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どうでもいい日記「スポッと」

年末からずーっとコンテを描いてきましたが、ついに出せるコンテは全て出し終わり、今は返事待ちや次の展開待ちの状態です。コンテを描いているのはひとつの仕事ではなく、6〜7つぐらいの仕事のコンテを並行して描いています。その6〜7つのコンテは全く別物のコンテなんです。

そして今、スポッと時間が出来ました。キャッチボールで言うと、6〜7個のボールは全て向こう側にあります。いま、私が投げなければいけないボールは無いのです。こういう状態は1年に何度かありますが、かなり貴重な状態でもあります。大体はボールは行ったり来たりしていて、必ず自分の方にもボールがあることが多いからです。こういうのは長くても一週間でしょうか。

今の状態は明日か明後日には崩れると思います。だからまあ、3〜4日間だけコンテを描くことから開放されたということです。3〜4日間しかないんですよ?すごいですよね。あとはずっとコンテとの戦いです。コンテとの戦いといいましたけど、映像のディレクターである私の仕事の骨格部分はコンテを描くことです。

監督の仕事は撮影現場を仕切ることの様に思われますが、撮影現場はコンサート当日のようなものなんです。指揮者はコンサート当日に指揮棒を振るのも仕事ですが、それまでに曲をまとめ上げて完成度を上げるのが本当の仕事です。映像の監督もそんなようなものです。ほとんどが地味な作業です。「アクション!「カット!」「OK!」と言ってるのは仕事のほんの一部で、何ならそんな大声出したくないんです。恥ずかしい。

そんな事はどうでもいいとして、この2〜3日間は仕事ではない創作をやりました。私がいま取り掛かっている仕事ではない創作は、画家の石田徹也くんの映画を作ることと漫画を描くことです。

石田くんの映画は何年も前から構想を練っていたんですが、いまいち自分の中でしっくり来るフレームが出来ませんでした。でも、そのフレームを先月ぐらいに閃いて前に進める様になりました。メチャクチャな実験映画として作ろうと思ったり、メジャーで大ヒットする映画として作ろうとしたり、いろいろと考えましたが、変な気負いなく作れるフレームが出来たのでホッとしています。

私は石田徹也くんの親友だったんですが、石田くん関連の本を読み込んでると、私自身が石田くんのコンテクストの一部になっている事に気がつきました。私自身が石田徹也というアーティストを形作っているものの一部なんです。その私が作った「石田徹也映画」は、その映画自身がまた石田くんのコンテクストの一部になる運命を背負っているのです。だから、変な気負いなく、そのつもりで作ればいいんだと開き直りました。映画の評価を気にして作るのではなくて、石田くんの作品の一部として作ればいいのかなと。企画書が出来たら、お金集めから始めます。

漫画を描こうと思ったのはコンテばかり描いていたからです。腱鞘炎になりながら描いたコンテも世の中には出ない絵なんです。コンテは設計図みたいなものですから。私はそうやって成仏できない絵ばかり描いているので、ちゃんと世の中に出す絵も描いてやろうと思ったんです。

そうこうしているうちに、ものすごい閃きがありました。これはどう考えても面白いんじゃないかと思い、Z世代の子供たちにラフを見せながら話してみたら、「いける感触がある」と言ってました。スケール感のあるシュールな4コマ漫画なんですけどねw。完全なるペンネームで、私のSNSとは全く接触無いところから発信を始める予定です。Xで「いいね」もしません。「あの漫画って平林さんが描いてます?」と気づかれても「んなわきゃないw」と言いますから。

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