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TPP協定と著作権法①-TPPの概要-

1.TPP協定とは

TPP協定は、アジア太平洋地域12か国が参加する包括的な経済連携協定であり、以下の国々において、平成28年2月4日に協定文書に署名がなされました。

【TPP協定参加12か国】

シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ、日本

TPP協定によって、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化が促進され、アジア太平洋地域の市場の活性化につながるとされています。

著作権を含む知的財産権についても、TPP協定の一部として検討がなされており、今般の改正法案提出へとつながっています。

2.TPP協定の締結に伴う著作権法改正案

改正案は、2016年3月8日に国会に提出され、今後、国会において審議される見込みです。

新旧対照表:http://www.cas.go.jp/jp/houan/160308/siryou4.pdf

※著作権法は、本文頁番号で108頁以下、PDFの頁番号で109頁以下となります。

なお、TPP協定の英文と訳文は、こちらにあります。

英文:http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/tpp_text_en.html

訳文:http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/tpp_text_yakubun.html

3.何が変わるのか?

今回の改正案で、具体的に変わるのは、主に以下の5点です。

(1) 保護期間の延長

(2) 非親告罪化

(3) アクセスコントロールの回避等に関する措置

(4) 配信音源の二次使用に対する使用料請求権の付与

(5) 損害賠償に関する規定の見直し

TPP協定の交渉中は、ネット上でも保護期間の延長や非親告罪などは特に様々な議論がなされていたところですが、改正法案の内容としては、そうした議論も踏まえた上で、"着地点"を見出した内容になっているように思います。

≪つづく≫

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