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理想に近かったお弁当を食べて思う、健康に良い食事とは

今回は「私は食品をこういう風にとらえています」という内容を含みます。

「本当に健康に良い食材」みたいなニュースとか記事とか、よくありますね。逆もまたしかりですが。↓の記事みたいなやつ。

こういう「健康に良い食べ物」とか「健康に悪い食べ物」という二元論はわかりやすいですが、それ故に多くの誤解を招いていると思います。

というのは、こういう議論って「量の概念」を無視しがちだからです。

「健康に良い・悪い」より「少しでもヤバいか・たくさんだとヤバいか」

よく言われる話ではありますが、水とか塩みたいなものすら摂らなければ死ぬ、摂りすぎても死ぬ、という話です。上の記事にあるナッツ類だって、適度な量であれば健康には良いのでしょうが、脂質は食品の中では多いものですし、それしか食べなければ健康を害するでしょう。

なので、僕は食品の軸というのは「健康に良い」「健康に悪い」という軸で見るのではなく「少量でも危険」「大量に取ると危険」という軸が基本にあって、その間に成分によっては摂るべき量があるという理解の方が適切に思います。
その中で少量でも危険な物を毒と呼んでいるという考えですね。

そして、摂りすぎていい成分なんてないというスタンスでもあります。
(よく「摂りすぎても排出されるからOK」みたいに表現される栄養素もありますが、それ本当に排出器官には負担かけてないか? と思ってます)

こんなイメージ。全く摂取を必要としない成分も当然あるという前提で。


食品の成分は基本的にブラックボックス

先日完全栄養食だけ食べてる人が話題になっていました。

僕は食事に情緒や楽しみを持たない人がいても全然いいと思っているんですが、単純にこれ身体には良くないなと思ってます。
というのは2つの理由からで、
1.それは本当に完全栄養食なのか
2.特定の食品だけ食べ続けることの弊害は多分ある

というところなんですね。

1.に関しては、前noteの記事にもしたことがあります。

要は「そもそも『完全』って何よ?」っていう話です。ベースフードの裏面表示見て「スゲー多いな」と思われる方もいるかもしれません。でもこれは日本の食品摂取基準に準拠した成分なだけで、海外では摂取基準に設定されているけれども日本で設定されていないような成分なんかもあります。

また、栄養成分ではなくても、生理活性の高い機能性成分はいくらでもあります。そういった成分は血圧の調整とか酸化ストレスの軽減とか、色々な作用を身体に引き起こします。
そしてそういった機能性成分はまだまだ探索中のものも多く、結論として食品に含まれる成分というのはまだブラックボックスであると言えるでしょう。
そうした成分の無数の組み合わせの中で私たちの身体は機能している。

それが2.にもつながるんですけど、何か特定のものしか食べないというのはそれ以外の食品成分を放棄することになります。一般的な食事として何品目か摂っていれば採れたはずの栄養成分を摂らないということなので。

余談ですが、個人的には完全栄養食自体の必要性は認めていて、ただそれは3食置き換えるようなもんじゃないよってことです。朝菓子パンしか食べない、という食事をベースフードに置き換えたり、昼のラーメンを完全メシに置き換えたりといった、1食置き換えるくらいの使い方がとても良い使い方なんじゃないかなと思います。あるいは、朝ベースフード昼完全メシみたいに種類変えるとかね。
あ、色々食べましたが、カレーメシが多分今のところ一番おいしいです。

で、2.特定の食品だけ食べ続けることの弊害についてですが、基本栄養成分表示に載らないけど害がある成分ってあるんですよ。一番わかりやすい例で言うとコメでしょうか。

白米、皆様の主食だと思いますが、実はカドミウムが結構多いです。コメはどうしてもカドミウムを蓄積しやすく、また体内では腎臓に蓄積しやすいという特徴があります。
下の記事によると、食品安全委員会が決定したカドミウムの「耐容週間摂取量」(TWI)は、日本人の推定摂取量の3倍程度だそうです。

ただこれは一般的な食事をしている人の「推定摂取量」なので、当然「3食同じものしか食べない」みたいな偏った食事をしている人を想定していません。

繰り返しになりますが、食品は含まれている全ての成分が分かっているわけではありません。なので、何かを特化して食べ過ぎたときの影響ははっきり言って「わからない」が結論になります。

ではどんな食事を摂ればよいのだろうか

そんなことを言われると「じゃあ何を食べればよいのか」という議論が出てくると思います。そんなとき、僕は「理想の食事というのは少量多品目の食事ではないか」ということを度々口にしています。

何か特化した成分を摂るわけではなく、色々な食品を摂ることでバランスよく栄養成分を摂取し、過剰に摂ると害になる成分を品目数で希釈する。そういう考え方です。
これはなかなか言うは易しですが、日常生活で取り入れられるかというと難しいだろうなと思われると思います。
実際難しい。お金も時間もかかります。

だからこそ、選べる時にはそういう食事を選んでおきたい。
そんなわけで、先日食べたお弁当は結構理想のお弁当に近かったです。

品目数メチャクチャ多い。左上のバランの下にはきんぴらが隠れております。

こういう感じで、色んな品目を1口2口サイズでたくさん食べられるのが僕は理想だと思うんですよねー……。
それでは表示を見てみましょう。

ゴッチャァ……

なかなかの添加物の数、と思われるかもです。「その他付合せ/」の後のスラッシュ以降が添加物です。みんな大嫌いなコニチールもありますね。
「どこが理想の食事じゃ!」と思われる方もいるかもしれません。

ただ、ここで冒頭の話になります。基本的に食品だろうと食品添加物だろうと、摂りすぎると害であり、摂ってどれだけ無害の状態で許容されるかが問題です。問題は種類ではなく、量です

単純に、これは品目数が多いから添加物の種類が多くなっている、ただそれだけだと思います。一つ一つは色んな食品の組み合わせなのでしょう。で、それぞれに使われている添加物を並べるとこうなる。
ただし、一つ一つの量は少ないので、食品添加物の量も微量でしょう。

強いていえば、821kcalは多いなーというとこですかね。右上の饅頭がたぶん100kcalくらいあるでしょう。隣の子にあげちゃいました。大きくなれよ。

食品添加物は少ないに越したことはない、という意見には同意するが

食品添加物は使わないに越したことはない、という意見には賛成です。ただ、それは食品が安全だということと同義ではありません。むしろ食品添加物はちゃんと規格があり、摂取量がこれくらいになると害になる、という量のデータがあり、1/100までしか使えないというようなルールがあります。
そうした意味では、食品の方が何が入っているかわからないとも言えます。

添加物と添加物の組み合わせで悪影響があるのではないか、という話もあるかもしれませんが、それも添加物に限らず食品でも同義です。
組み合わせで悪影響が起こる可能性を否定はできません。ただ、一つ一つの量が少なければ、もし仮にそんなことが起こっても大した影響は出ないでしょう。

そんなわけで、理想に近いお弁当を食べた時に思った話でした。
米一区画なくて野菜がもうちょっとあるとベストだった。


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