アシュタールさん、あのね。
地球にはボクシングっていう殴り合うスポーツがあるんだよ。

「私も参加してみたいです。あなた方をダウンさせたら気持ちがいいでしょうね。冗談です。」

その冗談、趣味がわるーい。
ボクシングっていうスポーツも趣味悪くない？

「それはルールにのっとって、お互いが自由意思で参加しているのでしょう？でしたら問題はないと思いますよ。」

殴り合う、だなんて。

「それがルールです。ルールは蹴りあう、でもいいですよ。」

ああ、キックボクシングっていうのもあるらしいですね。

「ルールはなんでもいいんです。フェアにルールが決まっていて、そしてお互いが同じルールのもとで、合意して競い合う。それのなにが問題なのでしょうか？

　ベイビーちゃんはそのルールをとても野蛮だと感じていて、そのスポーツを好きではないようですが、あなた方の世界では同じようにお金を求めたり、学歴を求めたり、出世を求めたりするでしょう？

　同じルールのもと、同意して参加するゲームです。
それとボクシングは何が違うのでしょうか？殴るから良くないのですか？
言葉の暴力は問題ないのですか？

　ボクシングというスポーツではない他のゲームでは、誰かを陥れたりすることもあるでしょう？嘘をついたりも？」

まぁね。

「ベイビーちゃんの主張したいことは実のところお気持ちはわかるのですが、ボクシングにだけに反応するのは、何かとても滑稽ですよ。」

ふーん…
でも、そんなの言われたら、地球の文化ってば何もかも暴力的で嫌な感じ！って思うことも出来るでしょう？

「それを楽しむ遊びです。地球生活もボクシングも同様です。殴ったり殴られたり、そういうルールだということを承知して、同意しています。そしてあなた方の自由意思で参加しているんですよ。ゲームを楽しんでください。

　そしてもう十分だ、と思ったら別のゲームに切り替えることもできますよ？例えば、そうですね、助け合いゲームのようなものですとか。」

もううんざりして、地球から離れるのは？自殺のような？？

「ゲームは最後まで参加してください。途中で抜けるのはズル、ですよ。リングに上がったら勝敗がつくまで殴り合います。

　途中で怖くなったから、殴られて嫌になったから、リングから降りる、というのはルール違反なんです。
　
　寿命まで参加してください。大丈夫、終わったら楽しいゲームだったと振り返ることができますよ。そして参加者は経験が得られます。もれなくもらえるファイトマネーのようなものですよ。
さぁゲームを楽しんで！」

ですってー。