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最近遊んだ・遊んでるゲームを一気にレビュー(2024年4月編)

 最近本当にメジャー作品をやっていないですね…。積んでるものが結構あるんですがそれ以上にインディーゲーム・フリーゲーム積んでるし他にやることも多くて。久しぶりにがっつりRPGしたいかも…。買ったきりのFF3とかやろうかな…。

有料インディーゲーム

My child lebensborn remastered

 ナチスドイツ占領下のノルウェーにおいてノルウェー人の女性とドイツ人兵士の間で計画的に作られた子どもたちが戦後に差別の対象になった史実に基づき、その子どもを引き取った里親として日々を過ごし、子ども、そして社会と向き合っていくナラティブアドベンチャーとなります。
 時間とお金に苦労しつつ、仕事・家事・子どもの世話・思い出作りのバランスに四苦八苦しながら学校でいじめや差別にあったという話を聞いてそのケアをしたり、実親の所在を探したり、新聞から社会の変化を知ったりなど様々なイベントが起きていきます。
 最初は時間の管理にかなり苦労して、お風呂に入れられず汚れたまま学校に行かせることになったり、料理の時間を計算に入れてなくてご飯が食べさせられなくて「ダメな親でごめんよ…」と胸を痛めたりもしました
 少しずつ時間お金の使い方を理解して、ゲームの中で親っぷりを向上させて、子どもも心を開いてくれるようになり、楽しいクリスマスを送ったりして、そうやっていい思い出を積み重ねて、子どもの笑顔を見ることができると「よかったぁ、嬉しい」と喜びを感じることができます。一方、子どもが外で会ういじめなどにはなかなか介入ができず、その酷さを我が子の言葉や汚れた服で類推するしかないという時間が続きます。それによってまたも自分の無力さと、子どもへの感情移入を呼びます。だからこそ我が子が実際に被害を受ける姿を見た時は「おまえ何してくれてるんじゃ!」とリアルに心がざわざわしました
 そしてこれがノルウェーで実際に起きた史実というのも強烈です。実際にこういう目にあった子どもがいたのか、それぐらいの怨みが生まれるナチスってどんなものだったんだ…?と手が止まる瞬間が何度かありました。もちろんこれはノルウェーが特殊とかそういうことではなく、私たちだって「ナチスの子」と幼き命を迫害するような存在になってしまうかもしれない、もしかしたらすでに部分的にはそうなのかもしれない、そんなことを考えさせられるメッセージ性に溢れる作品です。
 もちろん実際の子育ての苦労に比べれば全然違うものでしょうが、「誰かのケアをする」「誰かのことを思いやる」ことの辛さと尊さ、そして歴史に学ぶことを改めて感じさせられる作品でした。唯一いうことがあるならちょっと日本語訳が不安定なことが…。

フリーゲーム

かがみの特殊少年更生施設

 実際にあるwebサイト、動画、SNSアカウントから情報を集め架空の少年更生施設の闇に迫る体験型モキュメンタリーを謳うARG(代替現実ゲーム)になります。

モキュメンタリーホラーは最近流行し、非常に好きなジャンルですが、今作もそれに違わず、「現実と架空の境目がぼやけることでその真実味が心をざわつかせる」という構造が非常に生きています。

  • webサイトに載る会報のようなものに隠された暗号

  • 不審な文面がうっすら見える消し跡

  • ブラウザに適切なアドレスを入れることでやっと見られる画像

  • 検索バーに人名と適切なキーワードを入れること潜れる情報サイト

などなど、各所の謎がとにかく不安をかき鳴らして、遊んでいるとぞくぞくするし、本当に謎解きに没頭してしまいます。悲しいことに実際に施設での虐待というニュースは聞きますのでそれを思い浮かべてしまったりもするでしょう。
 得られる情報も露骨すぎず、ほんのちょっと不安を煽るものだったり、伏線回収的に謎がつながっていったり、大したことなさそうなページをよく見ると検索や謎解きのヒントになっていたりと非常に練られています。
 ただ、今作とにかく難しい…!クリア率7%というだけのことはあります。
 
実況しながら遊んでいるのですが正直今行き詰っているのでこれからは仲間のVtuberさんと三人がかりで解いていこうと思っています。もし遊ばれる方は時間や人数をたっぷりとる、あるいは各所、それこそこのnoteにもあるであろうネタバレ回答を見ながらやるのもいいかもしれません

映り変わってカラテレビ

 各ステージにある全てのテレビを空手チョップで直すアクションパズルとなっています。テレビ画面の中に入って映像の中を移動したりチャンネルを切り替えて移動やワープをしたりと、昔のテレビの特徴を生かしたパズルが最高に楽しい作品となります。問題数は10問ですがその中でちゃんと悩めて、解けたときには「よし!」と達成感を得ることができました。
 また、「カラテ」と「カラーテレビ」をかけたタイトルや、テレビをモチーフとしたステージ全体の見た目、BGMなどゲーム全体のデザインが非常にすばらしく、そしてまだ私もわかっていない大量の小ネタが込められています。ステージを進める中である変化が起きるのですがそのおしゃれさは感動的でさえありました。特にブラウン管テレビが家に合った記憶がある人はゲーム画面を見ているだけでも思わず顔がほころび、昔の思い出が返ってくるのではないでしょうか。レトロでコメディ的でありながらおしゃれでもある超短編の超名作ですのでぜひ遊んでほしいです。

怪奇!開けてはいけない扉卍

 ティラノゲームフェス2023で長編部門グランプリを受賞したホラーアドベンチャーゲームとなります。突然閉じ込められた謎の家でタイムリミットまでに探索をし、その家で何が起きて、怪異にどう対応すればいいのかを探っていきます
 周回して各エンディングを目指していくことが前提のゲームデザインとなっていることもあり、非常にテンポもよく、それでいてちゃんと怖がらせてくれますし起きていることは結構きつくと、ホラー・サスペンスの楽しみもがっつり楽しめます。少しずつ見えてくる真相は辛く切ないながらも理が通っていて思わず唸らされます。
 さらにその周回を助けてくれ、今作最大の魅力だと思っているのが主人公二人の明るいキャラクターです。とにかくこの二人が明るく前向きで、ジョーク交じりに探索を続けていきます。バディものサスペンスを見ているような軽妙さと、「そんなに!?大丈夫!!??」って思うぐらいの前向きさが、血や怪奇現象など何度もきつい目に直面する必要がある周回プレイをリズムよく遊ばせてくれます。そのやりとりを見ているだけでも本当に楽しく、「よしこの二人の会話を全部回収してやろう」と思うこと請け合いです。特にタイトル画面にも出る少女はもう「いい子地球代表は君に決定だ!」と言いたくなるほどいい子であり好人物で素晴らしいです。物語の真相も非常に心に来るものでした。
 怖く、面白く、楽しく、遊びやすい、「そりゃあグランプリも取るよな…」と納得の作品でした。


おまけ


 ゴールデンウィークにお薦めの中編~長編のノベルゲーム・アドベンチャーゲームを紹介するガイド記事を公開しています!よかったら読んで、遊んでくれると嬉しいです。


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