2023年一橋大日本史第1問答案例

答案例①…問4で字数を割く
1海保青陵。2朱子学は礼節を重んじ、支配層に対して徳による支配を求めた。これに対し、朱子学を批判した古学の1つで、中国古典を読む際の方法論を提示した荻生徂徠の学問は、現実の諸問題への解決方策を示す経世論の登場につながった。3公事方御定書。従来の重要法令と刑事事件の判例を集め、刑罰の客観的な基準を定めた。4江戸幕府や大名は年貢米など蔵物が財政基盤であったため、なるべく高値で換金可能な江戸・大坂に東廻り航路・西廻り航路を利用して、蔵物を輸送した。大坂にある諸藩の蔵屋敷に集まった蔵物の取引に携わる者を蔵元、代金などの出納にあたる者を掛屋と呼んだ。札差は東日本各地の幕領から江戸の浅草御蔵に収納された旗本・御家人に支給される蔵米の換金にあたり、蔵米を担保に旗本・御家人への貸し付けも行った。5村田清風。藩の負債を整理したほか、下関に越荷方を設置し、北前船などの積荷の購入や委託販売によって収益を上げた。(400字)
 
答案例②…問2で字数を割く
1海保青陵。217世紀後半以降、平和の時代の到来を受け、支配層に為政者として自覚を説き、徳治を求める朱子学が幕府や大名に歓迎された。一方、朱子学を後代の学者の解釈に過ぎないと批判し、直接、孔子・孟子の原典にあたるべきとする古学が登場した。古学派の荻生徂徠は中国古典を読む際は、当時の言葉で解釈すべきと主張した。徂徠の学問は方法論の提示であり、その方法論を重視する姿勢が現実の諸問題への解決方策を示す経世論の登場につながった。3公事方御定書。従来の重要法令と刑事事件の判例を集め、刑罰の客観的な基準を定めた。4掛屋は大阪の蔵屋敷に集まった蔵物の取引における代金などの出納にあたった。札差は江戸の浅草御蔵に収納された旗本・御家人に支給される俸禄米を受け取り、換金にあたり、蔵米を担保に旗本・御家人への貸し付けも行った。5村田清風。下関に越荷方を設置し、北前船などの積荷の購入や委託販売により収益を上げた。
(399字)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?