人間の肌と一緒でタオルもケアが大切! タオル屋さんが教える「タオルのふっくら長持ち方法」とは?
今治でタオルを製造するIKEUCHI ORGANICにて、社長を務めている阿部と言います。
タオル屋をやっていると、こんなお悩みを相談されることがよくあります。
「買った時と比べて、タオルがふっくらしなくなりました…」
この言葉を聞くたびに私は少し悲しい気持ちになります。なぜなら、タオルのケア次第で、ふっくら感は長持ちするからです。
私などはタオルが近くにあると、どうしてもナデナデ、スリスリ、モフモフしてしまうし、タオルに触れるとホッとします。肌触りのよいタオルがある暮らしとは、リラックスできる暮らしなのではないでしょうか。
タオルに正しいケアを行なうことで、長くタオルをご愛用いただき、暮らしに潤いをお届けしたい。
そんな想いから、今回は、私たちが正しいと考えるタオルのケア方法をまとめてみました。
★お伝えするケア方法は、IKEUCHI ORGANICのタオルに限らず、世間一般に流通しているタオルへのケア方法になります。
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タオルのケアは、人間の肌と一緒
タオルの具体的なケア方法を伝える前に、前提となる基礎知識をお伝えします。
タオルのケアとは、基本的に人間の肌のケアと同じです。
水分と油分。このふたつを与えないと肌はカサカサになってしまい、不健康なものになってしまいます。
だから、お肌のお手入れとして、化粧水やクリームなどで肌に水分や油分を与えたり、時にはデトックスとして老廃物や不純物を体から出したりしますよね?
タオルも一緒で、長くふっくらとした肌ざわりと保つためには、水分と油分を与えたり、時にはデトックスも必要なんです。
ふっくらさせるための3つの作法
それでは、基礎的な3つの作法から紹介します。それは、以下の3つです。
(1)洗濯機に入れる前に、タオルをビショビショに濡らす。
(2)脱水が終わったら、タオルを風になびかせる。
(3)過乾燥に気をつける。
(1)洗濯機に入れる前に、タオルをビショビショに濡らす。
タオルのふわふわとした肌触りや弾力性をつくり出しているのは、タオル生地のパイルです。このパイルを良い状態に保つためには、洗濯機の中でタオルを水に泳がせる必要があります。
一方、タオルは水を吸います。乾いたタオルを洗濯機に入れた状態で水を注入すると、タオルが水をどんどん吸っていってしまい、洗濯機の中の水が不足してしまいます。この状態では、タオルを泳がせることができませんし、他の衣服の洗濯にも悪影響を与えてしまう可能性があります。
なので、タオルを洗う時には、タオルだけ水にビショビショに濡らしておいて、その状態で洗濯機の中に入れるようにしてください。そうすると、洗濯機に注入される水をタオルが吸うことはなくなります。
(2)脱水が終わったら、タオルを風になびかせる。
脱水が終了すると、ドラムや洗濯槽にタオルが海苔(のり)みたいにくっついています。この状態で乾燥を行なってしまうと、ふっくらとしません。
なので、脱水が終わったら、タオルを取り出し、風になびかせましょう。風になびかせることでパイルを立たせることができます。
その時の動作は、こんな感じがオススメです。
このように勢いよくやることがポイントです。手首のスナップをきかせてください。フェイスタオルでも、バスタオルでも、だいたい3・4回くらいは風になびかせることが必要です。ちなみに私たちは、この動作を「パタパタ」と呼んでいます。
(3)過乾燥に気をつける。
乾燥機や乾燥機付き洗濯機で、乾燥が終了したら、すぐにタオルを出しましょう。
乾燥が終了しても、機内の温度があがったままの場合が多く、入れっぱなしにしておくと、タオルに含まれている水分がどんどん失われていきます。
また、天日干しの場合も、ずっと出したままだと乾燥しすぎてしまうので、早めに室内に取り込んであげることをオススメします。少し湿っていても、タオルだとすぐに乾きます。
また、乾きすぎてしまったという場合は、タオルに水分を与えてあげることが大事です。例えば、ご自宅にあるスチーマーの蒸気をタオルにあててあげてください。
まずは、この3つの作法を実践してみてください。
柔軟剤の使用は、デトックスとセットで考える
次に、柔軟剤についてです。
基本的に、吸水性をタオルに求める人は、柔軟剤の使用はオススメしません。
なぜなら、柔軟剤がタオル本来が持っていた吸水性を奪ってしまうからです。下の動画を見ると、その違いが明らかです。
これは、柔軟剤の使用により、繊維に柔軟剤のカチオン系陽イオンが堆積してしまうからです。
ただ、柔軟剤なしで、合成洗剤を使って洗濯をすると、洗う力が強すぎて、綿本来が持っている脂分を全部奪ってしまいます。そのため、合成洗剤を使っている人は、柔軟剤を使わざるをえません。
その場合は、柔軟剤によりタオルに堆積されたものを、3ヶ月や半年ごとに定期的にデトックスすることを心がけてください。
デトックス方法は「煮洗い」です。その名の通り、鍋で煮て洗う方法です。
ぶくぶくと煮立った鍋の中にタオルと酸素系漂白剤(過炭酸ソーダ)を入れて、20〜30分程度、菜箸などでかき混ぜならが煮ます。
私がよく使う酸素系漂白剤(過炭酸ソーダ)はこちらです。
☆バスタオルは、ご家庭にある鍋には大きすぎて、煮洗いが難しいかもしれません…。
洗濯には、洗濯用石けんの使用がオススメ
このように、合成洗剤と柔軟剤を使用した洗濯の場合、タオルのケアにどうしても手間がかかってしまいます。
そこで、私としては「洗濯用石けん」の使用が望ましいと考えています。石けんを使うと、タオルに油分を与えることができるし、繊維へのダメージが少ないからです。
しかし、ご使用している洗濯機に、粉石けんは使わないで欲しい旨の注意書きが書かれている場合がありますので、ご確認をお願いします。これは、石けん洗剤投入口で石けんが溶けきれずに詰まってしまう可能性があるためです。
そのため、粉石けんを使う場合には、粉石けんと酸素系漂白剤を1対1くらいのバランスでプラスチックカップに入れて、お湯でかき混ぜて液体の状態にしてから、洗濯機に入れることをオススメします。
また、液体石けんであれば、この手間がなくなります。私がよく使う液体石けんはコチラです。
それと、洗濯用石けんの使用には、お湯が使える洗濯機の利用が適しています。冬で水が冷たい時期だと、どうしても石けんが溶けにくいという問題を抱えているからです。
これから洗濯機を新しく買うという方には、お湯が使用できる洗濯機をお選びいただくことを私としてはオススメしたいです。
ニオイをとるには、逆性石鹸でつけ置き
タオルのニオイをとりたいという人には、逆性石鹸でのつけ置きがオススメです。
私がよく使う逆性石鹸はコチラです。
タオルを洗濯する前に、バケツに水と逆性石鹸を入れて、常温で1時間ほどタオルをつけ置きしてみてください。
その後、つけ置きしたタオルを水でよくすすいでから洗濯をすると、ニオイはほとんど取れます。是非試してみてください。
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タオルメンテナンスサービスのご案内!
以上、私たちが正しいと考えるタオルのケア方法についてお伝えしました。
ただ、洗濯に時間をそこまでかけられないという方もいらっしゃるかと思います。また、洗濯に時間をかけるなら、他のことに時間を使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
そういった方は、”洗濯代行”の利用がおすすめです。
現在、IKEUCHI ORGANICでは、全国に1200店舗以上のコインランドリー『Baluko Laundry Place』を運営する(株)OKULABと提携して、タオルメンテンスを受け付けています。
みなさまの愛用されているタオルをお預かりし、蓄積したダメージや汚れをリフレッシュして、お戻しするというサービスです。
このタオルメンテナンスコースは私も監修に入らせていただきましたが、タオルにとって最適なケアが行えるオリジナルのプログラムで洗濯していきます。
洗剤も、タオルに適した石けんベースのものを選定し、乾燥工程前にはタオルの繊維を立ち上げる作業をおこない、プロの手で1点1点仕上げます。タオルが生まれ変わったかのような驚きを感じていただけるのではないかと思います。
ご自身のライフスタイルにあわせて、一番フィットする選択肢を見つけてもらえたらと思います。
<編集協力:井手桂司>
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Youtubeでも、洗濯に関する解説動画を公開中!
IKEUCHI ORGANICの公式Youtubeにて、阿部によるタオルの洗濯に関する動画を公開中です!動画で、より詳しく知りたい方はコチラをご覧ください!
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