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ノーマン

ジャマイカのリゾートホテルは殆んどがオールインクルーシブというシステムを採用している。
日本でも最近はいくつかあるみたいだけどコイツは最高だ。
ボクが泊まったホテルでは敷地内の全ての飲食とアミューズメントやスパが無料でルームサービスも24時間無料だった。
だからといってショボいなんて事は全くなくてフランス料理やイタリア料理なんかも敷地内に独立したお店があってそこも全て無料。24時間営業のハンバーガー屋台やジャマイカ名物のジャークチキンスタンドも全て無料だ。

よく知らないが面倒くさがりアメリカ人が考えたシステムだとか言っていた。しかし、このシステムはとても楽でリゾートに大食い目的で来るような人もいないだろうから折り合いがついてるっぽかった。そもそもそんな高い料金じゃなかったしリラックスする為に来ているのにいちいち料金を気にするなんて嫌だなと思うボクには最高のシステムだった。

ホテルに到着すると日本人スタッフがいて受付した。簡単な説明を受けて疲れていたので(家を出て30時間は経っていた)翌朝のスパでマッサージを予約した。この女性は何かあったら電話下さいと言ったが2度と連絡が取れなくなったのでどこからかアルバイトで来てるんだろう。部屋で泥のように眠った。

寝てたらドアをガンガンノックしてくる。なんかデカイ声で『モーニン❗』って言ってる。ドアを開けたら超大型のメイドさんがものすごい笑顔でモーニン❗ってコーヒーの入ったトレイを差し出して来た。ウェルカムドリンクっぽい。飲まずに気絶した。オレは今から寝るんだよ。深夜2時だ。
このルームサービスは面白かった。ドアを叩き割るようなノックとバカでかボイスは聞いていて小気味いい。人類はこんなにデカイ声が出るンだという事が知れた。

目が覚めるとカリブ海の燦々と降り注ぐ陽射しが肌を射してくる。朝飯を食いに敷地内のカフェに行くと果物やらサンドイッチが勝手に出て来た。紅茶にするかコーヒーにするか聞かれる。ジャマイカはイギリス領だったらしく紅茶が美味いらしいがコーヒーを頼んだ。ジャマイカでコーヒーと言えばブルーマウンテンだ。
本当に美味いコーヒーを飲んで今でも忘れられない。先ずコーヒーの濃さが尋常じゃない。これに比べたら日本で飲むコーヒーはお湯だってくらい濃い。ウェイターがミルクを入れようとしたのでストップをかけたらお前は気は確かか?寝ぼけてるのか?っぽい事を言われた。
一口飲んでウェイターを呼んだ。ミルク入れてくれと。たっぷりミルクを入れたブルーマウンテンの美味い事と言ったら、日本の喫茶店では怒られそうだがこの飲み方は気に入ったのでジャマイカにいる間はこればかり飲んでいた。

スパに行くとだいたいの人が想像するようなものではなく岬の突端に掘っ立て小屋みたいなのがあって波の音を聞きながらマッサージを受ける事が出来た。なんていうか人種が違うからかグローブみたいな手で肉の付き方が違うからなのか最高だった。

ビーチには枕が付いてプカプカ浮かんでるようなベットがあった。めちゃくちゃ気持ちがいい。赤道に近いせいかなんだが海が盛り上がっているように見える。
山育ちのボクはその後に起こる惨劇など想像出来るハズもなく寝た。カリブ海に浮かんで寝るなんか最高過ぎるやろ。

当然のように重度のヤケドをしたボクは水でしこたま冷やしてルームサービスのオバチャンにアロエジェルをたっぷり塗って貰った。どうりでどこに行ってもこのアロエジェルが大量に売ってるわけだ。恐いので海はやめて山に遊びに行く事にした。

ジャマイカは山がとても美しい。水のキレイさと言ったら透明度マックスで山の方に行くとクラフトマンやラスタマンがたくさん住んでる。
よくイメージするドレッドヘアは町では殆んど見ない。ラスタマンと言われる人達は信仰から身体に刃物をあてないので自然とドレッドヘアになる。

だんだん飽きて来たので次が最後。キングストン編。リゾートからドヤ街に引っ越した感じ。

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