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マトリクス型組織で分散型の組織へ

どうも、世界のTOYOTAリスペクトのIWAOです。

今回、ある会社の開発組織に対して、僕はマトリクス型組織というのを提案しました。マトリクス型組織は2016年にトヨタ自動車が導入したことで有名になりましたね。かんたんな図を貼っておきます。

縦にジョブ、横にビジネスラインを書いて、ブロック状に配置する組織図です。配置される人は縦と横それぞれ2つの役割を持つことになります。リーダーは縦と横それぞれに立てるので上司が2人の構造になります。

なぜ僕がこのマトリクス組織を提案したのか、今回はその提案した理由を怒られない範囲で、バレないように解説したいと思います!

誰が何をしているかわからない

業務は異常なほど属人化されていましたが、外からは誰が何をしているのかわからないという組織課題がありました。これは人を中心に組織を設計しているからと分析しました。

日本企業の場合、多くはメンバーシップ型の組織と言われています。採用するときに何のジョブをお願いするか決まっていないまま採用し、仲間になってから仕事を割り当てる傾向があります。

そうなると、その人ができることだけをやってしまい、放置される業務のムラが発生するのです。昔の終身雇用ならまだしも、昨今の成果主義だと役割と責任を後付けする構造では、成果を評価することも困難です。

マトリクス組織ならジョブ中心に設計するので、全ての業務をマッピングできます。そして組織図をみれば、誰が何をしているかが一発で分かります。「あなたはこの業務をオーナーシップを持って取り組んでください」と責任を定義できるので、属人化の解消や生産性向上の効果が見込めます。

対応に迅速さや柔軟さがない

人の採用をしていいかどうかの判断ができないという組織課題がありました。その結果、何か新しいことをやろうとしたとき、空いてる人を探して、いなければやらないという選択肢をとっていました。絶句ですね。

例えば営業部から新しい要件が上がっても、誰に聞いていいかわからないので、話しやすい人に相談したり、ホウレンソウおじさんが「聞いてないぞ」と怒ったり現場は混乱していました。組織設計の欠陥によって顧客が離れてしまっていたのです。

確かにピラミッド組織は権力者にとって指示を出しやすいですが、階層が多いために情報の伝達に時間がかかり、途中で誰かが間違いに気付いても修正することが困難です。そして下の階層の生産性を全て低下させる制約理論が成立してしまいます。

マトリクス組織図なら、新しい要望が上がったら誰に相談するかが明確になり、しかもホウレンソウおじさんの一極集中による制約を排除できます。結果的に、高速PDCAを回す柔軟なチームを作れるようになると思います。

ある領域だけ品質が悪い

その製品は全体的に品質はよくなかったんですが、ある領域だけが著しく品質が悪かったのです。製品は組織構造に似るというコンウェイの法則の通り、まさに組織のムラが生んだ歪みではないかと思いました。

組織にムラがあるのは、その領域のスキルが高い低いではなく、組織設計に問題があるからです。ピラミッド型組織では上のレイヤーに立つマネジメントする人の得意領域が強化され、苦手領域がおろそかになる傾向があるからムラが生み出されると思っています。僕も例外ではありません。

マトリクス組織図なら網羅的に組織をマッピングできるので、役割が抜け落ちたら気付いてアクションが取りやすくなります。そして少なくとも2人のリーダーが見ることになるので、マネジメントする人のムラが解消され、役割が欠けるリスクを回避できると考えました。

雑感

変化が激しいグローバル化が加速する時代に、マトリクス組織がグローバルな企業に向いていると言われているようです。それは、海外では一般的なジョブ型組織に似た組織設計だからだと思っています。

特に日本特有の終身雇用だから成立するメンバーシップ型組織、そしてトップダウンによる指示を出すことに特化したピラミッド型の組織は、組織図を見ただけで萎えるようになってしまいましたw

中央集権型の組織を否定するつもりはありませんし、強みも理解していますが、今回の世界的な不景気をきっかけに今回のマトリクス型組織のような分散型が流行っていくんじゃないかなと期待している次第です!

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