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【全てのリーダーに捧ぐ】戦略・方針を正しく伝えるためのチェックポイント7つ

はじめに

CESでSONYが電動自動車を発表して話題になっていましたね。

SONYが自動車を作ることが、10年前にどれだけ予想されていたでしょうか?
全ての業界に変化の波が訪れている昨今、変化への対応力は、そのまま競争力につながります。これを受けて「方針・戦略それ自体」もさることながら「方針・戦略を正しくメンバー伝え、素早く実行に移すこと」の重要性が高まっています。
そこで、今日は戦略・方針を伝える時に気をつけるべきポイントという観点で話をしてみたいと思います。
仕事柄、様々な会社の伝える側の人(経営者・リーダー)と、理解する側(従業員・採用候補者)の人と話す機会があり、うまく行っているケース/いないケースを少しずつ類型化して以下の7つに整理しました。

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1.「Why」をセットで伝えているか

一番重要な要素だと思うのですが、案外ここが抜けているケースが多いです。
「Why」とは、方針・戦略を決定するための前提となる、意義や目的です。が抜けていると、やる「必然性」を理解できず、メンバーのコミットが高まりません。
Whyの要素はWhy do(どんな意義があるからやるのか)Why us(なぜ自分達がやる必要があるのか)に分けることができ、この両方をセットで伝えることが重要です。

2.相手のメリットが提示されているか

リーダーは、当然目標を達成したいと思っていますが、同じレベルの思いをメンバー全員が思っていると考えるのは傲りです。戦略を実行することで、「目標達成以外にどんなメリットがあるのか」を提示することで、コミットを高めることができます。例えば、新しいチャレンジができる、専門性が身につく、市場価値が高まる、給与が上がる、などです。

3.日々の業務に置き換えて説明をしているか

方針・戦略に一定の抽象度がある場合、「なんとなく理解できるけど具体的なイメージが湧かない」となってしまいます。メンバーの日々の業務に置き換えて例示し、明日から実践できる状態を作る必要があります。組織の規模が大きい場合は、この役割をミドルマネジメントが担うので、ミドルマネジメントが正しく理解し、メンバーに説明できるような状態を作ることが重要です。

4.意見・発言に双方向性があるか

一方的に説明をして、伝わったと思っているのは自己満足に過ぎません。理解を深めるための質問や、より良い案の提案などが歓迎され、双方向のコミュニケーションが担保されていることが重要です。自分が関与しているという実感がメンバーのコミットメントを高めます。個別に実施する場合は説明後の1on1、複数人で実施する場合はタウンミーティングやオープンドアなどの手法があります。
同様の観点から、前段階として方針・戦略の決定プロセスに巻き込むことも非常に重要です。最後の決定はリーダーの役割ですが、決定までのプロセスに関与することで、当事者意識が高まります。

5.情報にアクセスできるようになっているか

方針・戦略を伝えた後、伝えた内容(資料)にいつでも誰でもアクセスできるようにすることが大切です。理解度は人さまざまなので、理解が足りなかった部分を再度見てもらったり、新しく入ったメンバーに見てもらうといった用途が想定されます。また、情報がオープンになっているということ自体が、メンバーの心理的安全性を高めます

6.繰り返し伝えているか

これも、盲点になっているケースが多いです。人は、想像以上に忘れる生き物です。一度言われたくらいでは、理解して行動するに至りません。方針・戦略は、何度も繰り返し伝えることが重要です。そのために、重要なエッセンスを覚えやすいシンプルな言葉にまとめ、あらゆる場面で繰り返し発言しましょう。サイバーエージェントさんの半期スローガン「暗闇の中でジャンプ」「低姿勢」などは、まさにこの視点で浸透しやすさのために徹底的に工夫されている印象です。

7.言行一致しているか

方針・戦略を提示した者が言行一致の行動をしているかをメンバーは見ています。例えば、「Aという事業に注力する」という方針を示しながら、その事業にお金も人も投資をしない、といった姿勢が見られてしまうと、「結局実行する気がない」「実行はメンバー任せにしている」と捉えられてしまいます。宣言したものがまず誰よりもコミットすることで、本気度を示しましょう

+α (伝えられる側の人に求めること )

TOYOTA社長の年始挨拶を見て、その通りだなぁと思った点があったのでシェアです。

ボトムアップとは、現場の事情や理屈をトップに押し付けることではない。トップの考えに迫り、自ら、仕事のやり方を変えていくことではないでしょうか。

「伝える側」に求められる姿勢がフォーカスされがちですが、「伝えられる側」にも、当事者として自ら理解しようとする姿勢が求められるということです。この期待を明確にし、きちんと求めていくこともまた、相互理解の促進には重要と考えます。

いかがでしたでしょうか。この全てをきちんとできている、という方は意外と少ないのではないでしょうか。これから、戦略・方針を伝える機会がある人は意識してみると良いかもしれません。
もちろん私も人様に偉そうに言える立場ではないので、自戒も込めて…精進いたします!

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