親とは一生、分かり合えない
母親から投げられた、棘だらけの沢山の言葉達。
母親の言葉は、いつも私の心を蝕む。
『すぐ死ぬと言ってズルい、死にたいのはこっちだ』
『パパとこんな関係になったのは梓のせいなんだから』
『パパもママも憎んでるよ』
『梓の苦しかったことは理解できない』
『パパがママに借りたお金を返済しないと脅してる』
『梓は余計なことをしたんだよ』
『パパ、会社をクビになりそうだって』
『私も自分の道を進みたいから、梓のことは支えられないから』
『余計なお世話』
『必要以上にパパに憎まれるの嫌なんだけど』
“梓のせいで”こうなった!!!
こんな言葉をかけられて、正常でいられるだろうか。
『自分が全部悪いんだ』という思考と、『やっぱり親はかわらないんだ』というがっかりした気持ちが混在している。
でもやはり、母親の言う通り、私のせいで、父親のDVが始まり、心を病み、親を離婚させてしまったのだろうか。
私が、一方的に『虐待された!!!』と言い張り、周りの支援者に言いふらし、PTSDと言う病名を振りかざしているだけなのだろうか。
『親を離婚させた最低な娘』と思っている母親に、私の複雑な気持ちが常に渦巻いてる中で、ギリギリの精神状態で生活している苦しみは、分からない。
実の父親にも母親にも恨まれて、憎まれて。
そんでもって生きる意味など、あるのだろうか。
1周まわって、笑いたくなる。
笑えるよな、自分のエゴで両親の人生を壊したと、親に泣かれるのだから。
実際に面と向かって言われると、本当に私が悪かったんじゃないかと信じる以外の思考が浮かばなくなる。自責感で潰れそうになる
だから、『死ななきゃ』になる。
父親も母親も、本当は加害者意識があるのに認めたくなくて逃げてるだけなのか、本当にそういう自覚が無いのかが、私は想像しても分からない。
1番自分の味方で居てくれる筈の両親に、憎まれ、呆れられ、見捨てられるという現実は、受け入れ難いくらい辛いことだが、受け入れるしかないのもまた現実で。
私の本音は
『パパが最初に家庭内DVをしてこなければこんなことになんてならなかった』
という思考である。
でも、母親曰く、父親がDVしたのは『会社でパワハラを受けて精神疾患になったから』だと言う。
だから、『パパも可哀想な人なんだよ』『だから許してあげなさい』と。
そして、母親もまた不思議なエピソードがある。
私が当時5歳くらいの時、母親が父親に暴力を振るわれている場面をよく目にしていた。
ある日、母親は肋骨にヒビが入ってしまった。父親が母親を蹴ったからだ。
当時のことを振り返った現在の母親は、『蹴られたことは覚えてない。ヒビが入ってしまったことは覚えてるけど』と言った。
恐らく解離性の健忘だろうな、と私は思った。
解離性健忘とは、あまりにもショックな出来事を忘れてしまうという、人間の防衛反応だ。
当時から、母親は父親にしょっちゅう暴力を受けていた場面を私は何度も見ていたし、それを覚えているし、私自身もDVの標的にされ、父親は勿論のこと、母親からも暴力や暴言を受け続けてきた。
被害者兼加害者の母親は、それらの出来事を覚えていないことが多いというのだ。
そんなだから、私がどれだけ自分の辛さを母親に訴えようが、信じて貰えないのだ。
性的被害に近いことをされたりした、ということを母親に打ち明けて助けを求めようとしても、
『パパは病気で性欲なんて無いし、絶対梓をそんな目で見てない。
パパがそんなことするはずない。パパの名誉のために言っとく』
と、取り合って貰えず、それどころか加害者である筈の父親の味方をするくらいだ。
こんな母親と分かり合える筈など、最初から無かったというのに、最近少し母親との仲が良かったから、油断していた。母親を信じたい、という希望を持ちすぎていた。
けれど、やっぱり無理なことは無理なのだ。
娘のDVのヘルプより、愛する夫のことを信じて、娘のことを罵倒し、夫と一緒に虐待をしてきた過去を持つ母親とは、分かり合える訳が無いのだ。
いい加減、諦めることを覚えなければ。
そして、1人で生きていく強さを持たなければ。
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