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リテールメディアとXRの可能性

ほくぴーです。
会社の組織的に商業施設に対して戦略を考えることになったので、小売業界や商業施設について色々と調べました。
その中で、リテールメディアというキーワードが気になったので、以下の本を参考に記事を書いてます。
めっちゃおもしろいので、ぜひ読んでください。

リテールメディアとは?

端的に言うと、アメリカで急成長する、小売り業界発の新しい広告市場です。言葉を分解すると、
リテール:小売り(コンビニとかスーパーとか)
メディア:媒体(たくさんの人が見えるとこ。ソーシャルメディア、テレビ、など)

リテールメディアの定義や、明確な構成要素、どこまでをリテールメディアと呼ぶのかはまだ曖昧なようです。

2022年頃からリテールメディアというキーワードが小売業界で話題になっています。
その背景に、アメリカのスーパーマーケット大手のウォルマートが、2022年2月の決算説明会での「Walmart Connect」という広告事業の収益は、2021年の広告事業売上は21億ドル(3050億円)で、2022年の広告事業の売り上げは27億ドル(3922億円)となっており、前年比128%と、なかなの成長率です。(1ドル145円で計算)

運用広告の収益は利益率が高い傾向にあります。利益率が低くなりがちな小売業界の中で、高収益な事業が成立していることの証明になっており、リテールメディアがしっかりと収益に直結していることが判明し、盛り上がりを見せているようです。

まだまだリテールメディア解釈が幅広いので、すごいざっくり言うと、コンビニやスーパーマーケットでに置かれている、デジタルサイネージやアプリを使って、SNSやリスティング広告のような媒体で、広告運用をしているようなイメージです。

リテールメディアが違うのは、購買行動に非常に近いところで広告を見せることができ、購買行動に直結しやすい、ということが圧倒的に違うといえます。

ウォルマート以外の例で言うと、最大手ECサイトのAmazon の中の広告もリテールメディアにあたります。
Amazon の商品を検索している時に、何かしらの商品がスポンサーとして上位に表示されます。これもリテールメディアとして含まれているようです。

日本でのリテールメディア

セブンイレブンジャパンのリテールメディア

セブンのリテールメディア統括が語る広告戦略の全貌 アプリが要

セブンイレブンジャパンでは、国内で約2000万人が利用するセブンイレブンアプリを中心とした広告事業を展開しています。僕もたまに使うのですが、セブンイレブンのアプリを使って買い物をすると、クーポンで割引されたりなど、お得にお買い物ができます。何気に便利。

このアプリから、ユーザー情報と購買行動が紐付けされたデータが蓄積され、そのデータを元にクーポンを出し分けたりすることで、高倍率を上げたり、新しい商品を宣伝しています。


トライアルホールディングスのリテールメディア


先にスキャンして、専用レジ通過で決済完了可能なスマートショッピングカート。
すでに利用率は41%を超えているそう。

トライアルは、九州で有名なディスカウントストアです。九州以外の人はあまりピンと来ないかもしれません。
2023年6月期の売上高は6531億円で、小売企業で国内に展開している285店舗のうち120店舗がスマートストアと呼ばれています。

スマートストアには、デジタルサイネージや IoT 対応のスマートショッピングカート、AI カメラなどが導入された店舗になっています。

このスマートショッピングカートには、ショッピングカートにタブレット端末がついていて、来場者が自分で商品やポイントカードをスキャンして利用する形で買い物をします。

こうすることで、ユーザーには大幅な時間短縮を提供でき、トライアルは、ユーザー情報との購買行動が紐づけされたデータを保有することができます。このデータを用いて、クーポンなどの情報の出し分けを行っています。

効果はあるのか?

結論から言うと、効果あるようです。
詳細を省きますが、セブンイレブンジャパンではナナチキレッドと激辛商品の組み合わせのキャンペーンを行い、単純な広告接触の有無でも購買率に61% の差が出ました。
また、合わせてクーポンを配信した場合には、購入率が2.3倍も高いという結果に。

他にも、リステリンのマーケティングで、大手ドラッグストアチェアのツルハホールディングスで、リテールメディアを活用したキャンペーンを展開。ツルハグループが保有するデータを活用し、YouTube や Facebook などで広告配信を行いました。その結果、ツルハグループにおけるリステリンの売上は配信前と比較して1.3倍になった。

ショッピングセンターとリテールメディア

XRの提案において、不動産ディベロッパーや商業施設、百貨店の方々と一緒にお仕事することが多々あります。
そこで、ショッピングセンターとリテールメディアについて考えてみたいと思います。

そのまま適応するだけではうまくいかない

結論から言うと、小売業での事例を、そのままショッピングセンターに適用してもうまくいかないと考えています。
一般的な小売り(コンビニやスーパー等)は、スイッチングコストが低い商材を多く取り扱っているという点にあると考えています。
一方で衣料品を多く取り扱っている商業施設では、広告を視聴しただけで、簡単にブランドスイッチが起きるとは思わないからです。

例えばコンビニやドラッグストアで、ビールやお菓子、消耗品などを購入する時に販促ポップを見て選択する商品を変えた経験はないでしょうか。
これまでも店内に販促ポップなどを置いて購買行動を変更するのような施策を行われてます。その広告や情報の出し分けを、デジタルデータを活用し、精度を上げているもというものが、リテールメディアにおける成功のポイントです。

そう考えた時に、ショッピングセンターで買われているものの多くは、衣料品が多いよう思えます。もちろん雑貨などもあります。
ただ、衣料品や雑貨を買おうと思った時に、広告を見て、すぐにそれを買おうというスイッチするような行動には紐づかないのではないかと思います。

つまり、商業施設などで取り扱っている衣料品の購買においては、小売業界におけるリテールメディアに、もう一つ工夫が必要なのではないかと考えます。

効果は確実にあると思います。ただ一方で、検証する項目やポイントを明確にし、正しい実験や検証を重ねることが重要だと思います。

リテールメディアと XR の可能性

そこで、デジタルサイネージで見せる、という視聴体験だけではなく、XR による能動的なユーザーのアクションが重なると、より効果的な実験ができるのではないかと考えました。

※もちろん、 AI カメラなどでユーザーのセグメントや視聴完了率などを継続し、そこだけで完了することも、もちろん可能だと考えています。

まだまだこのあたりの整理がついてないので簡単に書きます。
現在XRが体験可能なデバイスで、なおかつ普及しているデバイスはスマホです。

スマホでXRを体験するためには、何かしらユーザーからのアクションが必要になります。その多くは「QRコードを読み込む」です。

スマホARにおける課題でもある、「まずARを体験してもらう」という壁はあるものの、購買行動に近い場所で、ユーザーのスマホで特定のコンテンツにアクセスしてもらえれば、ブランドはユーザーに対して有効な施策が打てそうです。また、事業サイドにも非常に有効なデータの蓄積が可能になります。

リテールメディアとXRのポイント

いくつかポイントになりそうなことをメモ程度に書いておきます。

  • 体験したくなるようなARのコンテンツ

  • 上記のシームレスなユーザー体験設計

  • コンテンツ内のユーザーの行動と、実際の購買行動を照らし合わせることができるチーム体制

なかなか簡単にできるものではないが、チャレンジのし甲斐がありそうです。ご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひXにDMください。
制作サイドでも、事業者サイドでも、ぜひお気軽に壁打ちさせてください。

今年こそは!!
Xの更新頑張ります。

ほくぴー



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