ジムぐらい、通わせてくれないか【休職エッセイ】
休職に入って真っ先にやり始めたことがある。ジムへ通うことだ。
始めた理由は、知人から「運を動かすと書いて、運動だよ」という素敵な言葉をいただいたから。
週に2〜3回、4ヶ月以上通った。何年もこのジムに通いたいと思っていた。運動を習慣にして、心も体も健康になると思っていた。
でも、まさかこんな理由で突然、辞めることになるとは思わなかった。
(1)休職中に始めたジム通い
ジム通いの効果はすごくあった。1ヶ月で1〜2kg痩せたし、何より見た目が変わった。服のサイズも小さくなったし、太もももすっきりして、ミニスカートもはけるようになった。
メンタル的にもとてもよかった。会社では一生懸命頑張っても、周囲がクソッタレだと全てがおじゃんになる。
でもトレーニングだけは、頑張ったことが全てが自分に良い影響として返ってくる。
数名のトレーナーさんが日替わりで担当してくれる。その中で特に大好きな女性トレーナーさんがいた。いつも私のことを気遣ってくれて、明るく元気に頑張れた。
(2)見過ごしていた我慢の先
しかし、私の楽しみは突然終わりを迎える。理由は、とある男性トレーナーとのトラブルだった。
私はこの人を当初からよくは思っていなかった。一言でいうと、悪気のないモラハラ気質なのだろう。
話したくないデリケートなことをズカズカ遠慮なく触れてくる無神経な人だった。
復職について「もうすぐ夏休み終わりでしょ?」みたいな感覚でいろいろ質問してきた。彼は、休職や復職がデリケートな話題だと、知らない社会人のようだった。
腕立て伏せをしていたら涙が出てきた。これまでも彼との会話で嫌な思いをしてきたことはある。でも、トレーニングがしたいから目をつぶっていた。
でもここは会社じゃない。お金を払ってまできて、こんな思いをするのは違う。何より自分は、まもなく復職する身。ここで心を乱してはいけないのだ。
私はその日、途中で帰った。夫にも相談して、もうそんなところへ通うのはやめようという話になった。
(3)涙の退会決断
数日おいて退会の申し出をしようと思っていたら、店舗責任者から電話がきた。トレーナーから報告を受けたらしい。
店舗責任者の人は、誠心誠意、謝ってくれた。正直、責任者のその潔い行動には、とても感動した。
「それ普通だよ」と言われると思うが、普通じゃないところで仕事をしていたから仕方がない。感覚もバグっているのだ。
残念だけど決めた通り退会を申し出た。自分の心に、負担はかけられない。入会時に最低契約期間が定められていたが、それもチャラにしてもらえて、返金手続きをしてもらえることになった。
休職時も、私はこうして自分に原因は見当たらないことで休職に追いやられた。でも、まさか自分に希望をくれたジムでもこんなことになるとは思わなかった。
いつも私に優しくしてくれて、成長と成果を一緒に喜んでくれるあの女性トレーナーに会えなくなるのが、とても悲しかった。
(4)イエローカードは一回じゃ終わらない
私はHSP気質で抑うつ症状を持っている。犯罪被害にもパワハラにもあった。自分の人生で変な人をたくさん見てきて確信したことがある。
「この人変だな」と思う人は、間違いなく変なのだ。私の感覚が人より敏感とか、おかしいのかなじゃなく、相手が年相応に持つべきコミュ力や常識を欠いているのだ。
案の定、聞いてもいないのに責任者はこう言ってきた。「実はあの人は、これまでもお客様からこうしたお叱りを受けることがあったんです」
驚きはしない。「そうでしょう。わかりますよ」と言っておいた。イエローカードを持っている人は、一回で終わるわけないのだ。
非常識な人を雇用している会社は、ホント大変だな。
(5)皆さんにお伝えしたいこと
今このエッセイをどういう立場の人が読んでいるのかわからない。
だけど私のこれまでの人生からお伝えしたいことは、自分が嫌だとゾワゾワする感覚はほぼ正しい。
そして悪いことをされたら、絶対に簡単に許しちゃいけないってこと。
自分がしていることが何かわからない人は、確実に同じことを繰り返す。痛みなしに人が変わることはないだろう。
だから私はいつも、必ず被害事実の記録を公に残す。警察の世話になるものなら警察に絶対行くし、会社の中なら相談窓口に行く。
もしかしたら、そのときは「まぁまぁ」と言われるかもしれない。でも絶対同じことは起こる。二回目がきたときには言える。「そらみろ。どうするんだよ」と。
残念ながらいろんな人とこの社会で暮らしている。信じられないようなことを言ったりする人が、自分の身近にいる。
そう考えると、自分はHSPで繊細だし、精神疾患もあるけど、良いことと悪いことの判別がついて、人を思いやれる人間で本当によかったと思う。
今、自分にあるものに感謝できる。幸せなことだ。
なくなったものは、もう数えない主義だ。
あの優しくしてくれた女性トレーナーを思い出して、これからは教わったことを一人で必ず家でやり続けようと心に誓っている。
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