見出し画像

【日本の教育はダメじゃない】 書評#110

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、教育です!
しかも、珍しく?肯定的なものから。

ヘッダーは、鐘井ユウさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

小松 光・ジェルミー•ラプリー(著)
筑摩書房 出版
2021年2月10日 第1刷発行

全231ページ
読書所要期間6日

私が本書に出会うきっかけ

私は、四人の娘がいるということからも、仕事上も、教育に関心を持っている。
様々に読んできた中で、勉強してきた中で、どうしても日本の教育が世界と比較してアップデートされていない変わらなければならないといった論調のものは容易に見つかる、よく目にする。
では、逆はないのだろうか?
そう思い探し出した一冊。
まぁ、要するにタイトル買であるw

この本の本質

「はじめに」の冒頭で著者は、
・今日の日本の学校教育を褒める人はあまりいないのでは?
・それも仕方のないことかもしれない。
と言っている。
それは、日本の学校教育をよくしたいと考えて議論しているから、当然のことだと理解を示す。

◯しかしながら、全部が全部ダメだと勘違いしていないだろうか?
◯全部が悪い訳ではないから、しっかり良い部分は良いと理解した上で、建設的な議論をしよう!
と呼びかけていると捉えている。

そしてその良い部分は、しっかりとデータに基づいて国際比較しようとするものである。

私が感じたこと

「自己」の捉え方

第2章に「自分自身がない」という項目がある。
これは、日本の教育がダメと言われているもののうちのひとつの通説ということだが、著者はこれをデータを用いて実態、真実に迫っていく(どちらかといえば反証していく)というアプローチで書いている。

日本が、自分に自信を持てる教育をしているのか、いないのか。

これに対する私の考え方は、マイルールに則り書かないが、ここで出てきた「自己」の捉え方の国際的、もっと言えば宗教的な差について言及されている部分に興味を持った。

わかりやすくするため、日本人とアメリカ人(カナダ人も)という比較をしているのだが、その根源的な違いは、仏教ベースかキリスト教ベースかということだと指摘している。

なぜそうなのかという部分については、これまたネタバレになると思うのでマイルールに基づき書かないが、要するに生まれて成長するまでのプロセスの捉え方や考え方が、ベースとなる宗教に基づいて異なるからだと指摘する。

当然に、日本人でも代々キリスト教で育ってきている方もいるし、逆にアメリカの方が仏教を信じる方もいらっしゃるだろうと思うので、一概に論じることはできないと思うのだが、皆さんはこれを読んでいったい何を感じるだろうか。

本書P111辺りからの部分である。
ぜひご覧いただきたい。

むすびに(まとめ)

  • 反対の意見をしっかり聞くことは大切

  • 本書では、全部が全部変えなければダメと言っていない。

これらを踏まえ考えるに、
・どっちが良い悪い
・ダメかダメじゃないか
という話ではなく、日本のこれからのためにどうするのかをしっかりと対話することが重要だと私は考えている。
これは、子どもの権利をよく考える機会のある私の定説と言って良いものだ。

これからの社会、とりわけ学校では、もっともっと対話が必要だということは間違いないと言えないだろうか。
学校では、先生にとにかく「時間がない」のだ。

インクルーシブな社会、これに異論を挟む余地はないと思う。
であるならば、やはり対話が必要なのだ。
対話なくして、特性の異なる他者を理解することはできない。

本書にも触れられるイジメの問題についても同様だと思う。
対話し、他者にも他者の自由があるということ、考え方が異なることを理解しなければ、他者の自由の侵害としてのイジメが起こるの考えている。

つまり、互いの自由を尊重することができれば、イジメは存在し得ないのだ。
「対話」と「自由の相互承認」。
苫野先生の本に出てくるキラーワードだ。

本書を読んで、改めてこれらの重要性を強く認識した。


以上です。

正直私は、何事もどんどん変えてった方がいいと考える派ですので、この本は私にとって反対側からの意見といった感覚で読みました。
しかし、それが二項対立的、一元論的考え方だという学びを、やはり反対側と思われる立場を理解することで得ることができたと言えます。

ということは、いったん”自分と反対側”ということを認識しなければ視点が広がらないのだとすれば、いったん二項対立的、一元論的考え方も重要なのだと気付いたように思います。
二項対立的、一元論的考え方がダメだと思っていたから、それも必要なのだと思い知らされます。
二項対立的、一元論的考え方がダメとかいいとかも、これまた二項対立的、一元論的考え方ですね・・・
無限ループに突入しています・・・w w w

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

この記事が参加している募集

読書感想文

もしサポートしていただけるならば、現在投稿の軸にしている本の購入やパピーウォーキングにかかる経費に充てさせていただきたいと考えています。