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それは完成度が高いと言うのか?

私は映像を作る仕事をしていますが、いつも完成度を気にして作っています。完成度というのはクオリティとも言えます。完成度が高いと言えば、クオリティが高いと言っているのと同じです。

でも、企業が大金を出して作っているコマーシャルよりも、YouTubeの方がリアリティがあって面白い時代になってしまいました。YouTubeの持っているリアリティは、私たちが御本尊として崇め奉ってきた「クオリティ」の存在を脅かしています。

広告の仕事は常にクオリティとの戦いです。一流の広告クリエイターとはクオリティの高いアウトプットをする人のことを言ってましたし、私もそうあろうと自己研鑽してきたところがあります。

でもある時、「業界人たちが追い求めているクオリティとは何なんだろうか?」とふと疑問に思いました。誰もクオリティの定義について言葉にしてくれないのに、私たち広告業界人は共通したクオリティ観を持っていたんです。

広告の場合、クオリティをミリ単位で管理しているのはアートディレクターなんじゃないかと思います。優秀なアートディレクターなら、どんなに酷い写真でもクオリティが高く見えるようにしてくれます。写真のトリミングや、ロゴの大きさや位置、あるいはその他のデザイン的な処理によって、いかにもクオリティが高く見えるようにしてくれるんです。

その「クオリティが高く見える感じ」とは何なのか?がすごく気になりました。ADC年鑑というその年のアートディレクターの仕事が載っている年鑑があるんですが、そこにはクオリティが高く見えるデザインがたくさん載っています。

どのデザインもクオリティが高く、広告業界の人たちも納得のクオリティの高さです。

いやしかし!

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