たかがゲームに真剣な人の考えていること

あなたはゲームをやるだろうか。

この記事を読んでいる人の中には暇さえあればゲームをやっている人もいれば、一切ゲームに触れたことのない人もいるかもしれない。

ゲームに触れたことのない人や、カジュアルにゲームをやっている人は、ゲームに真剣になっている人(真剣になりすぎて時折声を荒げてしまうような人)をみてこう思ったことはないだろうか、「たかがゲームに何でそんな真剣なんだ?」あるいは「もっと気楽に楽しくやればいいのに」と。もしかしたら、ゲームをしていてそう言われた、という人もいるかも知れない。

この記事はそんな良くあるシチュエーションに対するお気持ち表明である。

楽しくなかったらやってない

最も初めに、結論から言ってしまえば、楽しくなかったらゲームなんてやっていない。当たり前のことである。

しかし当たり前のことであるにも関わらず我々ゲーマーと呼ばれる人たちは割に頻繁に「何でそんなに真剣に?」といったニュアンスのことを言われがちなのである、それは何故だろうか。

たかがゲーム=たかが趣味

まずたかがゲーム派の人について。
たかがゲームと言う人の多くはおそらくゲームをあまりやったことがない人だと思う。あまりやったことがないから何となく「暇つぶし」程度に思っているのかもしれないがそれは違う。

私のような人間にとってゲームは一般の人がやるスポーツや芸事、あるいはコレクションやグルメ巡りなどと同じ「趣味」である。

趣味とは、「仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄。」のことであり、暇つぶしの娯楽とは異なる、と私は考える。

ゲームをやったことがない人にも何かしらの趣味はあると思う(趣味がないという人にはこの記事の言いたいことをうまく伝えられる自信が無いので最後まで読み飛ばしてもらって構わない)、それらの趣味を思い浮かべてほしい、程度の差こそあれある程度熱中し、できるようになるために努力をしたりしている/したことがあると思う。
たかがゲームに真剣な人たちは、その熱意を向ける方向性がゲームだった、ただそれだけのことなのだ。

たかがゲーム、と思っている人たちは、仕事ではないスポーツなどに熱中してる人に同じことが言えるか、一度考えてみてほしい。

「努力する」ことが「楽しい」

ゲームを気楽に楽しんでいる人は、「何でそんなに努力してまでゲームをやるんだ?」「何でゲームやってるのに辛そうなの?」「もっと気楽にゲームをやればいいのに」と思う人も多いかもしれない(私が実際に言われたことがある言葉だ)。
ここについては、楽しみ方の違いだと私は思う。
ゲームには「ゲームそのもの」が持つ演出の心地よさ、風景の美しさ、アクションの爽快さ、攻略の達成感などの楽しさの他に、ゲームによって与えられるものでない楽しさがあると私は思う。それは「努力して成長する」楽しさだ。これは。こと対人ゲームにおいて顕著だが、普通のアクションゲームやRPG、パズルなどでもある楽しさだ。
「昨日まで出来なかったことができる様になる。」「今できない技をできるために練習する。」

この過程がとんでもなく楽しくて私はゲームをやっている。

あなたには、ゲーム以外でこんな経験はないだろうか?

「勉強でわからないことが分かった」「スポーツで今まで出来なかった動きが出来た」「昨日よりも満足の行く絵がかけた」あるいはこれらの為に努力した経験は。

恐らくこういった経験は多くの人が持っていると思う。そして多くの人がこういった時に「楽しさ」「嬉しさ」を感じたと思う。人間は学習して経験を得ることで生存してきたので、本能的に何かを達成した時に喜びを得るようにできていると言われている。人間は成長に楽しさを感じる生き物なのだ。

日本初のプロゲーマーで今でも現役で活躍しているウメハラ選手はこう語っている。

「ゲームに飽きたんじゃない、成長しないことに飽きたんです」
(この公演で語っている、このセリフ以外にも人生に活かせるかもしれないことを多く語っているので時間のある方はぜひ一度見てほしい)

裏を返せば、ゲームの楽しみには「成長すること」が含まれている、ということだと私は思う。

ゲームでは「昨日より強い相手に勝てた」「昨日出来なかったコンボができた」といった努力と成長の経験が多く体験出来る。所謂「ゲームに真剣」な人たちや私はこれが楽しくて真剣にゲームをやっているのだ。

なので個人的には同じゲームをやっている人などに「ストイックだね!」と言われることもあまり嬉しくはない(悪意が無いのはよく分かっているので不快とまでは行かないが)。禁欲的なのではなく、むしろ傍から見たら大変かもしれないその過程に楽しさを見出しているのだから。

終わりに

筆者は格ゲーやFPS、MMO、アクションゲーム、ポケモンなど色々なゲームに手を出してどれもお世辞にも上手とは言えないが、趣味としてそれなりに時間をかけてやっている(オフゲーならRTAに挑戦してみたり)。

その結果いろいろな人に「なぜそこまで真剣に?」と言われたりするのでこの記事を書いた。

現在ではeSportsと言われて、格ゲーやFPS、MOBAなど一部のジャンルのゲームはスポーツのように興行的に大会を開催していて、多くの人が競い合っているところを我々は気軽にインターネットで見ることが出来る。また、競技性のないようなゲームでもRTA等、人より時間を掛けてより早く、より上手くプレイしようとする人たちを多く見れる。

どんなことでもそうだが、一つのことに真面目に取り組んだ人の結果を見るのはやはり楽しい。この記事を読んだ人が、ゲームに興味をもったり、ゲームに真剣な人たちに少しでも興味を持って、上のような競い合いを楽しんで見たりしてくれる人が居れば良いなと思う。

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