【R6.3.10】金鯱賞の予想

【予想印】

 人気に偏りもありますし、難しく考えずに上位人気の取捨とどう穴を拾っていくかというのを中心に選んでいきます。
◎7ヤマニンサルバム
〇9ノッキングポイント
▲4プログノーシス
△1シーズンリッチ、12ハヤヤッコ
 これで行きましょう。

【ドゥレッツァの59㎏】

 今回1人気のドゥレッツァ、もちろん能力には文句なし。もしこのレースが定量戦だったとしたら逆らうことはできなかったと思いますが、59㎏を背負うならば話は変わってきます。
 昨年からの斤量改革で重賞でも59㎏を背負わされる馬がチラホラ出てきましたが、昨年の結果4-0-1-9とまずまず。勝利した4走は
・日経新春杯 ヴェルトライゼンデ
・日経賞 タイトルホルダー
・新潟大賞典 カラテ
・京成杯AH ソウルラッシュ
 ですが、まず分かりやすい共通点としては京成杯AHを除く上3つは渋った馬場で行われていたということ、京成杯AHも良馬場ではあるものの2日前の雨の影響でクッション値は8.5と低め。
 斤量59㎏を背負うということは他の馬よりも重いものを背負って走るわけですが、重いものを背負って走るとどういう影響がでるか、まあこれは単純に早く走れなくなるわけですね。トップスピードは57㎏、58㎏を背負っている時よりも確実に下がりますし、長く早い脚を使うのも難しくなります。
 つまり、斤量の影響が出やすいレースは、高速馬場で時計勝負になりやすいレースや、スローからの瞬発力で一瞬の切れが求められるレース。昨年59㎏を背負った馬でも勝てたレースが渋った馬場3つと開幕週のイン前有利をうまく活かしつつ立ち回れた上に、展開、メンバー的に切れ味が求められなかった京成杯AHの4つだったというのは理解できるところ。
 じゃあ今回のレースは、ドゥレッツァの個性と重斤量の相性はと考えてみると、決していいとは思えませんね。
 まずレース質として圧倒的イン前有利なレースであることはいまさら言うまでもないと思いますが、そのイン前有利もパターンとしては2つあると思っていて、①シンプルにどスローでポジションの優位がそのまま着順に直結するパターン②前有利の意識が強いせいで全体的に締まった流れになり、全頭あまり足が溜まらないままに勝負所に差し掛かり、イン前でロスなく運んだ馬が差されずに粘り込む。①は昨年のプログノーシスのパターンで、直線での切れ味勝負でポジション不利を覆して差し切った瞬発力が重要、②はジャックドールの時のようなパターンで長く早い足を使うことが求められるのでいずれにしても重斤量はかなり不利に働く。
 ドゥレッツァのこれまでのレースとしても、前走こそ逃げましたが企保的には溜めての切れ味や持続的な末脚が魅力な馬であり、59㎏はその魅力を削ぐに十分な斤量。また、よく言われる馬体重との比率的にも前走馬体重で考えれば59/468=12.6%と成績が落ちる傾向にある12.5%の壁を越えてしまっています。
 この斤量59㎏が及ぼす影響は結構大きそうな中で1番人気……ちょっと勝ち切るのは難しいんじゃないかなと私は手が出ませんね。

【各馬の評価】

◎ヤマニンサルバム
 まあ軸にするなら前に行く馬で間違いないでしょう、という単純な考えも少しはありますが、三浦騎手に乗り替わってからの近2走の内容が非常に優秀。
 2走前は重馬場ながら逃げの手に出て前半60.2-後半57.8の異常ともいえるラップで押し切ったのは強いの一言。前走の中日新聞杯は前半60.2から後半58.6の後傾ラップだが、後半5Fが12.0-11.8-11.3-11.5-12.0と明らかに仕掛けが早すぎる展開、結果としてもヤマニンサルバム以外の先行馬は壊滅し差馬台頭、後方に居た持続力が武器のハヤヤッコが上がり最速で突っ込んでくる波乱の決着。これを前で対応しきったのはこのメンバーでは一枚力が上だったことを示したのかなと。
 昨年の金鯱賞では外目の枠に入ったことで前に馬を置けず、足をうまく溜められなかったとのことで7着に敗れてしまいましたが、そこから強い相手と戦いつつ経験を積んで、2走前に逃げて強い勝ち方をするなど前に馬を置かなければ足が溜められないというのは克服できたと考えていいかと思います。というか三浦騎手とかなり手があってますね。
 調教も休み明けから十分に動けそうな好内容、逃げて良し、番手に控えて良しでこのメンバーならばまあそうそう崩れないかなと信用して本命で行きたいと思います。

〇ノッキングポイント
 前走は流石に距離が長かったのと、最終コーナーで大きな不利があったことを考えるとまあ度外視で良いのかなと思います。
 2000mに距離が短縮になるのは確実にプラス。スタートの反応はここ2走はかなり良いので、外目に入ってしまったもののヤマニンサルバムを目標にポジション取りができればまずまず悪くない位置につけられそう。
 脚質としてもトップスピードはあるし、ダービーや新潟記念で持続的な末脚も見せているので、どういった展開になってもポジション優位を活かしての競馬が可能。
 栗東滞在で仕上げられており動きも上々、休み明けからいきなりでも能力十分に発揮できそうであり、ここは素直に上位評価していいかなと。

▲プログノーシス
 シンプルに能力上位でこれ以上評価は落とせないかなと。
 昨年はスローからの瞬発力戦で展開が向いたと言っても同レースを制していますし、ハイレベルG2札幌記念を圧勝、昨年のG1でも有数のハイレベル戦だった天皇賞秋も追い込んで3着と現役トップレベルの力を示し続けている。前走の香港は5着だが進路も窮屈で展開も向かずなので評価を落とす内容ではない。
 今回もドゥレッツァより1㎏軽いのは大きく、どんな展開でも追い込んでこれるこの馬がこのメンバーで大きく崩れるのは中々想定しづらい。

△シーズンリッチ
 今回のメンバーで奇襲逃げがあるならこの馬かなというところでピックアップ。前走を除いて基本的には前目で競馬をしてきた馬、気性も前向きで脚力もあるので逃げることはそう難しくないかと思う。
 昨年の秋は関西で2戦して結果が出ず、このタイミングで騎手を変えて、逃げ馬優勢の傾向があるこのレースへの出走というのは陣営としても何か変えたいという意図があるんじゃないかと思う。
 調教も動きとしては見栄えはしないものの、特に抑えて終いを伸ばそうという意図は感じず、むしろ抑えずに全体時計をまとめるような内容。
 最内というのもおあつらえ向きで、上位の馬と切れ味比べをしても勝ち目が薄いことを考えると、思い切って前に行く可能性もそれなりに高そう。オッズもまずまずついているのでここは抑えておきたい。

△ハヤヤッコ
 持続力が活きる展開ならば重賞でも通用する力はある。
 展開としてはプログノーシスが札幌記念の時のように早めに捲りに行くような展開で、前が早めのスパートを強要されるようなことがあれば前走の中日新聞杯と似たような競馬でプログノーシスとセットで追い込んでくる可能性はある。プログノーシスがこのメンバーで58㎏を背負っても抜けた能力を持っている場合を想定して抑えておきたい。

【無印の各馬】

・ドゥレッツァ
 前述のとおり59㎏のマイナス大きい。能力は上位と思うがここは来たら仕方ないと割り切って馬券を組みたい。

・ヨーホーレイク
 能力は高いが流石に2年2か月の休み明けは厳しい。調教も最終までビシビシやって仕上がり途上感否めない。こちらも走られたら仕方ない。

・エアサージュ
 脚質的に魅力はあるが、3勝クラスでくすぶっていたところから前走は展開向いての勝利、近走最終追切は坂路で加速ラップ仕上げで安定した走りをしてきたが今回は減速ラップ気になる。能力的にも見劣り感あり。

・バラジ
 面白いとは思うが去勢明け初戦で狙いづらい。調教の動きからも使いつつ上昇に期待という雰囲気で。

・ワイドエンペラー、ブレイヴロッカー、アラタ、レッドジェネシス
 今回の条件で特に穴としての魅力感じず、状態面でも大きな変化見えない。

【まとめ】

 ここは流石に大きくは荒れないかなと思って固めの予想。まあ先週なんかは固め予想で絞って大外ししているのでふたを開けてみなければ結局のところは分かりませんが、オッズを考えても絞って買うのが現実的に見えます。
 馬券的には
・単勝 ヤマニンサルバム
・3連複2頭軸 4.7-1.9.12
・3連単フォーメーション 7-1.4.9-1.3.4.9.12
              9-7-1.3.4.12
 という感じで、ヤマニンサルバムを連軸として3連単を組んで、そこが当たれば配当が跳ねるように、3連単のみドゥレッツァが3着付でもまずまずつくので無理に嫌いすぎず抑えで含めておく。ヤマニンサルバムが頭を外してドゥレッツァに2着まで来られたらもうおしまいということで。
 前走の中日新聞杯でも、何なら函館記念とかでも本命にしていたくらいヤマニンサルバムには期待しているというか、条件戦の時から応援していた好きな馬なので、力をつけて来て完成してきた今、得意舞台で強敵相手にも勝ち切ってほしいですね。

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