の頃、駄菓子屋に行くとプロレス選手をキャラクターにしたお菓子なんかもたくさん売ってましたし、プロレス好きの友達もいましたが、私は全く興味がありませんでした。総合格闘技が流行り、大晦日にテレビで放送されるようになっても、私は全く興味がありませんでした。そもそも、格闘技自体を全然見ないのです。人が戦ってる

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コンテを書く

コンテを書く

私はTwitterでコンテの事ばかり書いています。コンテの内容ではなく、「コンテを書いている」という事をただ書いているんです。それはなぜか?私にとって、コンテを書くことは本当にエネルギーのいる事だからなんです。そこにストレスを感じるから、「コンテ書いてるアピール」をTwitterでしてしまうんだと思います。「ダイエットしてるアピール」とか「徹夜してるアピール」と同じ種類のアピールかと思います。

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モジモジしてたら死ぬ

モジモジしてたら死ぬ

私たちの仕事はロケハンや撮影に行くことが多く、移動は自動車に乗って行くことが多いです。ロケバスやハイエースや軽自動車などなど。

運転するのはだいたい車両の会社の方だったりします。車両の会社の方はだいたい安全運転なのですが、たまに危ない運転をする人に当たってしまうことがあります。高速道路の追い越し車線を、時速130〜150キロぐらいでブッ飛ばす人がいたりします。

ブッ飛ばす理由は、運転手さんの性

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