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はじめまして

 法規書籍印刷株式会社 戦略デザイン企画室の渡辺と申します。
 この度noteにて私たちの取り組みをご紹介させていただくことになりました。

 私たちは創業60年余の長野市にある印刷会社です。
そのなかでこの夏(2023年8月)から新設された部署が私たち「戦略デザイン企画室」です。

 私たちが社内でどういった立ち位置なのか、またエンドユーザーさまをはじめとして社会に対してどのように関わらせていただくのか。
 突然ですが、部署の立ち上げ当初にメンバーに向けて出したステートメントが一番わかりやすく表現しているかと思っていますので、まずはそちらからご紹介いたします。


ステートメント

 おつかれさまです

 この度こういった形で新部署「戦略デザイン企画室」の立ち上げということになりました。あらためてよろしくおねがいいたします。

 会社として「営業改革」を進めなければならないものの、方策や進め方において停滞感が否めない状況と「やらされていることをなんとかこなしていく働き方」から「自分たちのやりたいことを収益につなげていく働き方」への転換とうまい具合にその必要性とタイミング諸々が重なり、この夏の異様なまでの暑さにうかされたこともあってか、あれよあれよという間に新部署の設立となった次第です。

 まずメンバーについて、(個人的な印象として)ある程度「サブカルチャーにご理解がある」という方々にご協力をおねがいしたというところがあります。

 すでにお話させていただいたように企画室のメイン業務のひとつである「会社のPR」について、いま現在こういった世の中で「(会社を)スタイルよく見せる」ためには「サブカルチャーへの理解」がなければほぼほぼ不可能だと思っています。
 これは「サブカルチャーを表現の手段として使う」ようなイメージ、すなわち「文章・イラスト・動画・音楽などの表現についてのスキルをPRで発揮する」というようなイメージではなく、「会社のPR」や「会社のスタイルの提示」の背景に「オマージュ」や「サンプリング」や「パスティーシュ」として周到に準備し差し込むこと(刺さる相手をコントロールするという意味)、また様々なサブカルチャーをブリコラージュ的に引用していくこと(会社の深みを出していくという意味)、をイメージしています(お前はなにを言っているのだという方がいらっしゃったらごめんなさい… 時間をかけてわかりやすくお話できるように努力します)。

 つまり自分たちがお金を稼げる手段(組版やデザインをすること、イラストや文章をつくること、話をまとめ上げて相手に伝わるようにすることなどですが)にサブカルチャーを織り込むことで「しかるべき相手に会社のスタイルや提案をよりよく効果的に、刺さるように見せていきたい」というのがこのチームの目的のひとつです。
 そしてそのために「サブカルチャーを遺憾なく織り込めるような仕事」ができるような雰囲気を会社全体に理解をしていただきながら作っていきたいと思っています。

 そして自分たちの役割について。

 これから自分たち(ここには全社のみならずこの業界全体を含みます)は印刷会社として「本をはじめとする紙媒体や読書についての新しい価値の創造」や「本を中心としたカルチャーの発展」について考えていく必要があります。
 しかしこれは社業の発展という意味だけではなく、プライベートも含む自分のまわりにある居心地のよい「本のある世界」を維持し発展させるという意味も含んでいます。(戦略デザイン企画室の場合は特にそうかもしれません。そして少なくともお声かけさせていただいたメンバーにはこの意図が通じるかなと思っています)

 印刷出版業界は「とにかく組んで刷りまくる」というビジネスモデルがもう世の中にはマッチしていないことを少し前から理解はしているものの、そこから脱却できるような革新的なアイデアもなかなか生まれず、衰退するスピードを抑制するためにどうしたらよいかというアプローチがメインになっていること、またデジタルへ思い切って舵を切ったからといっても、競合他社やそれこそwebなどの別業界ともマッチアップしなければならないという状況もあります。
 はっきり言ってしまうと自分たちを取り巻く状況は決してよい状況だと言えないのです。

 しかしながら自分たちには武器があります。これまでやってきた「本づくり」のノウハウです。

 「本づくり」は言い換えれば情報の抽象化・スリム化するための手段、また情報の正規化とも表現できます。つまり「コスパ」だ「タイパ」だと言われる昨今、もしかしたらこういった技術が一番フィットする可能性が十分あるかもしれないなと本気で思っています。
 そしてそういった状況の中で「本づくり」が意味するものや「読書する」という行為自体を再定義したり、新しい紙媒体のあり方を再構築したりして、しかるべき場所へ提示していくことがこれからの印刷会社の役割なのではないか、そしてそれを牽引してくのがこのチームの役割なのではないかと思っています。

 とにかく戦略デザイン企画室では「印刷会社としてのPR」や「制作・企画・提案」を通じてこういったことを自分たちのアタマで考えて、社会に問いかけ、その価値を認めてもらい、その結果としてお金に還元できるようなことをマジメに考えていきたいと思っています。

 長々とすみません… 以上が戦略デザイン企画室発足のステートメントになります。
 それではこれからお付き合いのほどよろしくおねがいいたします。

 まあとりあえず気楽にやりましょう!


 このなかで繰り返される『「本づくり」が意味するものや「読書する」という行為自体の再定義』や『新しい紙媒体のあり方を再構築したりして、しかるべき場所へ提示していく』ことは、企業の規模関係なく、ここ数年の間に「これからの印刷会社の役割」として重要視されるのではないかと感じてきたところです。
 私たちは企業として永くつづいていくことと同時に「本を中心に据えた文化を大事にする」ことを真剣に考えていきたいと思っています。

 これからお付き合いのほどよろしくおねがいいたします。