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WHOで働いてみて感じたことを赤裸々に書いてみた

こんにちは、プリンセスです🙌

今回の記事のネタは何にしようか悩んだけれど、
World Health Organization (WHO) という、たぶんCOVID-19のパンデミックが起こって以来、ほとんどの人が聞いたことがあるに違いない国連機関のカントリーオフィスに勤務してみて、感じたこと、考えたこと、をツラツラ書いてみました。

と言うのも、WHOというと「立派な(の定義はさておきww)」仕事をしている機関のように見えて、私の個人的な見解からすると、必ずしもそうでないことも多々ある気がするわけです。(え、めっちゃ悪口やんw)

もし、今読んでくださっている方の中に、

「WHOで働くのが夢!」

という人がいらっしゃったら、もしかするとそのキラキラ(してそう)な夢を壊してしまうと思うので、これ以上先は読まないことをおすすめします。笑

あ、でもWHOの立場とか何をやっているのかはっきりとは知らん…という方は私が愚痴を言い始める前までは読んでもらうといいのかも笑

逆に、

「愚痴を聞いてみたい、実際を知りたい」

と言う方々にはぜひ読んでいただき、感想もいただきたいところです。笑


そして、WHOに知人がいるという方。

こんな愚痴を書いてるやつがいるぞ!と通告するかどうかはあなたにお任せしますが、その人にも率直な意見を聞いてみてください😂


カントリーオフィスという立ち位置

WHOの本部 (Headquarter: HQ) はスイスのジュネーヴにあり、
その下にリージョナルオフィス (Regional office: RO) という、ある一定の地域を管轄するオフィスがあります。

そのROが管轄する地域内にある国の中に置かれているWHOのオフィスが
カントリーオフィス (WHO Country Office: WCO)。

私が今所属していたWCO Zambiaは
HQの管轄下であるAFRO (RO for Africa)というROの管轄下のザンビアWCO
という位置付けになります。

ROは世界に6ヶ所あって、日本はWestern Pacificのリージョナルに含まれます。

ただし、WCO自体は全ての国に存在しているわけではありません。
ヨーロッパの多くのWCOはないし、日本にもありません。

ただし、WHOとしては各国で起こっているヘルスに関する出来事・情報をキャッチしておく必要があるので、その場合、WHO連携機関として政府機関や研究所、医療施設が指定されたりします。

ちなみに、日本には、WHO協会というものはあるけれど、それはWCOではなく、日本の中でWHOの働きに賛同している人たちが有志で設立したもの。

ちなみにちなみに、私はWHO協会の留学生日記に投稿したので、もしよろしければ読んでください。笑

WHO・WCOは何をしているのか⁇

で、WHOの役割。

端的にいうと、WHOは現場におけるアクティビティの直接的な実施機関ではありません。

私が携わっている/携わった経験をもとに例を挙げると、

  • ガイドライン作成へのテクニカルサポートとファイナンシャルサポート

  • コレラアウトブレイクの際に、トリートメントセンターにおけるIPCキャパシティのアセスメント

  • 同じアウトブレイクの際、保健省や他のNGO機関が行っているアクティビティに同行し、現場視察

  • 同アウトブレイクにおいて、保健省内のアウトブレイクコーディネーターと協働し、マネジメントの強化

  • 同行/協働しつつ、情報収集し、不足している物品等に対してのファイナンシャルサポートを要請

といった感じ。

なので、
コミュニティにおけるコレラに関しての啓発運動
というアクティビティを例に取った場合、

直接コミュニティに入って、紙芝居やら寸劇やらを通して啓発運動を実施するのは現地のNGO団体

そのプログラムの必要性を認識して、保健省とNGOが連携してそういった情報提供を地元住民に届ける仕組みを作っているわけです。

そして、そういった活動をする上で、
資材作成 (のためのインプットや印刷・拡散のための費用) や
移動のための燃料費などが必要になるわけで、
そういったサポートをするのがWHOになるわけです。

なんとなくお気づきかと思いますが、

直接な働きかけをしたい!という人にはWHOという組織はきれいに合致しないと思うし、コミュニティに入って何かしたいという人にとっても物足りないと思う。

逆に俯瞰的な視野を持って、
保健省やその他政府機関、NGO機関の人たちと上手くコミュニケーションが取れて、
必要な情報をキャッチできて、
さまざまなツールを使って状況分析をして、
WCO側にレポーティングできる能力があれば、かなりWHO向きだと思います。

あとは、政策的な部分に関わりたい人などはもってこいだと思います。

保健医療に関して、特にアウトブレイク対応など、どうやって国のキャパシティを高めていくか、という視点を常に持つ必要があります。

違和感を感じる部分

上記のことを踏まえて、人によっては、

「えーっ、WHOって現場でバリバリ働くわけじゃないのか~。ケアとか直接的なアクティビティをしないなら意味なくない?🤔」

と思うかもしれませんが、まあそれはそれぞれやるべきことの棲み分けがあるので、
―例えば、NGOがポリシーレベルの動きはしない/がっつりはできないですね?―

それはしょうがないとして、

私が違和感を主に感じるのはお金の使い方。笑


例えば!私の携わっていたIPCのガイドライン作成。

ある程度の人数が集まって一週間かけて中身を考えていくわけですが、

その集まる場所が、なぜかリビングストーン。笑

ということは、首都にいる人たち(WHOのスタッフも含めて)は
首都↔リビングストーン間を移動するための費用や、リビングストーンでの滞在費用も必要なわけで、

これらを含めたファイナンシャルサポートをするのはWHOやUNICEFだったり、協働する他のUN機関だったりするわけです。

その国の政府・保健省はそんなお金を準備ができないから、
「ミーティングするための費用をサポートしてくれ~」
というレターが送られてくるわけです。

しかも招集された人の中でリビングストーン(やその近辺)に住んでいる人の割合が首都に住んでいる人の割合より小さい場合、

首都に来てもらう方が断然お得なわけです。

私は一度それに関して「なんでわざわざ遠くに行く必要があるん?」と聞いたことがあるのですが、回答としては、
「僕たちは忙しいだろ?だから他のミーティングにも呼ばれる可能性があって、そういうのはだいたいルサカ(首都)で行われることが多いだろ?そうすると容易に移動できしまって、このキミがサポートしてくれている会議に出席できないからさ~」
とのことでした。

まあ、わからなくもないけどw
微妙に説得された感は否めへんw

話は戻って、
しかも、こういう招集の際に使う会場は豪華なホテルの中にある会場であることが多く、そうなると自然と場所代や、そこに含まれるランチ代も高くなることは容易に想像できると思います。

そして、そういった、人々を招集するとなると、ランチや水の用意が必要なのはわかるものの、途中のティーブレイクやメモ用紙やペンなどの筆記用具の用意までするのがお決まり。

そういったお決まりがあるのは知っているし、人を呼ぶなら食事を用意して当たり前っていう概念も知っているけれど、

筆記用具とかせめて自分の持ってるやつで良くない⁇って思うし。

筆記用具を準備したところでまともにメモとってる人なんてほんのわずかやし。笑

噛み終えたガムを丸めるために使われてることが多い気がするww

この、

  • いちいちどこかに移動したがる点

  • 豪華な会場を使いたがる点

  • やたらと回数の多いティーブレイクのための茶菓子費用

  • 文房具のための費用

は、私の中でいつもひっかかるところ笑

どこかに移動しなくたって、保健省の中にあるカンファレンスルームで良くない⁇って思うことも多々あるし、

集まるにしてももっとランクを下げたホテルでも良くない⁇って思うわけです。

そうすればもっと予算を削減できるし、

浮いたお金は必要なサポートに回せるし、

なんなら違うプロジェクトを実施していてコストが予定よりオーバーしそうな人にそのお金を回すこともできるだろうし。

こういうのを目の当たりにすると、

自分は本当に正しいことをしているのだろうか⁇

とかなり疑問に感じてしまうことも少なくない。

そして少しガッカリしてしまったり、虚無感に襲われたりすることもある。

招集された人たちは、そのときの待遇を楽しんでいるけれど。

自分の属している組織や肩書に満足してはいけない。

享受するもの、されるものとは?

個人的には義務と権利は紙一重だと思っているし。

そうやって、良い場所に呼ばれ、与えられたものを楽しむだけじゃなくて、呼ばれたからには、それ相応の結果を出す義務を感じてほしい

それに、いつかは政府が独り立ちすることも念頭においてほしい
こういう慣習を続けることは、結局自分たちで実施する時代が来たときに、自分たちの首を絞めることになりかねない…気がしている🤔

なんであのときには出たお茶やお菓子が出ないんだ⁉
なんで最近は日当がでないんだ⁉

と言われかねないし、その部分のお金ってかなりかかるので、今までの要求をのみこんでばかりいると、結局UN機関に頼りっぱなし。
自立できない国になるのでは?と思ってしまったり。

あなたはどこで、誰と、誰に囲まれて、誰のために働きたいですか?

これがキャリアを考えていくときにいつも自分に投げかける質問。

そしてその答えはそのときどきで変わるし、変わっていいんです。

いろいろ経験していく中で、自分の中で比較対象ができて、それを判断材料として使えるというのはかなり贅沢。

WHOでの気づきをいろいろ書きましたが、これは私の経験であって、そのままあなたの経験・意見になるわけではありません。

UNで働いてみたいと思う方、入り口はさまざまだし、ポジションもさまざま、機関もいろいろあります。

私でもこういうふうな形で携われたので、きっとみなさんにもチャンスありますよ~~😊

Bonne soirée☆

記事を読んでいただきありがとうございます✨いただいたサポートは今後の語学学習と図書の購入に使用させていただきます。