見出し画像

フロアタイル貼ってみた


私にはインテリアセンスがない。

エクステリアはあるのかと言えば、もちろんないので、ざっくりセンスがないとするべきだろう。

センスと言えばファッションセンスもない。

センスのいい人に憧れるけれど、真似したところでどうにもならないと分かっている。

センスばかりは才能としかいいようがないのだ。

私もいい歳なので自分の問題点はよく分かっている。

統一性がない。

その一言に尽きる。

センスって様々なベクトルがあると思うのだが、優れている人の共通点はただ一つ。

統一性だ。

シックならシック、ゴージャスならゴージャス。

どんなジャンルでもセンスのある人はよそ見をしない。

よそ見してるのかもしれないけれど、それを微塵も見せない強固な精神力を携えている。

センスのいい人というのは、シンプルなインテリアが好きだと言いながらファンシーな猫キャラグッズを好み漫画の推しキャラのグッズを飾ったりする、節操のなさが凝縮された私のような凡人には到底辿り着けない境地にいる。

思えば我が家の混沌具合は猫を飼いだしてから加速したと思う。

猫。

同じところで寝たがらないのであちこちにベッドを置かなくてはならない。

ケージもあるし(今はないけど)キャットタワーだのキャットウオークだのだっている。

家中に置かれた猫(と犬)のベッド。

これだけでもカオスだ。


更に猫を飼うまでずっと手を出さずにいた猫グッズも解禁してしまった。

猫グッズって世に溢れていてどれも可愛くて大好きだったのだがとまらなくなる気がして自分の中で禁忌としていた。

けど、本物の猫がいる(それも二匹)のに何の遠慮がいろうか。


更にセンスのない人間(私)の問題点をあげるならば、方向性がぼんやりしている。

なんとなくセンスよくしたいと思ってはいるけれど、具体的な案はない。

これは厭と言えるけど、こうしたいとは言えない。

なんだよ。思春期なのかよ。


そんなセンス思春期のわたくし。

長年、仕事部屋だけでもなんとかしたいと思いつつ、どうにも出来ずにいたのだが、このところインテリアとはちょっと違う、不都合を抱えていた。

床が剥げている。

原因は椅子だ。

仕事部屋の床はフローリングで、その上を椅子のローラーで二十年くらいゴーゴー擦りまくっていたら剥げた。

最初は小さな剥げだったから上に木目調シールみたいなのを貼ってごまかしてみたが、どんどん広がっていき、修復不可能な感じになっていた。

これはもう床の張り替え的なことをするしかないのではないかと思い、業者に頼んだ場合の値段などを色々調べていたところ、自分で出来るかもしれないと思い始めた。

ことの発端はなんとなく眺めていたYouTubeだ。

私はほぼゲーム配信しか見ないのでおすすめもゲーム系のものばかりが流れてくるのだが、その中に何故かDIYに関連した動画が混ざっていて何気なく見てしまったところ、その手の動画をやたらおすすめされることになり、いつしか床も壁も自分で出来るような気がするおばさんになっていたのだ。

こういう人、めちゃくちゃ多いんじゃないだろうか。

なんだか上手に作ってあるのだよ。

DIY系動画。

そして動画だからさくさく完成していくのが気持ちいい。

何より楽しそう。

元々、嫌いじゃないのもあってチャレンジを決意した。

本当はトイレの壁紙を貼り替えたかったのだが、うちのトイレは難易度が高そうだし、なんか無理っぽいのでまずは仕事部屋の床からなんとかしてみようと思ったわけだ。

仕事部屋、長方形だし。

自分でもなんとかなるんじゃないかと思えた。

早速、フローリング、張り替え、的な検索ワードで調べてみると、今はフローリングの上に置くだけのフロアタイルなるものがあるのが分かった。

便利な世の中である。

しかも接着剤不要で、賃貸でも原状復帰可能な代物があるというのだ。

これはいい。接着剤なんて難易度が高そうな代物を自分が取り扱えると思っていなかった私は、置くだけのフロアタイルを即決で選んだ。

こっちの方が値が張るのだが失敗して泣きを見るよりはずっといい。

そして色々調べて辿り着いたのが「RestaオリジナルDIY向け床材eucaシリーズ」である。


こちら、はめ込み式、置くだけ、ボンド施工の三タイプがあり、色々と考えてはめ込み式の厚みが薄い、click eucaという商品にすることにした。

色や風合いがたくさんあったので、その中でよさげな三種をピックアップしサンプルを取り寄せた。

サンプル注文するの、大事。



今って白っぽいフローリングが流行のようなので、ホワイト系、グレー系、ベージュ系の三種を選んだ。

サンプルが取り寄せられるのはとてもよかった。実際の質感を確かめることが出来たし、厚みや色も確認出来た。

結局、色はグレー系…じゃなくて今時は薄いねずみ色を「グレージュ」というのですな…にして部屋の広さに合わせた枚数を注文した。(画像の106)

一ケース八枚入りを九ケース。

全部で四万円弱。

業者にお願いすると十万弱はかかるだろうからコスパ的にはいいのだろうか。

しかし、我、歳を取りし者なので知っている。

苦労は金で買うべきだと…。

いやでも。

今回は自分でやってみたかったのでいいのだ。

なんでもチャレンジが必要である。

特に予定のないGWを控えており、その間に作業しようという思いがあったのでぽちっとするまでの決断も早かった。

注文してから数日後。

届いた荷物は…分かっていたが、重い。

一ケース十キロ強あるので九ケースで百キロ弱もあるのだ。

ひー。

運んで来てくれた運送会社のお兄さんには感謝しかない。

玄関先に詰まれたそれをクマと共におっちら二階へ運び、GWまでしばらく置いておこうということになった。

GWは特に予定はないのに十連休というクマに手伝って貰って作業しよう…と思っていたのだが。

予定はないけど色々と用事があり、天気予報的にも作業が難しそうに思えたのでGWに入る前日、自分でやってしまおうと突然思いついた。


いつだって突然だ。

B型だもの。


そうと決心すれば行動は早い。

クマが仕事に行き、朝の所用を済ませてから早速作業に取りかかった。

まずは仕事部屋に置かれている荷物を全て他の部屋へ移動させることから始める。

小さな本棚、パソコンなんかを置いてる棚、本来はダイニング用の大きな机、猫の寝床になっている昇降式テーブル、ベッド。

ベッドは昼寝用のスモールサイズだったが、一人では運べる場所がなかったので端に寄せておき、部屋の半分ずつを作業することにした。

掃除機をかけ雑巾がけして綺麗にしたところへフロアタイルを並べていく。

八枚で十キロということは一枚一キロを越えているので微妙に重い。

我、普段はキーボードしか打っていない軟弱者故、地味に堪える。

箱を開けてフロアタイルを取り出すだけでも大変で、この時点でどうして一人で始めたのかと疑問を抱き始めていたが、途中で諦めるわけにはいかない状況であったので(仕事部屋の荷物を家中に放出したので身動き取れなかった)(犬猫猫に大不評)無心になって頑張った。

こんな剥がれ具合だった。


このclick eucaという商品は短手150mm長手935mmというサイズで部屋の大きさなどにあわせてカッターナイフでカット出来るという。

サイトにあがっているカット方法の動画を見てみるとなんなくやっている感じだったので私でも出来るだろうという錯覚を抱いた。

私のような思い込みの激しい人間は動画を見ただけで、何故だか自分も出来ると思ってしまうので要注意だ。

部屋の隅にぴたりとあわせてフロアタイルを並べていく。

すると部屋の長辺は四枚でほぼぴったりだった。

僅かな隙間は出来るが無視出来る範囲だ。

部屋の長さを測って商品と照らし合わせた際、計算上はわずかに四枚では足りない感じだったのだが、考えていたよりも隙間が狭く見えるからOKだ。

切らずに済むならそれに越したことはない。

ようし、このままさくさく並べて行くぞ!と思い、二列目に突入した。

そしてすぐさま、壁にぶち当たった。

なんか微妙に段差が出来る。

おかしいなと思い、改めて公式サイトの施工方法動画を見てみると、click eucaはただ並べるだけのものではなく、はめ込み式で、短手を連結させた際に上からハンマーで叩く仕様なのだが、私の叩き方が優しいように思えた。

あと、微妙に長さが揃っていない。

ほら、老眼だから!

よく見えてないのよ!

本当に老眼は最大の敵だ。

何をしようとしても見えないのがネックになる。

私の場合、元々近視と乱視でもあるので、遠くも見えないし近くも見えない。

眼鏡をかけても外しても見えない。

どうすりゃいいんだよ。

眼鏡を外したりはめたりでちゃんと揃っているか確認していくと重要な事実が判明した。


私は部屋がきっちりとした長方形だと信じて部屋の長辺に沿ってフロアタイルを並べていたのだが、もしかしなくても部屋の方が歪んでいた。

数ミリのことだがこの作業においては重要である。

なので一列目を壁に沿わせるのではなく、フロアタイル自体が真っ直ぐになるよう連結させてみてから壁につけてみると、部分的に部屋の壁との間に微妙な隙間(数ミリ)が生まれる。

いやもうこれはフロアタイル側に合わせるべきだ。

隙間も全然無視出来る範囲。

そもそも私の目では見えない。

はい、次ー!とさっくり課題を解決し(てない)再度、二列目にチャレンジ。

長手をきっちり合わせ、短手をはめて上にタオルを被せてハンマーで叩く。

(ちなみに公式サイトではこの作業に適したゴムハンマーというのとセットになった商品もあった。たぶんお得。私はゴムハンマーをその後使わないかなと思ってセットのものは購入しなかったのでタオルを敷いて普通のハンマーで叩いていた)


公式サイトをよくよく読んでみたところ「クルミを割るくらい」と書いてあったので、その勢いで叩いてみたらはまった。

段差がなくなった。

おおう!

やはり公式サイトはちゃんと読んだ方がいいし、動画もちゃんと見た方がいい。

読んだし見たけど、適当だった自分を反省した。

公式さんが意味のないことを書くわけないのだよ。

恐らく、私のようなろくに読んでも見てもいない素人から初心者質問が鬼のように来てその度に溜め息をつき、サイトに書いてあるのにな、どうやって書いたら通じるのかなって頭を悩ませているに違いないのだから。

励ましてくれる猫。


そんなこんなで作業を続けていき、半分まで敷いたところでフロアタイルの上を拭き掃除してベッドをその上へ移動させ、残り半分の作業に取りかかる。

えっちらおっちら猫に励まされ(蔑まれ)ながら、犬に迷惑がられながら頑張ること三時間余り。

なんとか部屋の端っこまでやって来た。

そしてとうとうフロアタイルを切らねばならない事態に直面した。

幸運にも部屋の長辺はフロアタイルが四枚分がほぼぴったりだったけど、短辺はそういうわけにもいかない。

しかも、微妙に凹凸がある。

取り敢えず、凹凸のない真ん中二枚をなんとかしてみることにした。

計ってみると六センチ幅に切断しなくてはならない。

公式サイト様の切断方法動画を見たところ、カッターで切り込みを入れれば切れるようだ。

935mmの長さのフロアタイルの、六センチ幅のところに線を引き、定規をあててカッターを動かす。

硬い。

当たり前だが紙とは訳が違う。

厚みもあるし、切れそうな気配はない。

何度も何度もカッターで同じ場所を切っているうちに手が痛くなって来た。

ほら、軟弱者だから。

切れそうな気配もないけど、公式を見れば切るというより体重をかけて割るみたいな表現をしている。

やってみるかと真似したところ…割れた!

意外にも綺麗にぱきっと割れたのだ。

なるほどな。

こつさえ掴めば出来る的な表現がされていたのも納得だ。

やってみないと分からないことってありますよね。


なんとか六センチ幅に切ったものをはめ、もう一枚も苦労して切って、なんとかはめ込み…そこで私は力尽きた。

手前が6センチに切って嵌め込んだもの。奥の部分を続けてやる気になれず。



疲れきってしまい、とても凹凸部分の造作作業をする気にはなれなかった。

その後、原状復帰もしなきゃならないのだから、これ以上続けたら昼も回ってしまうし、するってえと私の体力も更にがた落ちになっていくし(午後は使い物にならないおばさんの常)ここら辺が潮時だろうとあっさり諦め、部屋の隅っこはそのまま放置されたのだった。


帰って来たクマはすごい綺麗だ一人でよくやれたね頑張ったね上手だよと褒めてくれたし、出来ていない端っこについてはそのままでもいいんじゃないの別に気にならないよ的に言っていたが、なんとかせねばと思っていたのでGWに入ってから作業に取りかかった。


凹凸にあわせた型紙を作り、それを元にしてフロアタイルを切る。

縦に切断するだけでなく横にも切らねばならないので四苦八苦しながらの作業であったが、な…なんとかなった(たぶん)。

ヒロミとかが見たら「やり直し!」と叱られそうないい加減さだが、いいのだ。

もう。

私の部屋だし。

私しか目にしないし。

完璧!(たぶん)

かなり雑いがOKだ。五本指靴下もOKだ。


反対側もなんとかしたんだよ。


そんなこんなでようやく作業は終わったのだが、懸念事項はやはり残った。

私はにおいに弱く、こういう建材系はにおうのではないのかと思い心配し、どれくらいのにおいなのか調べてたのだけど情報に辿り着けなかった。

その辺をこだわりだしたら切りが無いとも分かっていたので、目を瞑って見切り発車してみたのだが、やはりにおいはある。

夜も窓を開け放し、においを分散させ、幾分かマシになりつつあるものの、ちょっと時間がかかりそうだ。

においに弱い人は考慮した方がいいと思う。

私の場合、代わりの部屋がある住まいなのでいいが、単身生活でワンルームマンションなどだと辛いのではないかと思われる。

ただ、私は一般的な柔軟剤などでも辛いくらいの敏感よりの鼻なので、普通の人は大丈夫なのかもしれない。


DIY、楽しいけど、最大の敵は老眼だと痛感した。

トイレの壁紙は…無理かなあ…(遠い目)

今度は剥がれて欲しくないので椅子の下にマットを敷いてみた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?